タグ別アーカイブ: 織組織

ギャバジンとは(gaberdine) ギャバ


ギャバジンとは、単にギャバとも言い 綿(コットン) 梳毛 麻 ポリエステルなどで 織られた丈夫で緻密な綾織物です。一般に特定の素材(綿とかウールとか)の織物の名前ではなく 織り方(織組織)の名前と言えます。

バーバリーのコート地が有名です。通常経糸の密度が 緯糸の倍くらいあるので(この方が織布の生産性は高い)、綾目(斜文目)が急角度になります。(裏面の方が綾目がはっきり見える場合もあります)

綿ギャバジンは40~60番手双糸使い、毛ギャバジンは48~72番手双糸使いが多いです。毛のギャバジンは厚く本格的な冬物に使用される事が多く、綿やポリエステルのものは 薄手で秋冬のコート地に使われる事が多いです。

ギャバジンの名前の由来は、もともと中世に着られた緩やかなクロークないしガウンを意味し、後に雨用のクロークや、身体を保護するスモックなどを意味するようになった「ギャバジン (gaberdine, gabardine)」という言葉に由来しているそうです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ソウコウとは(綜絖 heald ヘルド)


ソウコウとは(綜絖)、英語でヘルド(heald)と言い 織物織機で織るときに 経糸をつっておくものです。(下記写真の赤丸部分。この写真は アウベルクラフトさんより拝借してます)

ソウコウ(綜絖 ヘルド heald)

ソウコウ(綜絖 ヘルド heald)

アウベルクラフトさんは 上記手織り織機を14万円くらいで販売されてます)

大昔は 上記写真のように紐でできていましたが、鋼の針金→板状のヘルド(大別して2種類あり、板厚の薄いものと 厚いもの。厚いものは金属板を打ち抜いて作ります)と 進化してきてきました。

筬(オサ)に次いで 機屋(ハタヤ 織物製造業者 織布業者)の大切な道具です。織機の高速回転化に伴って 非常に速く消耗するようになりました。傷ができたり 曲がっていたりすると、経糸が切れたり 経筋(タテスジ)などの生地の欠点になります。

ジャガード織機では ソウコウは現在でも紐製で 福徳液などの強化液で強化して使います。ソウコウ自体をつっている外側の枠は ソウコウ枠(綜絖枠)と言います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

オサとは(筬 reed)


オサとは()、下記写真のようなもので 織物を織るときに 経糸を通しておくものです。(2番目の写真。これらの写真は 日本竹筬技術保存研究会さんより 拝借してます)

筬の写真(上:金筬 下:竹筬)

筬の写真(上:金筬 下:竹筬)

筬の使われ方

筬の使われ方

大昔は竹筬を使用していたようですが、現在は工業生産する場合は金筬(カナオサ 金属製の筬)しかつかいません。
経編(タテアミ ニットの種類の1種)機の、導糸針を1列に並べて取り付けた板も 筬と言います)

昔は 金筬は機屋(ハタヤ 織物製造業者 織布業者)の財産と言われましたが(半永久的に使えた)、織機の高速回転化に伴って 消耗品となりました(筬が磨耗して傷がついたりして 使えなくなります)。

一つの羽(ハ 筬ではこの字を使います。英語でreed split/reed dent 通常鋼かステンレスです)の隙間に通常1~6本の経糸を通し、これによって織物の経糸密度がほぼ決まります。

(織縮み 染加工縮みなどで、筬密度x通し本数より実際の織物経密度は多くなります。「羽二重」は一つの隙間に2本糸を通す事から 名前がつきました。エアージェット・ルームでは 空気の拡散を少しでも防ぐために 突き出た窪みのある筬羽になってます)

この筬羽に傷がついたり 羽が曲がったりすると、経糸が切れたり 経筋(タテスジ)などの生地の欠点になります。

金筬は 金属製で上下(専門用語で「天地」と言いいます)が固定され 通常「鯨寸(クジラスン 約3.875cm)」間の羽数で密度を表わします。

織物の経緯(タテヨコ)の糸密度も 昔は鯨寸間の本数で表されていたようですが、海外規格のインチ(吋 inch 2.54cm)間の糸本数で 通常表わすようになりました。

