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大麻とは(タイマ) ヘンプとは(hemp)


大麻とは、の一種で 桑科の植物の靭皮部分(ジンピブブン 外皮のすぐ内側にある柔らかな部分)からとった繊維です。ヘンプ(hemp)とも呼ばれます。

強度があり 耐久性 耐水性に富みますが、漂白すると 弱くなり弾性に欠けるので 最近は衣料用には あまり使われなくなりました。麻ひも ロープ 鼻緒の芯 畳のたて糸とよこ糸などに使われてます。

戦前は繊維としての大麻の需要が大量にあり、栽培に手間がかからなかったので 沢山栽培されてました。ですが戦後は 綿やジュート(黄麻 コウマ) 化成品が代換品として 使われるようになり需要が激減し、国内では もうほとんど栽培されてません。

大麻の実は 栄養が抱負で、忍者が非常食として 使っていたそうで、現在でも七味唐辛子やペットの餌として 売られています。

(麻薬成分があるのは 葉と花穂のみで、茎(大麻繊維の原料)や 種にはないそうです。ですので 大麻の繊維や種を所持していても 罪になりませんが、許可無く栽培したり 葉と花穂を所持していると 逮捕されます。乾燥した葉や花穂が マリファナです。
当たり前ですが 大麻製の洋服を着ていたり、種を食べても 麻薬中毒になることは ありません)

昔は 大麻のことを「麻」と言っていたのですが、他の麻繊維が どんどん入ってくるようになると 区別するために「大麻」と呼ぶようになったらしいです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

パッチワークとは(patchwork) パッチワーク・キルト(patchwork quilt)


パッチワークとは さまざまな色・柄・形の布切れを 縫い合わせて模様を作った布生地です。パッチとは「はぎ合わせ 継ぎ当て」の意味です。

表布と、綿(ワタ) 裏布を三枚縫い合わせたものを パッチワーク・キルトと言います。主にベッドカバーとか 敷物 洋服に用いられます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

グログランとは(grosgrain 仏語)


グログランとは、固く密に織られた緯畝(ヨコウネ)のある織物です。通常は

を打ち込んで作ります。元々 絹織物から来ましたが、人絹(ジンケン) 綿(コットン) 毛(ウール)でも 同様の作り方で作られてます。

下記の写真のように 緯に細かい線が見えます。(この写真は繊維業界検索なびより 拝借してます)。ファイユグログランオットマンの順に緯畝(ヨコウネ 緯の線の事)の巾が広くなります。

(ファイユは緯畝のピッチは目安0.5mm以下程度です。あくまでもアバウトな目安ですが、グログランは1mm程度 2mmを越えるようになると オットマンと呼ぶようです)

グログラン  grosgrain

グログラン grosgrain

写真のように経糸が密で、太い緯糸がそれに包まれてほとんど見えなくなってます。固く密に織られているので 通常ドレープ性はほとんどありません。

名前の由来は、フランス語の gros (大きい 太い)、 grain (穀粒)から来ています。ネクタイやリボン等に 多く用いられます。

大変申しわけございませんが、弊生地屋での取り扱いは ございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

フェルトとは(felt) 織フェルト


フェルトとは、ウール(毛)などの動物繊維の糸くずを 集めて縮充させシート状にしたものです。不織布の一種ですが、強度や摩擦力が要求される用途には 紡毛織物を縮充・起毛して作った織フェルト(これに対して 通常のフェルトは 圧縮フェルトと呼ばれる事もあります)が用いられたりします。

保温力 衝撃の緩和 音の吸収などに優れ、そのような機能が必要な用途に用いられます。他にも、敷物 スリッパ 手工芸品などにも 幅広く用いられてます。ピアノのハンマーのカバーも フェルトです。

遊牧民族のテント(ゲル)や敷物は フェルトで作られているものも多く 住の部分を担う大切な技術であり 製品でした。

フェルトの語源は下記からきていると 言われてます。
フィルト(filt):こす
フィルター(filter):こすもの

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

エステル縮合とは(ester condensation)


エステル縮合とは、一般的な定義は ちょっとややこしいです。ポリエステル(PET)の場合は、

  • テレフタル酸 COOH-C6H6-COOH (CH6CH6は俗に言う亀の子のベンゼン環です)
  • エチレン・グリコール OH-CH2-CH2-OH (飲むアルコールのエタノール(CH3-CH2-OH)とは ちょっと違うだけですが、エチレン・グリコールは有毒です。車の不凍液等に使われます)

