月別アーカイブ: 2011年6月

長繊維とは(チョウセンイ) フィラメントとは(filament)


フィラメント糸とも言い、一本の糸の 最初から最後まで1本の細い糸が途切れずに通っています。反対の言葉に 短繊維があります。

短繊維だけの繊維: 綿(コットン)、毛(ウール)、麻(リネンラミー。リネンとラミーは別物です)等

短繊維と長繊維の両方あるもの: 絹(シルク 短繊維は「絹紡糸」)、レーヨンポリエステル

注:ナイロンは 長繊維がメインで、短繊維を作ることは不可能ではないですが、あまり聞いたことがないです。
アクリルは 短繊維がメインで 長繊維は存在しますが、生地や製品等は一般にはあまり売っていません。

弊店の生地は ほとんど長繊維織物です。下記に代表的な生地を挙げておきます。

しわになりにくいサテン・クレープ

しわになりにくいサテン・クレープ

サテン・クレープ:MB8410

手触りの良いシルデュー・デシン

手触りの良いシルデュー・デシン

シルデュー・デシン:MB2000

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼット:MS7400

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

75Dシフォン・ジョーゼット:MS7100

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

タフタとは? (taffeta)


ポリエステルナイロン 生糸(キイト 絹)など 長繊維生糸(ナマイト)で織られた平織の密な織物の総称です。

(ナイロン・タフタの詳細は 次をクリックで。ここでは ポリエステル・タフタのお話中心です。
ナイロン・タフタとは? )

比較的付加価値は低いので 安い織物生地が多いです。すべりがよく適度な光沢がありますが、しわにはなりやすいです。

ポリエステルの場合は 経(タテ)糸 x 緯(ヨコ)糸の組み合わせが

  • 50D x 75D(デニール) (56T x 84T(デシテックス
  • 75D x 100D(デニール)  (84T x 110T(デシテックス)

仮撚加工等のしてないフィラメント糸生糸(ナマイト)とも言います)で 密に平織で織った織物です。

主用途は裏地ですが、安価なので いろいろなところに使われます。北陸地方の代表的な定番織物の1つです。

消費量が多いので 問屋さんによっては60~100色程度もの多数の色数を 揃えているところもあります(ほとんど 選ぶのに困るくらいです)。

50D x 75Dのタフタで 経緯の密度を吋(インチ )間で合計して190本タフタ(一般的) 210本タフタ(高密度 糸密度が多い)の2種類が代表的ですが、生産量は190本タフタの方が圧倒的に多いです。

超高密度タフタと言って 経緯の密度合計が400本前後(/吋 インチ) またはそれ以上(密度が多いほど 織るのが困難になる)の 大変付加価値の高い生地もあります。主にウインド・ブレーカやダウン、コート地などに 使われます。

元々シルク(絹)織物の名前一つでしたが、シルク製は 今ではほとんど見かける事は ないと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

短繊維とは?(タンセンイ) スパン糸とは(spun yarn) ステープルとは(staple)


スパン糸、ステープルとも言い、細い短い繊維の糸を撚り合わせて(=紡績して)つくります。綿やウールは代表的な短繊維です。反対の言葉に長繊維があります。

短繊維だけの繊維: 綿(コットン)、毛(ウール)、麻(リネンラミー。リネンとラミーは別物です)等
短繊維と長繊維の両方あるもの: 絹(シルク 短繊維は「絹紡糸」)、レーヨンポリエステル

注:ナイロンは 長繊維がメインで、短繊維を作ることは不可能ではないですが、あまり聞いたことがないです。
アクリルは 短繊維がメインで 長繊維は存在しますが、生地や製品等は一般にはあまり売っていません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

一反の長さとは? (反の長さとは)


結論から書きますと 生地の種類などによって 規格長さはマチマチです。

弊店では 1反は46m規格(ex.112cmx46m 弊店は商品ページ左下の表の所に書いてあります)のものは46m前後、 50m規格のものは50m前後の長さになっています。染めあがった時の長さですので、多少バラツキます。

(46mとか50mもの長さがあるので すぐに数メートルくらい 違ってきます。また 作業者が切り間違えたり、端に欠点ができたので 少し短く切ったりもします)

前述しましたように 生地の種類によってこの長さは変わってきます。一般的に

着物の絹織物やビロード 一反=約23m前後
化繊(化学繊維)の織物      一反=約46か50m前後

の場合が多いです。化繊の場合でも 染加工の都合などで 半端な長さ(例えば40mとか)や 半反(23m)になっている場合も あります。
(刺繍用がメインの布生地の場合 58mで一反としている場合もあります。テープやリボンの場合 これよりも短い長さで 一巻きとしているようです)

