水通しとは、洋服の縫製が出来上がってから 洗濯などで型崩れするのを防ぐために あらかじめ布地の縮みやゆがみを矯正する事です。合繊以外は織布や染め加工工程で 多かれ少なかれほぼ100%ゆがみは入ってます。地直し 地伸し 地づめとも言います。
(ただ 最近は防縮加工された布生地も多く、水通しの必要性は 以前ほどはなくなっています。ですが 国産生地でも5~10%程度縮む場合もあります)
- ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合繊(合成繊維)では、吸湿性(吸湿する繊維は 吸湿によって変形するので 地直しが必要)がなく 寸法安定性がいいのでほとんど不要です。プロのアパレルさんも ほとんどしません。
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(一部 ビンテージ繊意などの 天日干し風加工等(染色加工でわざと 生地のひずみ等を強く矯正しない加工方法等)をしてあると 必要な場合もあります。その場合は最後に書いてある方法で ひずみの程度を調べて対処してください。
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不明な場合は やっておいた方が無難かも知れません。せっかく手間暇かけて 縫製されるのですから)
. - キュプラ(ベンベルグ)、レーヨンなどの再生繊維や アセテートなどの半合成繊維は、天然の吸湿性のある綿花のクズ パルプなどから作られる為に、コットンと同様(同じセルロース系の繊維です)の水通しは必要です。
. - 混紡のように 混ざっているものは、一番混率の多いもので判断します。ですが 織物の場合、混率が少なくても 下記のように経糸(タテイト)や緯糸(ヨコイト)のどちらかのメインの混率が 水通しが必要な場合は 必要になります。
例:経糸:ポリエステル100% 緯糸:レーヨン80% ポリエステル20%
(全体の混率 ポリエステル60% レーヨン40%)
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不明な場合は やはりやっておかれた方が 無難です。
. - 通常 下記の方法で水通しします。
- ウール(毛):アイロンの蒸気をあてます。
- シルク(絹):光沢・風合いを大切にするために 裏から空(から)アイロンをする程度。織物は 経緯の糸目を直角に揃えてください。
(水に弱いので アイロン・スチームや洗濯機での水洗いは 避けた方が無難です。お洗濯も中性洗剤での手洗いをお奨めします)
. - コットン(綿):最近の生地は 防縮・防シワ加工されているものが多く 水通しの必要のないものが多いそうです。空アイロンか 裏から軽く霧吹きをかけて アイロンする程度でいいそうです。
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- 輸入の生地で きちんと作られているかどうか不明(開発途上国やイタリア製の場合は 要注意です)の場合は ひずみの程度を調べて 洗濯機で回す方法もあるようです。 これが本来の水通しでしょうね。
この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。