が 重合して、H2O(つまり水)が取れ、
(-COO-C6H6-COO-CH2-CH2-)n
になる反応の事です。水分子がとれて縮んだようになるので 縮合と言います。

(一般的な定義に ご興味のある方は 次を参照してくださいませ。
エステル(ester)は、有機酸または無機酸のオキソ酸と アルコールまたはフェノールの・・・ )

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

 

双糸とは(ソウシ)


双糸とは、2本の糸を撚り合わせた糸で 太さは倍くらいになり、1本の糸(単糸)よりも 太さが均一な糸になります。3本以上 4本とか合わせる場合もあります。
(単糸には太さムラがありますが、2本合わさると 1本よりは打ち消しあって やや均一になります。統計学的に 合わせる本数が多いほど均一になります)

双糸は撚り合わせるので 糸にコシもでます。ですから 表面の平滑な短繊維 織物のシャツ地等には 双糸が使われている事が多いです。

強さも 2本だから2倍のはずなのですが、2.5~3倍になります。糸は一番弱い部分から切れるのですが、その部分がもう片方の糸で補強されるので 2倍以上になるのです。

20番手単糸の双糸は 「20/2」(太さはおおよそ10番手)のように記述される事もあります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

抜染とは(バッセン) 白色抜染(ハクショク) 着色抜染(チャクショク)


抜染とは P下(プリント下生地)に 専用の糊をつけて 無地染めした後(糊がついた部分は染まらない)、その糊を溶かしてしまう染め方法です。

この糊に何も入れないのが 白色抜染(白の水玉模様などは この方法です)、糊に色を配合してつけるのが着色抜染と言います。着色抜染では 糊が溶けるときに同時にその部分が染まります。

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

整経とは(セイケイ) 荒巻整経(アラマキセイケイ) 部分整経(ブブンセイケイ)


整経とは、織物の生産工程で 糸(タテイト)を揃える(える)工程です。ニット経編(タテアミ)の経糸を揃えるのにも使われます。以下は織物に限った説明になります。

通常 織物の経糸は4,000~16,000本もあり、それらを一度に揃えようとすると 4,000~16,000本もの糸本数が 必要になる上に、一巻きの糸量が例えば1kgとすると 最低でも4トンもの糸量が必要になり 大変な量になります。(ポリエステルでは 通常一巻きの糸量は 2.5~10kg程度です)

ですので、下記のような2種類の方法が 取られます。

  1. 荒巻整経:無地織物とか生産量の多い織物に用いられる方法で、例えば7,000本の経糸なら 1,000本ずつ7つのビーム(経糸を巻くちまきみたいなもの)に巻いて(荒巻)、それを7本まとめてビームに巻いて 織布工程の経糸とします。
    .
    糊付け(サイジング)の必要な場合は 通常この工程で糊付けします。荒巻工程で糊付けする方法(クリル(注1) to ビーム より大量生産に向いています)と 荒巻してからそのビーム一本一本を糊付けする方法(ビーム to ビーム 糸切れが多い場合に有利(注2))があります。
    .
    利点:経糸の張力ムラが少なく 経縞(織物の欠点のひとつ)になりにくい
    大量生産に向いている(コストも安くなります)
    欠点:ストライプ柄(経柄)を作るのは困難
    少量生産は困難
    .
    <下記はYouTubeで見つけた荒巻整経(サイジング)の動画です>
    (あまり適当なのがありませんでした)

    .
  2. 部分整経先染織物などで 経柄の織物や、生産ロットの少ない織物に用いられる方法で、例えば1.5mの整経巾なら 15cmずつ10回に分けて(部分部分で)整経する方法です。
    (前述の例では 7,000本の経糸なら1回に700本ずつ10回部分整経します)
    下の動画に写っている大きなドラム(太鼓とも言われます)と言う器具に巻き取った後に、織布工程のビームに巻き返します。
    .
    利点:経柄を作れる
    少量生産に向いている
    欠点:経糸の張力ムラになりやすく 経縞(織物の欠点のひとつ)になりやすい

