月別アーカイブ: 2011年6月

ドレープ性とは?


衣類や掛け布などを、優美にまとわせ ゆったりとしたひだを入れる事が出来る性質です。自然に出来る布のたるみが美しいひだを描きます。ジョーゼットデシン クレープなど強撚糸織物がでやすいです。ドレープ性が良いとスカートやドレスが 回った時に美しく開きます。

ドレープ性の良い生地は 落ち感も良好です。反対の意味は 「ハリ感のある生地」になります。

当店の生地は 撚糸が入った織物が多く、下記の商品を中心に ドレープ性は良好なものが 大変多いです。

1) サテン MB8410 サテン クレープ(147cm巾)
2) デシン MB2000 シルデュー デシン1(140cm巾)

3) 中肉素材 MB6100 二重織ジョーゼット(140cm巾)
4) 中肉素材 MB6120 チリメン ジョーゼット(112cm巾)

5) 薄地 MS7400 50Dシフォン ジョーゼット(147cm巾)
6) 薄地 MS7100 75Dシフォン ジョーゼット(147cm巾)

7) 薄地 MS7104 75Dシフォン ジョーゼット(112cm巾)
8) 薄地 MS7110 100Dシフォン ジョーゼット(112cm巾)

 

下記プロモーション・ビデオの冒頭で MB8410:サテンクレープを振り回して ドレープとはどう
言うものかを見せています。(綺麗に広がる様子がおわかりになられるかと)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ジョーゼットとは?(georgette)


経(タテ)と緯(ヨコ)の糸に強撚糸(撚糸回数2,000T/m以上)を使用して粗く織った生地を 高熱をかけて練った織物です。多くは透けていてシャリ感があり春夏用の織物です。

ジョーゼットは薄い布生地でも中肉でも、シワになりにくく ドレープ性がいいので 綺麗なヒダになり、回ると綺麗に広がります。ですので ダンス衣装や優美なドレスなどにピッタリです。

(薄いジョーゼットは 縫いにくいです。でもコツをつかめば うまく縫えます。次のリンク先に 縫製のコツが書いてあります。 縫いにくい薄いジョーゼット縫製のコツ )

高級なジョーゼットは非常に柔らかく(絹と間違う程) 表面に微妙なシボが発現しています。これがジョーゼットの生命です。

シフォン・ジョーゼットの繊細なシボ

シフォン・ジョーゼットの繊細なシボ

シボの大きなものは縮緬(ちりめん)と呼ばれる生地ですが、それに対して高級なジョーゼット生地は 細かいシボが一様に立っています。このシボがジョーゼットのふくらみ感やドレープ感 ドライ感 手触りの良さの元になっています。

 

よく「シボなんかいらない、値段が安い方が良い」なんて言われると悲しくなります。例えば撚糸回数を落とす、正規のシボ立て工程をしないなど製造工程で手を抜けば シボのないプレーンなジョーゼットが安く出来上がります。

また コストを落とすために 極限まで糸密度を 荒くしたジョーゼットも見受けられます。このような生地は ちょっとしたことで伝線したり 糸が引っかかったりし易い(ミシンで縫うと ぐちゃぐちゃになり易い)です。

 

その点 弊店のジョーゼット群は 【 プロが長年使ってきた生地で 安心して 】使えます。

 

確かに洋服はデザインや柄 縫製の良し悪しの占める割合が高いかも知れませんが、素材である生地が安っぽければ決して良い洋服にはならないと思います。

日本を代表される世界的に超有名デザイナーのK女史は 頑固にシボ高のシフォン・ジョーゼットを使い続けておられます。

 

当店の代表的なジョーゼット織物には下記があります。(クリックで 参照できます)

薄地
繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼット(147cm巾)

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

75Dシフォン・ジョーゼット(147cm巾)

2色の濃淡が綺麗なシャンブレー・シフォンジョーゼット

2色の濃淡が綺麗なシャンブレー・シフォンジョーゼット

シャンブレー・シフォンジョーゼット(112cm巾)

