月別アーカイブ: 2012年2月

コスプレ入門1(一般知識編)


海外で今や 日本を象徴する文化になった感(いろいろな行事や計画を 外務省や国土交通省も後援しています。海外の若い人にとって 車 電化製品や富士山よりも 知名度があるそうです。コスプレがきっかけで 日本を好きになる人も多いらしいです)もある コスプレです。

ある女性から やりたいとの質問があったので ここでわたしの知っている限りの知識を 2回にわたって ご紹介したいと思います。

  • 最初は 下記の「たかそう」さんなどのサイトの 左下の「コスプレ衣装」の項目のリンクから、安いもので いろいろ試されたら いいと思います。確か衣装が1,980円なんて言う 激安のもあったりします。(品質やお店の対応は 今一だったりしますが)
    コスプレイヤーご用達ショップ情報
    生地屋(弊店)へのリンクもありますが、楽天からは退店しているので 現在はリンク切れになります)
  • 既製品を ご自身でお直しして 使われている方も 多いと思います。(袖丈とか ウエストとか)
  • いろいろ試されてから もう少し高いものを 買われたり、オーダーで ピッタリ合ったリアルで立派なものを作られたり、ご自身で作られるのも いいと思います。
  • たかそうさんは コスプレにかける意気込みがすごく、お化粧などは宝塚歌劇のを調べて 2時間以上激しく動き回っても 崩れないメイクだとか とっても良く勉強されてます。(わたしは 大変圧倒されました)
  • 写真やデジタルカメラの事も とってもよくご存知です。
  • そうかと思うと 「コスプレ衣装は数~十回程度、短時間だけ着るもの」(普通の洋服のように 何年もとか一日中着ているものではない)と 割り切られて、あまり支障のないところは 簡単に作られてます。

次は コスプレ衣装製作編うさこさんを 中心にご紹介)を ご紹介したいと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

緯取りとは? (ヨコドリ よこどり) 布生地の経緯(タテヨコ)


布生地には 経緯(タテヨコと 読みます。布生地の世界では なぜかこの漢字を使用します)が あります。型紙にも 「↓」などの書き方で 経方向が書いてあると 思います。

広巾の生地などで 取り効率(又は布生地が不足する場合)の関係で 緯に取る(型紙の経方向を 緯にパターンを置く)場合があります。その場合は いくつか条件があります。(編物(ニット)は 専門ではないので、ここでは 織物に話を限ります)

  • 布生地に経と緯に方向性があまりない(例えば 平織のような織組織)。サテン(朱子織 繻子織)ツイル(綾織 斜文織)は 方向性があり 不向きです。平織でも 経糸密度と緯糸密度が 大きく違う場合(通常は 経糸密度がやや多い)とか、経糸と緯糸の性質が大きく違う場合(緯糸が経糸に比べて 特に太い等)も あまり向いていません。
    (弊店の 147cm巾のシフォン・ジョーゼット MS7400MS7100は 経緯の差が少なく 緯取りで量産された実績があります)
    .
  • 2Wayのストレッチ生地では 経と緯のストレッチ量が、同じ場合は非常に少ないです。通常は 緯の方がよく伸びます。布生地に方向性がなければ、よく伸びる方を 伸びて欲しい方向に使います。例えば
    .
    1.身頃は横に伸びて欲しいので 伸びる方を横に。
    2.膝や肘は 縦に伸びて欲しいので 伸びる方を縦に。

どうして 経緯を区別するかと 言いますと、製織(織り、織布)工程でも 染工程でも 基本的に経方向に 力がかかってます。ですので その方向が 洋服の縦にきたりした方が、自然ですし 狂いも少なくなります。

ですから、基本的に 型紙の経方向は守った方が 無難です。

余談ですが、布生地が足りないからと 同じ生地を買いに行っても 色合いが微妙に違う事もありますので ご注意くださいませ。詳しくは 下記を参照してくださいませ。
後から買いに行った布生地の色が微妙に違う

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ダウンプルーフとは? ダウンプルーフ加工とは


防寒のため ダウン(羽毛)を中に詰めた防寒製品で 中からダウンが出てこないように 布生地を加工することを言います。

ダウンは大変細いので 通常の目の詰まった布生地でも 中からダウンが出てきてしまいます。(プルールとは「防」の意味で、ウオーター・プルーフで完全防水 ビュレット・プルーフで防弾と言う意味になります)

目の詰まった織物(高密度織物と言います)を ローラーではさんで 高い圧力と熱をかけながら、糸と糸の隙間を ダウンがはみ出さないようにつぶして狭めていきます。(チンツ加工で使う カレンダーと言う機械を使います)

(ダウンがはみ出さないようにするだけなら フィルムのような素材でもいいのですが、それでは 通気性がなくなって 中でムレたり手触りが良くなかったりします)

