月別アーカイブ: 2012年10月

フランネルとは(flannel) フラノ


フランネルとは、フラノとも呼ばれ 経糸(タテイト)・緯糸(ヨコイト)とも 紡毛(ボウモウ)糸を使い、平織または綾織縮充(シュクジュウ)を施して 毛羽を押さえた、軽くて柔らかい紡毛織物です。

梳毛(ソモウ)で織ったものもあり、梳毛フランネルと呼ばれます。綿織物の場合は コットン・フランネル又は綿ネルと言います(片面か両面を起毛しています)。詳しくは下記をクリックで。
ネルとは

現在では ウール(毛)からだけでなく、ウールと綿 ウールと合成繊維などから 作られる事もあるそうです。

フランネルと言う名称は、イギリスのウェールズ地方の言葉で “gwlanen” (ウールのような)からきたと言われています。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

購入の決め手は「動画」(お客様アンケートより)


番外ですが、生地屋のお客様アンケートの
「何が決め手となって、生地屋で購入なさいましたか?」

に対して 「動画」 と、東京のM様が書いていただけました~♪
やっぱり効果があるのですね、とっても 嬉しいです。


生地屋のサテン・クレープの魅力  布生地へは次をクリックで:サテン・クレープ

上記は2年ほど前に作った動画で、再生回数は11,700回を越えてます(高評価9)。下記が一ヶ月半前に作った動画で 再生回数は1,070回くらいです(高評価23)。

宜しければ こちらもご覧くださいませ。(もし 気に入られましたら、動画下の「生地屋のサテン・クレープの魅力」や「シルデュー・デシンの魅力」のリンクをクリックされて、親指を立てたマークの「グッド!」をクリックしてもらえると とっても嬉しいです。

高評価が1つ増えます。YouTubeに未登録の方は 登録を求められますが、メールアドレスがあれば無料で登録できます)


シルデュー・デシンの魅力  布生地へは次をクリックで:シルデュー・デシン

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ネルとは(cotton flannel) コットン・フランネル 綿ネル


ネルとは、綿フランネル(コットン・フランネル 綿ネルとも呼ばれます)の略称です。甘撚の緯糸を打ち込んで平織、2/1綾織、2/2綾織の綿織物を起毛した布生地です。起毛してあるので 肌触りが柔らかくて暖かく、バジャマ ベビー衣料 シャツなどに使われます。

片面だけを起毛したもの(片面ネル)、両面を起毛したもの(両面ネル)の2種類があります。起毛は、晒し(サラシ P下にする事) 無地染め 捺染した後で 行います。

(綿で フランネルに似せて作った織物です。似せる為に起毛しています。ウールのフランネルは起毛しません)

“cotton frannel” と書かれた用語解説も多いのですが、フランネルが “flannel” のスペリングでもあり 英和辞典に “frannel” と言う単語は ないので( “flannel” はあります)、間違いだと思います)

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

水通しとは(ミズトオシ) 地直し(ジナオシ) 地伸し(ジノシ) 地づめ(ジヅメ)


水通しとは、洋服の縫製が出来上がってから 洗濯などで型崩れするのを防ぐために あらかじめ布地の縮みやゆがみを矯正する事です。合繊以外は織布や染め加工工程で 多かれ少なかれほぼ100%ゆがみは入ってます。地直し 地伸し 地づめとも言います。

(ただ 最近は防縮加工された布生地も多く、水通しの必要性は 以前ほどはなくなっています。ですが 国産生地でも5~10%程度縮む場合もあります)