1反=50mの生地の例

しわになりにくいサテン・クレープ

しわになりにくいサテン・クレープ

手触りの良いシルデュー・デシン

手触りの良いシルデュー・デシン

1反=46mの生地の例

色数の多い75Dシフォン・ジョーゼット(112cm巾)

色数の多い75Dシフォン・ジョーゼット(112cm巾)

2色の濃淡が綺麗なシャンブレー・シフォンジョーゼット

2色の濃淡が綺麗なシャンブレー・シフォンジョーゼット

1反=23mの生地の例

ポリエステル二越縮緬(チリメン)

ポリエステル二越縮緬(チリメン)

生地屋の反売は、メータ単価x実長(実際の長さ)での販売価格になります。

一般に化繊(化学繊維)等は一反がだいたい定長の販売になっていますが、天然繊維系ではそうでないようです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ツイルとは? (twill) 綾織とは(アヤオリ) 斜文織とは(シャモン)


織物組織(又は 織組織)の名前で、綾織(あやおり)斜文織(しゃもんおり)とも言います。三原織組織の1つで、通常織物の糸密度を上げて 肉厚の丈夫な生地を作るために用います。

斜めに細かい筋が見え、スーツやパンツ(ズボン)用など 生地厚が必要な織物に使われます。コットン(綿)やウール(毛)、ポリエステルナイロンなどの合成繊維キュプラベンベルグ)などの再生繊維など 全ての素材(糸の種類)で ツイルは存在しえます。

下記の織組織図に 代表的なツイル織組織を 挙げておきます。これ以外にも いろいろなツイルやその変化織組織があります。

ツイルの織組織図
2/1ツイル(綾織)

2/1ツイル(綾織)

2/2ツイル(綾織)

2/2ツイル(綾織)

黒い部分が 経糸(タテイト)が上(浮き)になっている部分、白い部分が下になっている部分です。詳しくは織物組織を参照してください。

大変申しわけございませんが、弊生地屋では ツイルの取扱いはございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

サテンとは?(satin) 朱子織とは? 繻子織とは?(シュスオリ しゅすおり)


織物組織(又は 織組織)の名前で、朱子織(シュスオリ)繻子織(シュスオリ)とも言います。三原織組織の1つで 通常経糸(タテイト)が多く表に出ていて、美しい光沢が出やすいです。(わたしは見たことがありませんが、緯糸(ヨコイト)が表に多く出ていて 光沢のあるものも あるらしいです)

その一方で 平織りなどに比べて比較的摩擦には弱いです。(ポリエステルのサテンは シルク(絹)などのサテンに比べれば はるかに摩擦等には強いです。同じポリエステル製の平織り綾織に比べて弱いと言うだけです。ですのでポリエステル・サテンは 実際コート等の重衣料の裏地などに使われてます)

コットン(綿)やウール(毛)、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維キュプラベンベルグ)などの再生繊維など 全ての素材(糸の種類)で サテンは存在しえます。

下記の織組織図に 代表的なサテン織組織を 挙げておきます。これ以外にも いろいろなサテンやその変化織組織があります。

サテンの織組織図
5枚サテン(朱子)

5枚サテン

8枚サテン(朱子)

8枚サテン

黒い部分が 経糸(タテイト)が上(浮き)になっている部分、白い部分が下になっている部分です。詳しくは織物組織を参照してください。

当店の代表的なサテン織物には下記があります。(クリックで 参照できます) ドレスなどの衣装だけでなく、高級服の裏地としても 沢山使われています。

しわになりにくいサテン・クレープ

しわになりにくいサテン・クレープ

金属光沢のシャンブレー・サテン

金属光沢のシャンブレー・サテン

生地屋の強くお奨めサテン生地も見る

(参考:下記は間違いです。

  • 光沢のある織物を一般を サテンと呼ぶ。(光沢のあるタフタ(タフタは 一般にサテンなどと比べると 値段は大幅に安い)などを サテンと呼ぶのは間違いです。光沢のほとんどないサテンもあります)
  • シルクや合繊の光る織物を サテンと呼ぶ。(綿(コットン)やウールのサテンもあります。サテンは素材の名前では ありません)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

合成繊維とは?(ゴウセイセンイ) 合繊とは?(ゴウセン)


石油などの原料(テレフタル酸等)から人工的に合成される繊維ポリエステル ナイロン アクリル ビニロン等がある。リサイクルできれば 天然繊維よりははるかに地球に優しい繊維(異論もあると思います)となります。

