家庭用漂白剤とは


布生地の家庭用漂白剤には 2種類あります、塩素系と酸素系です。両方とも強酸化剤で 酸化して、色素の性質を変えたり 分解したりして漂白します。(染め加工の漂白については 次をクリックしてください。工業的漂白とは

1)塩素系
効果が強いのは塩素系です。柄物や色物は 色が薄くなるので お奨めできません、白いものだけです。あまり濃い液につけたり、適性濃度でも何度も漂白したりすると 布生地自体も傷みます。(強度も落ちて 破れやすくなります)

また 塩素系は酸性のトイレ用洗剤などと 混ぜて使用すると、猛毒の塩素ガスが発生して大変危険です。(死亡者も実際に発生しているようです) 容器にも書いてありますが、絶対に混ぜて使用しないでくださいませ。
(通常のアルカリ性洗剤や中性洗剤等は 混ぜてもOKです。効果が促進されるようです。よくわからない場合は 混ぜないでくださいませ)

嘔吐物のついたものを漂白する場合も 胃酸と反応して塩素ガスが発生する恐れがあります。ですので、あらかじめ嘔吐物は水などで よく洗い流してから 漂白してくださいませ。

2)酸素系
酸素系は塩素系よりも効果が落ちますが、柄物や色物と 一緒に使えます。また 酸性の洗剤等と一緒に用いても 塩素ガスが発生することはありません。

酸素系でも 多少は布生地を傷めるので 過度の使用はお奨めできません。汚れは落ちてますが、色が白くなるほどに完全に落ちているわけでもなさそうです。(分解されて 色が見えなくなって残った汚れもあるようです)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ボイルとは?(voile)


ボイルとは、薄地の目の粗い織物の総称です。シフォン・ジョーゼットよりは太い糸を用いて、ボイル撚りをかけて作ります。ですので、シフォン・ジョーゼットよりは厚く、ほとんど 平織りです。

通気性がいいのと ドライな手触り(乾いた手触り)で 春夏の洋服布生地に 用いられます。

元々は 2本の糸を合撚で ボイル撚りをかけたものを 呼んでいたようですが、コスト削減のために 太い1本の糸にボイル撚りをかけて 作ったものもそう呼ぶようになりました。
(2本で作ったものを「本ボイル」 1本で作ったものを「単糸ボイル」と 呼び分ける場合もあるようです)

布生地の世界では ちょっと見 似ていれば、その布生地の名前をつける事がよくあります。また 一般の生地屋さんでも正しく区別してない事も 多いのでご注意くださいませ。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

撚糸とは(ネンシ) ボイル撚(ヨリ) クレープ撚(crepe twist) トラム撚(trame twist) 甘撚 中撚 強撚 合撚(ゴウネン)


撚糸とは、糸に撚り(ひねり)をかける事です。撚りをかける事によって、下記のような特長等が出てきます。

  • 強い撚り(強撚 撚回数多い)ですと、ドレープ性落ち感がでます。また シボと呼ばれる 糸の細かい屈曲が発現します。(染加工前では 糸は屈曲してません。染加工後に発現します)
  • 糸が毛羽立ちにくくなります。
  • 中程度の撚り(中撚)ですと、布生地にコシが出ます。
  • 中撚以上で、手触りがドライになります。(ベトつかない乾いた感じです)

中程度のシボが立たない程度の撚回数は ボイル撚り、シボが立つ強い撚回数は クレープ撚りとも言われます。詳しくは次の「中撚、強撚」の項を参照してください。
(「撚り数が1,800~2,400回ではボイル撚り 3,000回前後になるとクレープ撚りという。」
と言う記述も他で見られますが、メータ当たりの撚り回数で 区別するのは おかしいと思われます。撚りの効果で区別すべきだと 思われます)

単純な工程ですが 布生地に対する効果が大きいので、布生地の産地では 撚糸だけを専門にする会社もあります。

同じ撚回数800回/mでも 太い糸では効果高いですし、細い糸では低いです。ですが、75D(デニール)くらいの太さのポリエステル糸では 撚回数によっておおむね下記のように区分されてます。

