月別アーカイブ: 2012年1月

(布生地の)欠点について


布生地の商品特性として 欠点の問題があります。当然 お客様は無欠点の布生地を求められます。わたしも 消費者の一人ですから そのお気持ちは良くわかります。

2~3mの布生地なら 無欠点で出すことは そんなにむずかしくありません。ですが、10mとか20m以上の布生地を 毎回毎回完全に無欠点で出すことは 不可能なんです。

(弊店お買い上げの布生地で、万が一 どうしても欠点がパターンに入ってしまう場合は 弊生地屋ご相談くださいませ。そのパターン分の布生地を 無料でお送りさせていただきます。
メール: info@kijiya.com  Tel. 0779-66-3765 )

  • 合成繊維長繊維織物は 1反(46~50m程度)の中に7箇所までの欠点は 合格反範囲内と認められてます。(欠点が7箇所まであっても 正規の商品として流通してます。3~4箇所の欠点が10mくらいの中にかたまっている事もあります)
  • 天然繊維(コットンやウール)など他の布生地では もっと検査基準が甘く(合格の欠点の数が多い。欠点が入りやすいためです)なってます。
  • また 薄地合成繊維の長繊維布生地は、欠点の補修がほとんど できません。厚く透けにくい布生地でしたら、汚れ等の欠点は インキングと言って 布生地と同じような色を塗ることによって 目立たなくする事ができます。ですが 厚い生地でもそれくらいしか できないのです。
    (それに比べて コットンやウールなどの布生地は 欠点の修正が比較的やりやすいです)
  • 言い訳に聞こえるかも知れませんが、染め工場でも弊店(生地屋)でも 検査は流し検査と言って 検査台の上である程度のスピードで 布生地を巻き取りながら検査します。微細な欠点(数ミリの大きさ)は 見逃しやすいのです。
  • また 斜めからしか見えないとか 光線の関係で見えるなど、正面からは見えにくい欠点の発見は 極めて困難です。(正面からだけ 検査してますから)
  • 欠点箇所を完全に検査して 悪い部分を全部捨てていたら、大変な資源の浪費になりますし、今の良心的な価格を 維持できなくなります。(10mの御注文で 9mめに欠点があれば、9m全部廃棄しなければ なりません)
  • 無欠点の布生地を求められるのは当然です。ですが 上記のような いろいろな理由がございますので どうかご理解をお願いできませんでしょうか? どこの布生地屋さんで 買われても同じだと思います。
    (弊店では 欠点一箇所につき 0.5m余分につけて 出してます)
  • 洋裁などの本にも 「布生地には欠点があるので 印をつけて そこを避けてパターンカットする」と 書いてあると思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

化繊とは? (カセン) 化学繊維とは(カガクセンイ)


この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

再生繊維とは? (サイセイセンイ) 半合成繊維とは(ハンゴウセイセンイ)


  • 再生繊維 半合成繊維も 合成繊維(合繊)も 化繊化学繊維)と、ひとくくりに言われますが、性質は下記のように全然違います。(再生繊維だけを 化繊と呼ぶ場合もあります)
  • 上記再生繊維は コットン(綿)と成分は同じ(セルロース)ですから、コットン同様の取り扱いが必要です。
  • 半合成繊維のうち セルロース系の繊維(アセテート、トリアセテート)は、熱と摩擦に弱いので アイロン時には 必ず当て布をするなどの注意が必要です。また シンナーやアセトン 除光液で溶けます
 再生繊維 半合成繊維 合成繊維
アイロン  低・中温 セルロース系:低温、当て布必須
タンパク質系:中・低温、当て布必須
 低温
水通し  必要 必要  不要
吸水性  あり ややあり  なし
静電気  起きにくい やや起きにくい  起きやすい