ダウンプルーフ加工された布生地は あまり一般の生地屋さんでは 売っていません。(生地屋も取り扱っておりません)

(あと 余談ですが、ダウンジャケットなどを一般消費者の方が 縫製で修理される事は お奨めできません。針穴や縫い目から 中のダウンが次から次へと出てきて、どうしようもなくなる場合があります。必ず専用の貼り付け布で 修理されるか、専門の業者へ頼むことを 強くお奨めいたします)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ヒートテックの詳しい原理 吸着発熱とは (吸湿発熱)


人間は別に汗をかかなくても 一日約0.8リットルもの水蒸気を 体全体から蒸発させているそうです。水蒸気は運動エネルギーをもっていて これが繊維などに吸着(吸湿)すると 熱を出します。これが 吸着熱吸湿熱)です。

(水が蒸発する時に 気化熱を奪うのと逆の作用ですね。火災の時 水をかけるのは この原理を利用して消火してます)

ですので どんな繊維も衣服も吸着熱作用を持っています。でも、どうして「ヒートテック」等の素材は 暖かく感じるのでしょうか?

  1. 水蒸気の吸着を できるだけ皮膚に近い部分で起こるようにしています。(外側で起こるほど 人は温かさを感じにくい)
  2. 吸着した水分が できるだけ速く外へ拡散させるしくみ(毛細管現象等)があります。
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  3. 外側へ出てきた水分を できるだけ速く蒸発させるしくみ(繊維の表面積を広くする等)があります。
    (2.と3.のしくみがあるので、着用後の数分間だけ暖かいわけではなく 長時間暖かく感じます。吸湿速乾の機能性下着やユニフォームは 2.と3.のしくみを使って速く蒸発させます)
    .
  4. 3.の蒸発するときに 熱を奪いますので、布生地の内側と外側が しっかり断熱されるしくみ(内部にしっかり空気の層を確保する等)があります。
  5. 1.~4.まで どれか一つでも 大きく劣っていると、そこが 暖かさを感じる度合いを 大きく下げてしまいます。1.~4.の性能が バランス良く発揮されてないとダメです。

実際に着用すると 本当に暖かいです。ポリエステル100%の薄手のものより 綿やアクリルと混紡されワッフルのように編まれたものの方が 少し厚手で空気の層が厚いので わたしは暖かく感じますね。

(風が通ると ヒートッテックの保温機能が 大きく損なわれるので、衣服の一番外側には 一枚は風を通しにくいものを 着用されることをお奨めいたします。ただ 完全に体を密閉しますと、上記3.の蒸発が 起こりにくくなるので 良くないと思います)

ユニクロ以外にも いろいろ発売されているようですが、どの程度ヒートテックと違うのか 比較する必要があると 思います。値段の安さだけで 大量に買わないほうが いいのでは? 1~2枚買われて効果を実感されてから 沢山買われるといいと思います。

現時点ではヒートテックの方が 抗菌機能とか形状安定とか いろいろな付加機能がありますね。どんどん 進化してます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ポリエステルはシワになりにくい?


一般にそう言われますが、実はそうではありません。ポリエステル製でも タフタや通常のサテン生地は シワになりやすいです。

ポリエステル製で シワになりにくい布生地は

上記のような糸で 作った布生地は シワになりにくく、公演や大会が遠方であっても 現地でそのままか 薄いシワでも気になさる方は 軽いアイロンで着ることが可能です。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

下着は綿(コットン)が一番でない場合もあります。吸湿速乾とは?


よく 肌につけるものは 汗をよく吸う綿(コットン)でないとダメって 思う人が多いと思います。
ですが、下記のような場合は 不向きです。

  • サッカーやバスケット マラソンのように 大量に汗をかくスポーツ
  • 重労働で 大量に汗をかく作業
  • 非常に汗かきの人(わたしです、特に夏場)
  • 冬山登山などで 非常に寒い場所に行くような場合

どうしてかと言うと 綿は10%程度しか吸水しないのです。そうして一度濡れると なかなか乾燥しません。乾きにくいので 体温を奪われて体が冷えます。

わたしは 昔5kmとか10kmのマラソンによく出たのですが、綿のユニフォームを着てたときは ゴールするとユニフォームが汗でベタベタでした。ある時から ポリエステル合成繊維)製の吸湿速乾性(汗をよく吸って 外側からどんどん発散させる機能があります)のユニフォームに変えました。

そうすると ゴールしたときに 胸周りが少し濡れているだけで ほかは乾燥していたのです。サッカーやバスケット選手等も 最近はほとんどポリエステル100%の吸湿速乾性の下着やユニフォームを着ています。

また 冬山登山される方も 登山用品店で売っている やはりポリエステル100%の吸湿速乾性の下着(通常の下着より割高ですが)を 買われます。

使う場面や 時間・時期によって、使い分けることをお奨めいたします。また ポリエステル製の下着は 綿などの下着に比べて 非常に耐久性があり長持ちします。わたしの だいたいの感じでは 3倍くらい持ちますね。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