色数の多い75Dシフォン・ジョーゼット(112cm巾)

色数の多い75Dシフォン・ジョーゼット(112cm巾)

75Dシフォンジョーゼット(112cm巾)

中肉
色がとってもビビットな中肉二重織ジョーゼット

色がとってもビビットな中肉二重織ジョーゼット

二重織ジョーゼット(140cm巾)

色が深くて綺麗な縮緬ジョーゼット

色が深くて綺麗な縮緬ジョーゼット

縮緬ジョーゼット(112cm巾)

中肉:150D梨地ジョーゼット: MS6000(147cm巾)

もっと他のジョーゼットも見る

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

シャンブレーとは?(玉虫とは イリデッセントとは)


通常は経糸と緯糸の色を変えた織物。または 色の違う糸を細かく配列した織物(細かいので一見無地生地に見える)。見る角度を変える事によって 2色(3色以上使っている場合は その色の数だけ、あまり細かいとそのいくつかの複合色)の濃淡に見えます。玉虫とも言います。

シャンブレー○○の生地と言っても、白色や黒色など 他の色を混ぜると 白や黒でなくなる色や、特定の色を出すため わざと同色に染めて シャンブレーになってない色もあります。それでも その生地を シャンブレー○○と呼びます。
長繊維のシャンブレー織物は欠点が出易く織こなすのには非常に技術とノウハウが要ります。

イリデッセント(iridesent)とは シャンブレーの英訳です。

 

シャンブレー生地の例として 弊店では次のような生地があります。クリックで各布生地の詳細が見れます。

金属光沢のシャンブレー・サテン

金属光沢のシャンブレー・サテン

シャンブレー・サテン:MB8400

綺麗なシャンブレー・シワヘリンボン

綺麗なシャンブレー・シワヘリンボン

シャンブレー・シワ・ヘリンボン:MM1333

玉虫の綺麗なシャンブレー楊柳

玉虫の綺麗なシャンブレー楊柳

シャンブレー楊柳:MB9000

2色の濃淡が綺麗なシャンブレー・シフォンジョーゼット

2色の濃淡が綺麗なシャンブレー・シフォンジョーゼット

シャンブレー・シフォン・ジョーゼット:MB7506

シャンブレーオジヤ:MS9410

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

梨地とは?(ナシジ crepe weave アムンゼン amunzen)


織物の組織の名前で 果物の梨のようなブツブツの表面感から「梨地」(なしじ)と言います。又は この織組織で織った織物の総称です。

ほとんど無数に織組織の種類はあり、代表的な620本x620本の織組織(当店の織物に採用)でも いろいろな組み合わせがあります。

 

アムンゼンは 元々ウールの変わり織の梨地織物(梨地の変化織組織)の事を 言っていたのですが、シボのある変わり織の梨地生地の総称になっているようです。また 梨地編(ニット)も アムンゼンと言うそうです。

 

近くで良く見ると 表面のブツブツはわかりますが、離れてみるとほとんど平滑に見えます。ですから 「平織」(ヒラオリ)と勘違いする人も多いです。

分野は全然ちがいますが、表面を硬くした 梨の表面のような「梨地メッキ」と言う金属メッキもあります。

 

生地の例: 150D梨地ジョーゼット

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

フルダルとは?(FD) セミダルとは(SD)、ブライトとは(B)


化合繊の糸の艶(光沢)の種類の事で 大きく次の3種類に分けられます。

  1. フルダル (FD, Fully Dull)
  2. セミダル (SD, Semi Dull)
  3. ブライト (B, Bright)

1.のフルダルが最も糸に光沢がなく、3.のブライトは一番光沢があります。2.のセミダルはその中間で 最も多く使われています。

フルダルはUVカット性能が高いのと 下着やパンツ(ズボン)等の透け防止に効果があります。ただ ビビットな(鮮明な)色は出にくいです。

ただブライトの糸でも 撚糸をかける事によって 幾分光らなくなります。

 