金筬は 上下のバネで羽が挟まれており このバネの厚みとコイルの数で密度が決まります。このバネと羽を固定する方法には ハンダで固定する方法と樹脂で固定する方法があります。ハンダの方が耐久性があり 製造現場で傷んだ時に直しも効きますが、ハンダは製造時に熱をかけるために 精度が狂いやすい欠点があります。樹脂製のは現場直しが効きません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ふくれ織とは(フクレオリ) マトラッセ/クロッケ(matelasse/cloque(仏) 紋ピケ 紋ピッケ


ふくれ織とは、マトラッセ(matelasse)、クロッケ(cloque 最後のeには 上に点が付きます) とも言い 二重織の浮いた部分と結節部分で 凹凸の模様を表した織物です。紋ピケ(紋ピッケ)は、ピケの手法で 盛り上がった柄を作ったも織物で ふくれ織に属します。

下記の写真がその例です。
(写真は「京都 着物通販【きものACT】」さんより 転載しています)

ふくれ織の布生地例

ふくれ織の布生地例

ジャガード織機でしか製織できず 非常に珍しい織物で高価です。

マトラッセの語源は「寝床、物を横たえる場所」といった意味のアラビア語(matrah)からきているものと思われます。英語ではマットレス(mattress)に相当します

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

袋織とは(フクロオリ)


袋織とは、経緯二重織で 織組織の中に結節点(上下の布生地をつなぐ部分)をもうけないで、両端の耳部分だけ繋がっている布生地です。袋状になっているので この名前があります。(下を縫い合わせれば 本当に袋として使えます)

ほとんど見かけない織物で 私も実物を見たことがありません。

昔のフライシャトル織機では 繋がった部分をもうけなくても良かった(耳部分でつながる)のですが、最近のシャトルレス織機では 別途作る必要があります。

もうすぐ廃業されますが、みやしん(株)さんでは ニューヨークの自由の女神のストールを この袋織の手法で作られたそうです。1.5mくらいの巾の布生地しか織れない織機で、袋織の手法を応用して 数十mの巾の布生地を織られたとか。

(何重にも織って 両端だけカットして 広げて数十mの巾の布生地にしたそうです。
みやしん(株)さんのリンク先は みやしんさんにしてありません。大変残念ですが、近い将来なくなると思いますので)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

風通織とは(フウツウオリ) 風通


風通織とは 風通とも言い、二重織の一種で 小さな袋状の模様が現れる織物です。中に風が通ると意味から風通と名づけられたと言われています。

表側の経糸・緯糸と 裏側の経糸・緯糸に それぞれ違う色を使い、緯糸を変えたりする組み合わせで多色の風通(三色風通 四色風通等)ができます。下記のようです。
(裏では 対の配色の同じ模様が 現れます)

風通織物例

風通織物例

(上記画像は 「着物が着たくなったら、着物用語集」さんより 転載しております)

この布生地を織るジャガード織機自体が 数が非常に少なく、また 多種多様な柄がいくらでも作れる事から(完全受注生産 自由度がありすぎるので逆に定番品がない) 風通織の布生地は非常に高価で貴重なものと思われます。

(cf. 布生地とは一期一会 )

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

耳とは(ミミ selvage) 耳組織(ミミソシキ) 地(ジ)


布生地のとは、布生地の両端部の事です。染加工の時についた2列の針穴が空いています。耳の部分だけ違う織組織にしたものを 耳組織と言います。

耳でない洋服等に使用する部分を 「」とも言います。下記が織物の耳の例(写真)です。

サテンクレープの耳(クリックで拡大)

サテンクレープの耳(クリックで拡大)

(余談ですが、耳の近辺の地は 歪が残っているので あまりギリギリまで使わない方が 無難です。また 同様の理由で 端の方は重要な部分に使わない方が良いです。
例:身頃を真ん中 袖を両端 )

織物の耳は 織物の顔とも言われ 重視された時期もあったようですが、基本的に捨てる部分ですので 現在はそれほど重視されません。
(耳の部分だけ別の経糸を使ったり、織組織を別のもの(耳組織)にしたりしました)

ただ、下記のような場合もあります。

  • 一部のブランド生地には 耳の部分にロゴが入っている
  • インドの民族衣装サリーなどは 耳を額のところへ持ってくるなど デザインの重要な一部になっていて重視されます