シボとは? しぼとは


ジョーゼットクレープなどの シボ(しぼ)織物の表面を、拡大して見ますと経緯の糸が屈曲しているのがわかります。これがシボと呼ばれるものです。

ジョーゼットなどでは 細かく屈曲の程度が 多いものが高級とされます。または 楊柳などの細かい経シワ(経方向の凹凸)を楊柳シボと呼ぶこともあります。

下記が生地屋の代表的なシボ織物の例です。

シフォン・ジョーゼットの細かいシボ

シフォン・ジョーゼットの細かいシボ

縮緬の表面の大きい凹凸(シボ)

縮緬の表面の大きい凹凸(シボ)

ジョーゼット(MS7104) 細かいシボ

サテン・クレープの表面

サテン・クレープの表面

経シワの楊柳シボ

経シワの楊柳シボ

サテン・クレープ 楊柳(MB9000)  楊柳シボ

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

生糸とは(キイト ナマイト) 生絹(キギヌ) ローシルクとは(raw silk)


キイトとナマイト 両方読めますが、意味が違います。

生糸(キイト)とは (raw silk)
一般に言う絹糸の事で「かいこ」の繭を70℃ほどのお湯に浸け ほどいて繰り取った糸のことです。絹糸本体のフィブロインを セリシンが覆っています。生絹とかローシルク(raw silk)とも呼ばれます。

生糸のまま織って、通常染め加工前の精練(セイレン 練り)で セリシンを除去して、普通の絹織物になります。セリシンを除去して 初めて硬い生機(キバタ)から、絹鳴りのする柔らかい絹織物になります。生絹織物(キギヌオリモノ)とか後練織物(アトネリオリモノ)と呼ばれます。

目を粗く織って、わざと精練しないで 細かい網の目状に仕上げた 硬いオーガンジーのような織物もあります。また 生糸のまま製品にして、厚みのあるつるつるしない 使えば使うほど柔らかくなる製品もあるようです。
生糸の靴下

(生糸の製品は 混率上はシルク100%ですが、くずなどが混入しており 実成分上はシルク100%では ないようです)

ブータンやネパールでは 宗教上の理由から殺生を避け、「蚕から蛾が出た後の穴の開いた繭」を使うため、長い絹糸が取れず、一本一本が短く、それを縒る(ヨル or撚る)という製作過程となるそうです。
また、短い絹糸をよっているため、糸の太さは太くなったり細くなったりと、ばらつきがあるそうです。
ローシルク

先に糸を精練してから織り上げる先練織物(サキネリオリモノ)と言うのもあります。

生糸(ナマイト)とは
合成繊維長繊維で 撚糸仮撚加工をしてない 紡糸された糸そのままを 表します。合繊タフタなどは 通常生糸(ナマイト)で作られてます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

セリシンとは(sericin) フィブロインとは(fibroin)


絹(シルク)糸は 中心部のフィブロイン(約70~80%)と 外側のにかわ(膠)質のセリシン(約20~30%)から成り立ってます。

表面のセリシンを 溶かすことを精練(練り)といい、これで絹鳴りのする 上品な光沢の絹織物になります。通常の絹織物は ほとんどフィブロインの成分のみで作られてます。精練しないで 作った織物の例に オーガンジー(セリシンは 一部は取れている)があります。

精練工程に携わっていた 作業員の手が綺麗になったことから、セリシンを用いた化粧品も セーレンなどから 販売されるようになりました。

セリシンフィブロインの 物質的な説明の詳細は 下記を参照してください。
セリシンとは?  フィブロインとは

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

精練とは? (セイレン) 練りとは


元々は 絹(シルク)の織物などを お湯で煮て、表面のセリシンを落として 中のフィブロインだけにする工程の事を指してました。「練り」(ネリ)とも言います。
(セリシンを落とすと 絹独特の光沢が出て 絹鳴りと言う絹がこすれ合う音が出るようになります。この周波数は 人間に心地よい刺激を与えるようです)

今では 合成繊維の染め工場で、加工する前に 布生地(染め加工前は生機(キバタ)と言います)から 汚れや前工程で付けられた糊や油剤等の不純物などを除去する工程の事も指します。

(コットン(綿)の場合は 綿の葉カスや植物性夾雑物の除去も含みます。ウール(毛)の場合も夾雑物の除去が必要です)

北陸の一部上場染め加工会社の 「セーレン」や「小松精練」は 精練の字を 会社名にしています。(セーレンは 正確にはセイレンなのでしょうが、会社名はセーレンです)

精練工程にだずさわる人たちの手が とても綺麗だったことから、セリシンが肌に良いことがわかり、今ではセーレンなどが 化粧品として販売しています。

これを 合成繊維のポリエステルに応用したのが、減量加工です。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。