  • ポリエステルナイロンアクリルなどの合繊(合成繊維)では、吸湿性(吸湿する繊維は 吸湿によって変形するので 地直しが必要)がなく 寸法安定性がいいのでほとんど不要です。プロのアパレルさんも ほとんどしません。
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    (一部 ビンテージ繊意などの 天日干し風加工等(染色加工でわざと 生地のひずみ等を強く矯正しない加工方法等)をしてあると 必要な場合もあります。その場合は最後に書いてある方法で ひずみの程度を調べて対処してください。
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    不明な場合は やっておいた方が無難かも知れません。せっかく手間暇かけて 縫製されるのですから)
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  • キュプラ(ベンベルグ)レーヨンなどの再生繊維や アセテートなどの半合成繊維は、天然の吸湿性のある綿花のクズ パルプなどから作られる為に、コットンと同様(同じセルロース系の繊維です)の水通しは必要です。
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  • 混紡のように 混ざっているものは、一番混率の多いもので判断します。ですが 織物の場合、混率が少なくても 下記のように経糸(タテイト)や緯糸(ヨコイト)のどちらかのメインの混率が 水通しが必要な場合は 必要になります。
    例:経糸:ポリエステル100%  緯糸:レーヨン80% ポリエステル20%
    (全体の混率 ポリエステル60% レーヨン40%)
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    不明な場合は やはりやっておかれた方が 無難です。
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  • 通常 下記の方法で水通しします。
    1. ウール(毛):アイロンの蒸気をあてます。
    2. シルク(絹):光沢・風合いを大切にするために 裏から空(から)アイロンをする程度。織物は 経緯の糸目を直角に揃えてください。
      (水に弱いので アイロン・スチームや洗濯機での水洗いは 避けた方が無難です。お洗濯も中性洗剤での手洗いをお奨めします)
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    3. コットン(綿):最近の生地は 防縮・防シワ加工されているものが多く 水通しの必要のないものが多いそうです。空アイロンか 裏から軽く霧吹きをかけて アイロンする程度でいいそうです。
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  • 輸入の生地で きちんと作られているかどうか不明(開発途上国やイタリア製の場合は 要注意です)の場合は ひずみの程度を調べて 洗濯機で回す方法もあるようです。 これが本来の水通しでしょうね。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

生絹織物とは(キギヌオリモノ) 後練織物(アトネリオリモノ)


生絹織物とは、生糸(キイト)で織り上げた後で 精練練るとも言います)する織物の事です。先練織物の反対語です。精練する前の生機(キバタ)は ゴワゴワで硬くて絹鳴りもしません。

生絹(キギヌ)とは 精練しな絹糸の事で、生糸(キイト)と同じ意味です。

シルク(絹)のオーガンジーのように 後にも先にも精練しない織物もあります。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

先練織物とは(サキネリオリモノ degummed silk fabric) 練絹織物(ネリギヌオリモノ) 練織物(ネリオリモノ)


先練織物とは、生糸(キイト)精練した練糸(漂白したり染めたりする場合もあります)で織った織物の事です。練絹織物(ネリギヌオリモノ)や 練織物(ネリオリモノ)とも呼ばれます。

(精練する事を「練る」とも 言います)

生糸で織った後、精練する織物は 先練織物(サキネリオリモノ)とも生絹織物(キギヌオリモノ)とも言われます。シルク(絹)のオーガンジーのように 後にも先にも精練しない織物もあります。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

紬とは(ツムギ)


紬(ツムギ)とは、生糸(キイト)に向かない節(フシ)が多いと言われる玉繭や くず繭等(変形した繭等)を手撚りで紡いだ糸紬糸 ツムギイト)を、経糸(タテイト)や緯糸(ヨコイト)の片方か 両方に用いた先練織物(サキネリオリモノ)の事です。糸の太さが不均一で 節も所々にあります。

(生糸に向いた繭は、楕円形で本繭と呼ばれるそうです)

大島紬が有名で 他にも白山紬 上田紬 久米島紬などが あります。非常に耐久性があり 数代受け継がれて着られる事もあったそうです。野良着や普段着に使われていたので、正装には使いませんでしたが、最近は略正装くらいなら 使われるようになりました。

生糸に向かないので 生産者は繭を売る事ができず、その地方の人々が 野良着や普段着用に作っていました。作るのに非常に手間がかかる上に その地方独特の味わいがあり 着物好きの人々から珍重されるようになりました。現在では 伝統工芸品として指定されてる事も多く 高級品として取引されてます。

見た目は絹に見えず 江戸時代に贅沢禁止令が出された時に、裕福な町人が木綿(コットン)と 言い張って着たと言う説もあります。

最初は ゴワゴワするので(先練織物のため セリシンが落ちきってない)、裕福な商人が番頭に着せて 柔らかく着易くなった頃に返させて着たとか、近代では 落語の師匠が 弟子に着せて 着易くなった頃に自分が着たとかの 逸話もあるそうです(笑)。

大島紬が 本来の意味での紬を用いていたのは 明治初年くらいまでで、それ以後は 単に絹糸の撚糸を用いていて、名称をつけるなら「大島」(絣の技法は19世紀頃 取り入れられたそうです)だそうです。結城紬は 本来の意味での紬ですが、の精緻化で 糸が細くなり、織物は昔のものより 柔らかくなっているそうです)