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

擬紗とは? (ギシャ ぎしゃ) メッシュとは


紗(シャ)をまねた織物で、メッシュとも言われます。本物の紗は 下記拡大写真のように 搦織(カラミオリ 絡み織)と言う 経糸を捻って織っていくものです。(写真は 静岡濾布と言う会社のサイトから とって来てます)

紗

特殊な機械(織機)か 特殊な器具が必要な上に、上記のように空間が多いため 主に盛夏用にしか使用されなません。需要期間が極端に短くなり、作れる会社があまりありません。また非常に高価になってます。

それで 下記の例ように 紗をまねた織物が開発されました。こちらは 普通のドビー織機で織ることができて 紗より大幅に安価です。ただし 本物の紗のように 目を粗くする事が困難です。
(拡大写真クリックで 各布生地の商品ページへ飛べて 詳細が見れます)

擬紗 シワ・メッシュ MS5000

擬紗 シワ・メッシュ MS5000

擬紗 T&Tメッシュ MS5020

擬紗 T&Tメッシュ MS5020

 T&Tメッシュ:MS5020

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ミカド・サテンとは?


  • ミカド・サテンの ミカドは「帝」を表し天皇を指しています。
  • 元々は シルク100%の分厚い最高級サテンを指していたようですが、今ではポリエステル製の合成繊維(合繊)のものが 多く用いられているようです。(ただ あまり一般には売られてないようです)
  • いろいろ捜しても どうしても見つからない場合は、生地屋の下記サテン・クレープを 2枚使ったり、裏に芯地を貼ったりすれば 代用できると思います。光沢も綺麗ですし、シワになりにくく家庭で水洗濯できますので 便利です。
  • 手触りも本物のシルクとあまり変わりません。(手触りだけなら サテン・クレープの方がいいと思います)
しわになりにくいサテン・クレープ

しわになりにくいサテン・クレープ

サテン・クレープ:MB8410

  • 個人的な意見になりますが、シルクのものは あまりお奨めできません
    1)シルクのミカド・サテンは非常に高価ですが、後々のケアが大変です。環境に優しくないドライ・クリーニングしかできせんし、防虫剤をしっかり管理しないとすぐに 虫に食われて穴が空きます。
    2)「シルク=高級」と言うイメージが 安物の中国産製品で崩れてしまって(シルク100%で数千円のバジャマや 一万円くらいのジャンパー等)、一流デザイナーさんも 最近ではあまり使用しなくなってます。(環境に優しくないと言うのも 大ききと思います)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

縮緬とは? (チリメン ちりめん)


  • 経糸(タテイト)に撚りのかかっていない無撚糸の生糸(ナマイト)を、緯糸(ヨコイト)に 2,000~3,000回/mの強い撚りのかかった糸(強撚糸)を入れて織物を作ります。
  • それを 染め加工前に高温で揉んで(精練) 撚りを戻し、下記の写真のように表面に凹凸(シボ)を出した織物の事です。
縮緬の表面の凹凸(シボ)

縮緬の表面の凹凸(シボ)

いろいろな種類がありますが、代表的なものの例としては 弊店の下記二越縮緬(ポリエステル 全75色)です。(二越とは 右撚りと左撚りの糸を 2本ずつ交互入れたものです。1本ずつ交互入れた一越と言うのももあります)

ポリエステル二越縮緬(チリメン)

ポリエステル二越縮緬(チリメン)

ポリエステル二越縮緬

他にも ジョーゼット風に、経糸も強撚糸にした チリメン・ジョーゼット(縮緬ジョーゼット ポリエステル製)と言うのもあります。

色が深くて綺麗な縮緬ジョーゼット

色が深くて綺麗な縮緬ジョーゼット

チリメン・ジョーゼット(縮緬ジョーゼット 厚手 全17色):MB6120

チリメン・ジョーゼット(縮緬ジョーゼット 厚手 濃染ブラックのみ):MM1402C
チリメン・ジョーゼット(縮緬ジョーゼット 薄手 濃染ブラックのみ):MM1832

