布生地の商品特性として 欠点の問題があります。当然 お客様は無欠点の布生地を求められます。わたしも 消費者の一人ですから そのお気持ちは良くわかります。
2~3mの布生地なら 無欠点で出すことは そんなにむずかしくありません。ですが、10mとか20m以上の布生地を 毎回毎回完全に無欠点で出すことは 不可能なんです。
(弊店お買い上げの布生地で、万が一 どうしても欠点がパターンに入ってしまう場合は 弊生地屋へご相談くださいませ。そのパターン分の布生地を 無料でお送りさせていただきます。
メール: info@kijiya.com Tel. 0779-66-3765 )
- 合成繊維で長繊維織物は 1反(46~50m程度)の中に7箇所までの欠点は 合格反範囲内と認められてます。(欠点が7箇所まであっても 正規の商品として流通してます。3~4箇所の欠点が10mくらいの中にかたまっている事もあります)
- 天然繊維(コットンやウール)など他の布生地では もっと検査基準が甘く(合格の欠点の数が多い。欠点が入りやすいためです)なってます。
- また 薄地合成繊維の長繊維布生地は、欠点の補修がほとんど できません。厚く透けにくい布生地でしたら、汚れ等の欠点は インキングと言って 布生地と同じような色を塗ることによって 目立たなくする事ができます。ですが 厚い生地でもそれくらいしか できないのです。
(それに比べて コットンやウールなどの布生地は 欠点の修正が比較的やりやすいです)
- 言い訳に聞こえるかも知れませんが、染め工場でも弊店(生地屋)でも 検査は流し検査と言って 検査台の上である程度のスピードで 布生地を巻き取りながら検査します。微細な欠点(数ミリの大きさ)は 見逃しやすいのです。
- また 斜めからしか見えないとか 光線の関係で見えるなど、正面からは見えにくい欠点の発見は 極めて困難です。(正面からだけ 検査してますから)
- 欠点箇所を完全に検査して 悪い部分を全部捨てていたら、大変な資源の浪費になりますし、今の良心的な価格を 維持できなくなります。(10mの御注文で 9mめに欠点があれば、9m全部廃棄しなければ なりません)
- 無欠点の布生地を求められるのは当然です。ですが 上記のような いろいろな理由がございますので どうかご理解をお願いできませんでしょうか? どこの布生地屋さんで 買われても同じだと思います。
(弊店では 欠点一箇所につき 0.5m余分につけて 出してます) - 洋裁などの本にも 「布生地には欠点があるので 印をつけて そこを避けてパターンカットする」と 書いてあると思います。
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。
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