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

タイシルクとは(Thailand silk) ジム・トンプソンとは


タイシルクとは、タイの国で作られる絹織物の事です。経糸(タテイト)に極細の絹糸、緯糸(ヨコイト)に甘撚(アマヨリ)の糸(ツムギイト)を用いて、平織にしたものがメインです。

緯糸の節(フシ)と、明るいトルコ・ブルーや黄褐色、金・銀糸使いによる東洋的な色彩に特徴があります。ドレスなどに使われます。

米国人だったジム・トンプソン(James Harrison Wilson Thompson  Jamesの愛称がジム)氏が、第二次世界大戦後 オリエンタル・ホテル(現在のマンダリン・オリエンタル・バンコク)経営で成功しました。その後、機械生産による絹織物に押されて衰退していたタイ・シルクを 私財をなげうって 売込みと復興に没頭した結果、アメリカのファッション業界を中心に注目を浴びるようになりました。

ハリウッド映画の「王様と私」の衣装に使われ 欧米で人気が上がり、ジム・トンプソン氏は タイ・シルクを復興させた男として 世界中で有名になりました。ですが、1967年に休暇で訪れていたマレーシアで 謎の失踪をした後行方がわからなくなりました。

当時マレーシア軍までも動員されて 大規模な捜索が行われたにもかかわらず 本人は発見されず、今に至るも謎は 解明されていません。(失踪当時 既に超有名人でした)

特にジム・トンプソン氏の名前を冠した、「ジム・トンプソン・ブランド」は 高い品質と優れたデザインにより、タイ・シルクの最高級ブランドとして 世界中で有名でその人気を誇ります。
(余談ですが、私はジム・トンプソン・ブランドのネクタイを持ってます(笑)

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

撥水加工とは(ハッスイカコウ)


撥水加工とは、織物にシリコン、フッソ素系撥水剤、蝋質(ロウシツ)、アルミナ石鹸、ピリジニウム塩、セラチンなどの樹脂を付着させて、半永久的な防水性を与えようとする加工方法の事です。水を防ぎながら 織物自体の通気性はほとんど損ないません(通気性防水加工)。
(最近は シリコンやフッソ素系撥水剤を使う事が多いようです)

撥水加工をすると 水をはじくようになり、泥水等の水系の汚れも防ぎます。衣類などは 市販の撥水スプレーよりも、クリーニング店(技術の差が大きいとの記述を見かけますが)などで きちんと撥水加工してもらった方が、当然効果も高いですし 長持ちします。

生地屋では 撥水加工は承っておりません。
(余談ですが、撥水加工をすると 摩擦染色堅牢度は向上します)

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

透湿防水とは(防水透湿) 防水吸汗(吸汗防水)


透湿防水とは、水は防ぐが汗などの湿気は通す性質の事です。登山などでは 雨や雪で体が濡れると 体温を奪われ危険です。一方 湿気が抜けていかないと 汗をかいて同様に危険です。それを緩和する目的で開発されました。

(土砂降りの雨では 布生地表面に水の幕ができて 透湿性能が大きく低下したり(縫い目から水が浸透する場合もあります)、激しい運動をすると 透湿速度が間に合わずに汗をかいたりします)

布生地の 防水透湿防水吸汗吸汗防水も 全て同じような意味です。

ゴアテックスが有名で、水滴が水蒸気(水分子)よりも 大きいことを利用します。水滴よりも小さく 水分子よりも大きな微細な穴を多数あけて、さらに撥水加工をほどこして 水滴を通りにくくしてます。

ただ 表面が汚れてたり洗濯を繰り返したりして 撥水性が落ちると、水の膜になり 透湿性が大きく低下します。また 中にコットン(綿)の下着を着ていて ベトベトに濡れると、やはり同じように水の膜ができて 性能が大きく低下します。

ですので
・なるべく汚れないようにして 撥水性能低下したら洗濯しましょう。洗濯を繰り返して 撥水性が落ちてきたら、撥水加工などを依頼して 撥水性を回復させましょう。
・下着は コットン100%ではなく 吸湿速乾性のものを 着ましょう。(コットン100%のものは 吸湿速乾と表示してあっても 性能の低いものが多いそうです)

生地屋では 透湿防水素材の取り扱いは 大変申しわけございませんが、ありません。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。