  • 甘撚(アマヨリ):100~500T/m(TはTurnで 回数のこと)程度。主に製造しやすくするために(毛羽立ちしにくい) かけます。
    糸を小分割できるので 小ロット対応で かける事もあります。(あまり 手触りや外観には 大きな影響はありません)
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  • 中撚(チュウネン):800~1,500T/m程度。ボイル撚りとも言います。主に布生地の手触りをドライにしたり、コシを出すためにかけます。
    目の粗い織物では 織物の目よれ(糸がずれること)を 防ぐためにかける事もあります。シボはほとんど立ちません。
    この撚回数以上では そのままでは巻いてしまって取り扱い困難なために、ヒートセットをして撚り止めをします。
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  • 強撚(キョウネン):2,500~3,000T/m程度。クレープ撚りともいいます。シボを出したり、ドレープ性落ち感を出したりする時にかけます。最もドライな乾燥した手触りになります。
    織物の緯糸に片方の撚方向の糸だけを 入れると、経シワの楊柳になります。

他にも 合撚と言って、2種類以上の糸を合わせるためとか、糸を太くするために 撚り合せたりする場合もあります。トラム撚りは合撚の一種です。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

落ち感とは?


落ち感とは 布生地が女性の体の線にそって落ちると言う意味で、ドレスやスカートで大切な布生地の要素です。女性の美しい体のライン(線)を表現する事ができます。

落ち感のある布生地は同時にドレープ性もあります。反対の意味は 「ハリ感のある生地」になります。

当店の生地は 撚糸が入った織物が多く、下記の商品を中心に 落ち感が良好なものが 大変多いです。

1) サテン MB8410 サテン クレープ(147cm巾)
2) デシン MB2000 シルデュー デシン1(140cm巾)

3) 中肉素材 MB6100 二重織ジョーゼット(140cm巾)
4) 中肉素材 MB6120 チリメン ジョーゼット(112cm巾)

5) 薄地 MS7400 50Dシフォン ジョーゼット(147cm巾)
6) 薄地 MS7100 75Dシフォン ジョーゼット(147cm巾)

7) 薄地 MS7104 75Dシフォン ジョーゼット(112cm巾)
8) 薄地 MS7110 100Dシフォン ジョーゼット(112cm巾)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

パイル織りとは? パイル織


パイル織りとは、布生地の表面に パイル(ループ)を出した織物です。

そのループをカットしないものの 代表的なものがタオルで(高級品はカットして 手触りを良くしたものもあります)、カットするものの 代表的なものが ビロードベルベット)やコーデュロイ(コール天)です。

経糸(タテイト)をパイルするものと 緯糸(ヨコイト)をするものの2種類があり、経糸のは パイルの長さの長いものから 短いものものまで 比較的自由に作成可能です。2ビーム(2種類の経糸を使う)の特殊な織機で織ります。

緯糸をパイルするものは、織組織を利用して作るので(緯糸の浮きの多い組織にして 後加工で横に縮めて ループを出す)、あまりパイルの長いものは できません。

経パイル織物:タオル、ビロード、モケット 等
緯バイル織物:コーデュロイ(コール天)、別珍(ベッチン) 等

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縮充とは? 縮絨 (シュクジュウ milling)


縮充とは(シュクジュウ)、アルカリ性の液体の中で ウール(毛)をもむと、毛がからまって どんどん縮んでいきます。この性質を利用して 織目の見えない肉厚のフェルト生地を作ることを 縮充加工(通常促進するために 蒸気で熱と圧力をかけます)と呼びます。

(昔は 「縮絨」と書きましたが、今は「縮充」と書くようです。ウールはアルカリ性に弱いので 強く促進されるようです)

ウールや多くの動物の毛だけの特長で、キューティクルと言う人の髪の毛にもある 鱗みたいなものが、片方の向きにだけ生えていることから なります。片方の方向にだけ 動きやすく、反対方向には 動きにくいために どんどん縮んでいきます。