他にレーヨン製のものもありますが、レーヨンのものは 一般に家庭水洗濯できません。衣裳等 洗うものを作るのには不向きだと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

紗幕とは? (シャマク)


  • 写真は いずれも、愛知県立豊田東高等学校 演劇部様ご提供。創意工夫で いろいろな事ができるのですね。全部の写真や説明をご覧になりたい方は 次をクリックしてください。
    紗幕のご使用例
紗幕の後に光を当てて見せたもの

紗幕の後に光を当てて見せたもの

紗幕の後を暗くして 表を明るくして隠したもの

紗幕の後を暗くして 表を明るくして隠したもの

  • また 次のように、表から映像や光を当てることによって 雨や虹などを表現することも可能です。
紗幕に雨の動画を投影して 雨が降る様子を表現

紗幕に雨の動画を投影して 雨が降る様子を表現

紗幕にパーライトをグラデーションで4色混ぜることによって,「虹」を表現

紗幕にパーライトをグラデーションで4色混ぜることによって,「虹」を表現

  • チュールオーガンジーでも可能ですが、折り目が入りやすい(ジョーゼットは入りにくい)ので 狭い面積に使うのがいいと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

プラッシュとは? (plush)


経(タテ)パイル織物(経糸がループ状に飛び出している。タオルなどがその例)の一種で、パイル(ループ)をカットして 長い毛羽を表面に出した織物です。

毛羽の長さをいろいろに変え、熱と圧力で 毛羽を寝かせたり 縮れさせたり クセをつけたりして いろいろな動物の毛に似せたもがつくられています。

タオルなどでも 超高級品は、パイルをカット(カット・パイル)して 手触りを良くしたものもあります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

紗とは(シャ) 絽とは(ロ) 羅とは(ラ) 搦織(カラミオリ) 絡織(からみおり からみ織り 絡み織) レノ(leno)


搦織(カラミオリ)と言う 織組織の三原織組織(一番基本的な織り方)にない織り方を使って、織られた織物です。搦織下の図の紗(シャ)のように 経糸の間に緯糸を通した後に 経糸を捻った織方です。レノとも言います。

(正しくは搦織と書く様ですが、「絡み織または絡織」でも間違いではないと思います。要は経糸を絡ませた織り方です)

隙間が多く風通しがいいので 主に盛夏用に 用いられます。

(下記の画像は 静岡濾布と言う会社のサイトから とって来ております。とっても わかりやすい説明で、クリックで同社の詳しい説明が見れます)

紗 絽 羅の説明

紗 絽 羅の説明

紗 絽 羅のバリエーション

紗 絽 羅のバリエーション

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

合成繊維は地球(環境)に優しい?


いろいろ 異論もあろうかと思いますが、わたしは

合成繊維(合繊)は地球に優しい」 (ポリエステルとかナイロン、アクリルなど)

と本心から思います。理由としましては、

  1. 最も少ないエネルギー・コストで作れます。
    (綿とかウールとか、1年かけて大変なエネルギーと労力(オーガニック・コットン以外は 農薬や肥料も必要です)をかけて(地球に負荷をかけて) 原料が作られます。そのような耕地があれば、地球人口70億を越えて不足が予想される食料生産に振り向けるべきだと わたしは思います)
  2. 合成繊維の方が一般に 丈夫で 長持ちします。
    (綿100%のズボンは 毎日のようにはいていると 1~2年くらいでダメになります。綿100%のシャツもそうで、袖口や襟が擦り切れてしまいます。ウールなども同様です)
  3. 合成繊維はリサイクル可能です。
    (PETボトルからのリサイクルは既に実用化され、ポリエステルやナイロン繊維からのリサイクルも研究が進んでいます。天然繊維はボロにする以外に使い道がありません)
  4. 厚手のウールの服を沢山着るより、ユニクロ等から発売された薄手で軽量のダウンやヒートテックなどの機能性防寒素材の方が 暖かくて見た目もいいです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。