例えばブライトの糸でも 強撚をかける事によって、セミダルぽくなりますし、中撚をかける事によって 光沢はマイルドになります。(強撚、中撚は撚糸の項を参照して下さい)

フルダルの糸は 酸化チタン含有量が多いです。セラミックの主成分の1つで 昔はガイドに傷がつきやすい 糸道が出来る等 いろいろ問題が多かったですが、現在は改善されています。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

UVカットの生地とは?(ユーブイ) 紫外線カット


1)通常のポリエステル製の布でもかなりUV(紫外線)カット性があります。淡色より濃色(黒 濃紺 こげ茶等)がお奨めだそうです。下記クリックで参照できます。(2013.02.13現在 下記の記事は 削除されてるようです。非常に有用な記事だったので、大変残念です)
UV加工の生地について

「UVカット 生地 販売」で検索して捜しました。ただ誇大広告くさいところも多く(布生地で 光にかざして光が漏れていたら、100%のUVカットではありません) 上記のサイトは科学的に説明していて信頼できると思います。

 

2)当店でUVカット性の生地として下記があります。(CF7000とか MF7000は同じ生地です。2桁目以降が同じなら同じ生地です。CFはメータ売り MFは反売り品番です)
CF7000 MF7000
CF7012 MF7012 (廃版予定 残10色程度のみ。代換生地のMS7110は 糸がフルダルではありません。UVカット性が必要な場合は 上記のCF7000(MF7000)を お使いください)

フルダル(FD)と言われる糸にはUVカット性があります。ただ糸自体にUVカット性があっても、生地が透けているとカット性が低下します(糸と糸の隙間からUVが漏れます)。ですから良心的なメーカはあまり積極的に宣伝しません。上記の布は夏用の生地としては比較的透けにくく 糸と透けにくさの両方でUVカット性が高いです)

他の季節は少し厚い布地を使えば UVは簡単にカットされてしまいます(UVのように波長が短いと薄い厚さの生地で 簡単に遮断されます。暗い所から明るい所を見て全然透けない生地なら まず大丈夫でしょう)。

夏は上記の布をお使いになり、かつ下地と上に はおりもののようなデザイン(風も通って涼しいと思います)で 2重に布を重ねればUVカット性は高いと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

サッカーとは(sucker) ? シアサッカーとは(seersucker)  しじら織とは(シジラオリ)


サッカーシアサッカーも、じじら織も同じ意味です。

経糸に収縮率の違う糸を 何本かおきに配列して織ったものです。よく縮む糸の部分は平滑になり あまり縮まない糸の部分は ポコポコとうねってます。細かい経のストライプ状になったものが多いようです。

ポコポコして 肌に触れる面積が小さくなるので べとつかず、春夏の布生地に多く使われます。

(収縮差は 綿などの場合は、弱く撚りかけた糸(あまり縮まない)と 強く撚りをかけた糸(よく縮む)で出すようです。ポリエステルの場合は 高収縮の糸を使ったり、ストレッチ糸(よく縮む)を使ったりして 表現する場合もあります。

下記は製品写真から拝借してます。一部分しか使っておりませんので、版元さんご容赦くださいませ)

シアサッカーの布生地写真例

シアサッカーの布生地写真例

似たような布生地に リップルがあります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

デニールとは(D)


デニールとは 化合繊やシルク(絹)の糸の太さの単位で、9,000m当りのグラム数。”D”(Denier)で通常あらわします。

”75D(デニール)”の糸は9,000m当り75gある糸と言う意味です。太さと言うと直径が思いうかびますが、細い糸を 厳密に計測する事は通常困難(また 長い長さ方向に多少ばらつきます)なので このような方法がとられてきました。

(最近ではこの呼び方を止めて、デシテックスと言う言い方に変わろうとしています)