<下記はYouTubeで見つけた部分整経の動画です>

(注1):クリルとは 一巻きの糸を何百本とか千本とか かけておく器具です。荒巻整経の動画の中で 丸い糸が規則正しく何本も並んでいるのが クリルです。
(注2):荒巻中などに 糸が切れると、当然機械を止めます。その時に糊付けしていると その部分に糊が多くついて 欠点になりやすいのです。なので 糸が切れ易い場合は ビーム to ビームの糊付け方法が 多くとられます。

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

番手とは(バンテ) 太番手(フトバンテ) 細番手(ホソバンテ)


番手とは 糸の太さを表す単位で 一定重さ当たりの長さデニールデシテックスと反対です。それらは一定長さ当たりの重さです)になります。ですので、小さいほど太い糸になります。20番手の糸の方が 40番手よりも太くなります。

太い糸を太番手、細い糸を細番手とも言います。
(通常下記のように言います。
太番手:綿番手では20番以下、毛番手では36番手以上 麻番手ではリネンは40番以下 ラミーは25番以下
細番手:綿番手では60番以上、毛番手では72番手以上 麻番手では100番以上)

ややこしい事に、コットン(綿) ウール(毛) 麻など 素材別に全部 一定の重さや長さの単位が異なります。ですので 綿の40番手と毛の40番手は 同じような太さではありません(比重が少し異なるので 同じ単位にしても同じ直径にはなりませんが)。テックスと言う 共通の単位もありますが、上記の天然繊維の業界では普及しませんでした。

下記が それぞれの番手の定義です。

  • 綿番手:1ポンド(453.6g)当たりの長さ(単位840ヤード=768m)
    (1ポンドで長さが840ヤードあれば 1番手)
  • 毛番手(=メートル番手):1kg当たりの長さ(単位1km)
  • 麻番手:1ポンド(453.6g)当たりの長さ(単位300ヤード=274m)
  • カタン番手:ミシン糸の太さの単位。綿番手と同じ定義。
    (詳細は ミシン糸の番手を参照)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

用尺とは? (ヨウジャク)


必要な用尺とは 洋服などを作るときに 必要な布生地の長さです。

ダブル巾と呼ばれる140cm以上の巾の布生地と それ未満の巾のシングル巾と呼ばれる布生地では 計算方法が少し違います。(ひだや飾り布などを多用しない 通常のデザインの場合です)

上物の場合

  1. 140cm以上の巾の場合(ダブル巾)
    着丈+襟丈+縫い代+ロス(1割程度)
  2. 140cm未満の巾の場合(シングル巾)
    着丈+襟丈+袖丈+縫い代+ロス(1割程度)

ダブル巾の場合 布巾が広いので袖は着丈の中で取れます。

スカートやパンツ等のボトムの場合 ダブル巾でもシングル巾でも同じです。

着丈+バンド丈+縫い代+ロス(1割程度)

「パターンの巾x2」が 布巾に収まりきらない場合は 「着丈+バンド巾」の長さをを 上記の長さに加算してください。(プリーツ等で スカートの巾が広く パターンの巾がもっと広い場合は、「(着丈+バンド巾)x2」の長さを 加算する必要があるかも知れません。ダブル巾の方が 用尺が少なくて済む確率が高くなります)

ですが、すぐに作られない場合や 通販等で買われる場合は、パターン(型紙)で一番長いものの丈分 余分に買われる事をお奨めいたします。プリント物やジャガードなどの柄物の場合もそうです。

失敗した時やパターンを間違えた時のため等です。(2度と全く同じ布生地が手にはいらないかも知れません) また布生地は完全に無欠点ではありません。詳しくは 下記を参照してくださいませ。
後から買いに行った布生地の色が微妙に違う!
布生地とは一期一会
(布生地の)欠点について

(うまく行った場合は 布生地が余るかも知れませんが、その時は 何か小物を作るなどして 転用してくださいませ。パッチワークに利用するのも いいかも知れません)

柄物で 柄合わせをする場合は、上記よりも多めに 購入してくださいませ。また 織物の耳近くは いろいろな歪が残っている場合が多いので、

  1. 身頃等の主要なパターンは なるべく中央で取る。袖等の主要でないパターンを その両端で取る。
  2. なるべく 耳近くまでパターンを取らない。

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。