ウールやカシミヤなど 動物の毛でできた衣類を、通常の洗剤(アルカリ性)で洗うと 縮むのはこのためです。動物の毛でできた衣類を洗うときは 中性洗剤を使いましょう。

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プラッシュとは? plush プラッシュ編(パイル編)


プラッシュとは、経パイル織物(経糸(タテイト)をパイル(輪状)にする)の一種です。パイルをカットして長い毛羽(ケバ)を 表面に出します。

毛羽の長さをいろいろ変えたり、熱と力をかけて 毛を縮ませたり 寝かしたりして、いろいろなものが作られてます。

一般的に毛にはウール(毛)が、地組織(下地)には綿(コットン)が 用いられているようです。(ウールは熱でクセがつきますが、綿はつきにくいです。毛羽には熱でクセのつく繊維、地組織にはつきにく繊維を一般的に用います)

織物でなく 編物(ニット)で同様の事をしたものを プラッシュ編パイル編)と呼びます。

代表的な経パイル織物であるタオルでも パイルをカットして手触りを良くした超高級品もあります。この場合は プラッシュの一種になります。

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ベロアとは?(velour)


ベロアとは 編物(ニット)で作られたベルベット(ビロード)のような 表面に細かい毛が生えている布生地の事です。ベルベットは織物です。

ただ 普通の生地屋さんで 売られている場合、厳密に区別しているとは 限りませんのでご注意くださいませ。表面に細かい毛が生えていれば ベロアと呼んでいるお店もあるようです。

編物(ニット)織物の違いは 右を参照してくださいませ。 布生地の大分類

元々ベロアは下記のように定義の範囲が広かったようですが、現在は3.の定義だけに使われているようです。

  1. パイルをカットして 長い毛羽を表面に出した織物です。ブラッシュとも呼ばれますベルベット(ビロード)よりも毛足が長く 厚みがあります。
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  2. ベロア仕上げ(起毛して縮充し 毛を刈りそろえる)した 紡毛織物(ウール)です。
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  3. プラッシュ編のパイルをカットして 毛足の短いベルベット(ビロード)のようにしたものです。

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防炎加工とは? 難燃加工とは


布生地の防炎加工とは、誤解される方がたまにいらっしゃるのですが、燃えなくする加工ではなく 燃え拡がるのを遅らせる加工です。

火事になれば ほとんどのものは燃えてしまいます。耐火金庫でも2時間くらいしか 持ちません。火事のような高温で燃えなかったり 溶けなかったりする布生地は ありません。

つまり 燃え拡がるのに数分程度かかり、その間に逃げてくださいと言う加工です。難燃性の樹脂をつけて 燃えにくくします。炎が小さければ 自己鎮火してしまいます。

(通常の建物なら 3分もあれば、火元の部屋から避難可能でしょうし、ちょっと炎がついたくらいでは 自己鎮火するので安心です)

生地屋で 販売している布生地は 防炎加工可能です(反単位で 弊店販売の布生地のみです)。防炎シールも実費で 販売しております(防炎シールのみの販売は ございません)。詳しくは 下記を参照してくださいませ。

防炎加工はできるの

(公共の施設では、カーテンや幕等 防炎加工が安全のために義務付けられています)

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フロッキー加工とは? 電着加工 電気植毛 フロック加工


フロッキー加工とは、ベルベット(ビロード)のような 外観の布生地にする加工です(4つとも同じ意味)。表面に細かく短い毛が立ってます。

繊維の毛羽(ケバ フロックとも言います)を 布生地の表面に 接着剤でつける加工の事です。

布生地の表面に接着剤を塗って 0.5~2ミリ程度の帯電しやすい繊維(主に合成繊維等)を 静電気で吸引させて くっつけます。静電気を利用するので 電着加工とか電気植毛などとも言います。

ベルベット(ビロード)の代用として 用いられます。プリント模様にくっつけたものは フロック・プリントとも言います。

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