例えば 下記の例のように(クリックで その布生地の商品ページへ飛んだり(詳細が見れます)、拡大写真が見れます)

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼットの透け感

50Dシフォン・ジョーゼットの透け感

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

75Dシフォン・ジョーゼットの透け感

75Dシフォン・ジョーゼットの透け感

50D(デニール)の方が 糸が細いので、薄く透けやすいです。 (50Dと75Dくらいの 差では 僅かの差しかありませんが)

綿やウールの糸の太さの「番手」と違って 大きいほど太い糸になります。番手は大きいほど 細くなります。
(番手は一定重量あたりの長さであらわしてます。ややこしい事に、綿 ウール 麻で全部一定重量が異なってます。すから 綿とウールで同じ40番手でも 太さは異なります)

余談ですが 公称75デニールでも、実際の糸の太さは 72~73デニール程度です。それでも 糸の取引は重量でしますので、別に不正なわけでは ありません。75D(デニール)で 計算した長さよりも 実際の糸の長さは 多少長くなるので 使う方も不都合はないわけです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

デシテックスとは(T) テックスとは


デシテックスとは 化合繊の糸の太さの単位で、10,000m当りのグラム数。”T”(deci Tex ”D”とすべきなのかも知れませんが それでは従来のデニール(D)と区別つかないため)で通常あらわします。

例えば”84T”の糸は10,000m当り84gある糸と言う意味です。本来”テックス”は1,000m当りのグラム数なのですが、10分の一の意味の”デシ”をつけて 8.4テックス=84デシテックスとあらわしています。

綿やウールの糸の太さの「番手」と違って 大きいほど太い糸になります。番手は大きいほど 細くなります。

デニール(D)から こちらの単位に変わろうとしています。面白いのは 数字の切りがいいのか 一部換算どおりの表示になってません。
30D = 33.333T  表示33T
50D = 55.555T  表示56T
75D = 83.333T  表示84T (本来83Tのはず)
100D = 111.111T  表示110T (本来111Tのはず)
150D = 166.666T  表示167T
あと 今まで習慣的にデニールを使って来たので、当分の間は下記のように商品名にはデニールが使われると思います。(50Dの方が薄い。50Dと75Dくらいでは 僅かの差しかありませんが。透け感の写真は クリックで拡大します)

50Dシフォン・ジョーゼット:MS7400

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼットの透け感

50Dシフォン・ジョーゼットの透け感

75Dシフォン・ジョーゼット:MS7100

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

75Dシフォン・ジョーゼットの透け感

75Dシフォン・ジョーゼットの透け感

 

将来的には

56Tシフォン ジョーゼット:MS7400
84Tシフォン ジョーゼット:MS7100

のように呼ばれる事に なるかも知れません。

余談ですが 公称84デシテックスでも、実際の糸の太さは 80~82デシテックス程度です。それでも 糸の取引は重量でしますので、別に不正なわけでは ありません。84T(デシテックス)で 計算した長さよりも 実際の糸の長さは 多少長くなるので 使う方も不都合はないわけです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

楊柳とは?(ヨウリュウ)


細かい経シワ(経方向の凹凸 楊柳シボとも言います)の入った織物です。肌に触れる面積が少なくなるので べとつかず春夏用の生地として主に使われます。

緯糸に片撚の強撚糸を入れることによって発現します。経緯(タテヨコ)に細かい経緯シワの入ったものをオジヤと言います。

下記が弊店の楊柳織物の例です。クリックで商品詳細へ飛べます。

玉虫の綺麗なシャンブレー楊柳

玉虫の綺麗なシャンブレー楊柳

MB9000:シャンブレー楊柳

(楊柳の経シワには エンボス加工をして 経シワを均一にしたものと、上記のMB9000のように エンボス加工をしないで 経シワがやや不均一なもの(ナチュラル楊柳)があります。エンボス型は 染加工場によって違う事が多く、同じ生機を加工しても 経シワの形状が異なる事もあります)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。