また 一般的にドライクリーニング(環境に優しくない)しなくても家庭で水洗濯でき 強度もあり長持ちする。寸法安定性にも優れています。

反面 一般的に静電気がおきやすく 熱には弱いです。

よく誤解されますが レーヨンキュプラベンベルグ) アセテート等は 合成繊維ではないです。レーヨンやキュプラは再生繊維と呼ばれ、アセテートは半合成繊維と呼ばれます。

パルプ(木材のくず)や綿花のくずなど 天然に存在するもののセルロース(綿 コットンの主成分)を原料として溶かし 糸に再生します。それで再生繊維と呼ばれします。

半合成繊維は、セルロースやタンパク質のような天然の原料に 化学薬品を反応させて作った繊維です。

合成繊維と再生繊維、半合成繊維は 一般的性質は全然違うので 注意が必要です。再生繊維は一般的に 静電気がおきにくく 熱には強いです。

合繊(合成繊維)と再生繊維、半合成繊維を合わせて化繊(化学繊維)と呼ぶ場合と 再生繊維だけを化繊と呼ぶ両方の場合があります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ポリエステルとは(polyester) ポリエステル織物とは


  • ポリエステルとは 元々エステル縮合でできた樹脂(プラスチック)の総称ですが、繊維や布生地 フィルムの業界では 次項のような定義と考えて ほぼ間違いありません。
    PET以外の種類の繊維や布生地はぼぼ存在してません。ポリ(poly)は沢山のとか大量の意味で 大量のエステルが重合しているの意味)
    .
  • 代表的な合成繊維の1つで ポリエチレン テレフタレートPET PolyEthyleneTerephtalate)と言う非常に劣化しにくい強い樹脂を 糸にしたものをポリエステル繊維と言い、それで織った織物をポリエステル織物と言います。
  • PETの化学式   (-COO-C6H6-COO-CH2-CH2-)n
    (ポリは「沢山の」意味 「CH3-CH3」がエチレン 「COOH-C6H6-COOH」がテレフタル酸なので ポリエチレン テレフタレートと呼ばれます)
    .
  • PET樹脂自体の物性や化学式の詳細は 左をクリックで調べられます。
  • 他の繊維との相性がいいので、よく短繊維はコットン(綿)やウール(毛)など他の繊維と 混紡されます。

弊店の取り扱い織物は ほとんどポリエステル100%です。下記がその代表的なポリエステル製織物の例です。

しわになりにくいサテン・クレープ

しわになりにくいサテン・クレープ

サテン・クレープ:MB8410

手触りの良いシルデュー・デシン

手触りの良いシルデュー・デシン

シルデュー・デシン:MB2000

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼット:MS7400

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

75Dシフォン・ジョーゼット:MS7100

下記が東レ(株)のテトロン(ポリエステルの代名詞的な商標)の一つ、シルデューと言うブランド名の糸を用いた織物(シルデューデシン 上表でも紹介してます)を 紹介した動画です。


  • 最もリサイクルしやすい織物で、燃やしても有害なダイオキシンはほとんど出ません。またドライクリーニングの必要がないので環境に優しい織物です。
  • PET(ペット)ボトルなども使われていて ペット・ボトルの樹脂は分子鎖が長いので 熱で溶かしてポリエステル繊維に再生できます。
  • ですが、ポリエステル繊維はペットボトルの樹脂に比べて、分子鎖が短いので 溶かしただけでは 良い樹脂になりません(粉砕したり 溶かしたりする時に さらに分子鎖が短くなるため)。ですので 一度化学的に分解して 再度合成(重合)して繊維にしてます。
    .
  • 染料は分散染料を 用いますが(昔は綺麗な色に なかなかうまく染まらなかったそうです)、この染料は他の樹脂に色移りしやすく(移行昇華と言います) 他の樹脂とのコーティング(塗布)ラミネート(貼り合せ)で使用する場合は 注意が必要です。
  • ポリエステルでも カチオン染料で染めることができるようにした「カチオン可染」のポリエステルの糸もあります。詳しくは次をクリックで カチオン可染とは
    .
  • また 東レ(株)テイジン(株)(旧帝人)のポリエステル糸やフィルムには「テトロン」と言う商標が付けらています。他社の糸等にこの商標を用いることは 商標権の侵害にあたります。
  • 傘などの生地にも使われますが、ナイロンと比べて粘性が低いので 折りたたみの傘などは 長期間たたんだままにしておきますと 折り目の線がついてしまいます。
    (ナイロンなどに比べて 結晶化度が高いためです)
    .
  • ナイロンアクリルと共に三大合繊と言われます。
  • 風合いを柔らかくする減量加工が 発明された事によって ポリエステル織物の使用範囲は大きく拡がりました。(それまでは、固いので 柔らかいレーヨンと1本交互に配列したりとか 苦労していたみたいです)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。