織布工程や染色工程で 支障の出ないようにするために、

  • 薄地の織物では 耳は地よりも肉厚にする(織っている最中に 耳が緩んで緯(糸)入れ支障が出ないように、また 染加工中にほどけないように等)
    .
  • 昔は全部フライ・シャトル織機で織ったので、耳は締まり気味だったので 緩めの耳組織でした。ですが エアジェット・ルームなどの新しいシャトルレス織機では 耳は緩み気味なので 締まり気味の耳組織にする。

(余談ですが、フライ・シャトルの「シャトル」は アメリカの地球と宇宙を往復する宇宙船「スペース・シャトル」の語源になりました)

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オットマンとは(Ottoman)


オットマンとは、緯(ヨコ)に太い畝のある厚手の織物の事です。

  • 経(タテ)に光沢のある細番手の糸を密に
  • 緯(ヨコ)に太い糸を 一経糸開口(一ひぐち)に2本以上打ち込んで織る(通常ドビーでないと 織れません(注)

横に畝のある織物の中ではもっとも畝が大きく、はっきりと出ています。ファイユグログランオットマンの順に緯畝(ヨコウネ 緯の線の事)の巾が広くなります。

(ファイユは緯畝のピッチは目安0.5mm以下程度です。あくまでもアバウトな目安ですが、グログランは1mm程度 2mmを越えるようになると オットマンと呼ぶようです)

シルク(絹) コットン(綿) ウール(毛) ポリエステルなど いろいろな素材から作られてます。厚く堅い布生地でコート、スーツ、ジャケットなどに使われます。

下記生地写真は 「ニット生地屋」さんから 一部を拝借しています。(かなり探したのですが、使えそうな写真は ありませんでした。全体写真でなく 一部だけしか使ってませんし、リンクもしています)

オットマン ottoman

オットマン ottoman

経糸が密で、太い緯糸数本がそれに包まれてほとんど見えなくなってます。固く密に織られているので ドレープ性はほとんどありません。

(注:一ひぐちに2本くらいまでなら ドビーでなくても、一回に2本の緯糸を引っ張る 特殊なレピア織機で織ることも可能です)

Ottoman は 中世にヨーロッパの諸国をふるえあがらせたオスマン帝国の英語名です。オットマンはそのカナ読みです。オスマン帝国内で 最初は作られたのかも知れません。

大変申しわけございませんが、弊生地屋での取り扱いは ございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

グログランとは(grosgrain 仏語)


グログランとは、固く密に織られた緯畝(ヨコウネ)のある織物です。通常は

を打ち込んで作ります。元々 絹織物から来ましたが、人絹(ジンケン) 綿(コットン) 毛(ウール)でも 同様の作り方で作られてます。

下記の写真のように 緯に細かい線が見えます。(この写真は繊維業界検索なびより 拝借してます)。ファイユグログランオットマンの順に緯畝(ヨコウネ 緯の線の事)の巾が広くなります。

(ファイユは緯畝のピッチは目安0.5mm以下程度です。あくまでもアバウトな目安ですが、グログランは1mm程度 2mmを越えるようになると オットマンと呼ぶようです)

グログラン  grosgrain

グログラン grosgrain

写真のように経糸が密で、太い緯糸がそれに包まれてほとんど見えなくなってます。固く密に織られているので 通常ドレープ性はほとんどありません。

名前の由来は、フランス語の gros (大きい 太い)、 grain (穀粒)から来ています。ネクタイやリボン等に 多く用いられます。

大変申しわけございませんが、弊生地屋での取り扱いは ございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ピケとは ピッケとは (pique)


ピケとは(又はピッケ)、下の写真のように 経畝(タテウネ)になった織組織です。

ピケ(繊維業界検索なびより)

ピケ(繊維業界検索なびより)

(写真は 繊維業界検索なびより 引用させていただいてます)

畝の細いものを ピンホール・ビケ(pinwale pique)、太いものを ワイド・ピケ(wide-wale pique)とも呼んでいます。(通常 緯二重織の織組織で作ります)

また このふくらみが細長い菱形とか (経方向だけでなく)柄状になったものを 紋ピケジャガード織)と呼びます。

英語表記が”pique”であることからも「ピケ」が 正しいカタカナ表記だと思われます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。