布生地の名前」カテゴリーアーカイブ

オフ (off) P下 (ピーシタ) プリントシタ


オフは ボイルド・オフ(boiled off 煮立てて仕上げしたもの)の略で、通常の染品と同じ加工をして 染加工だけしてません。布生地の色は 糸の色になります。
(天然繊維では 黄色っぽいですが、合成繊維キュプラなどの再生繊維 アセテートなどの半合成繊維では ほとんど白色です)

似たような布生地にP下があり、プリント下の事で プリントする前の白生地を指します。両者は下記だけが違います。
オフ:帯電防止用などの樹脂がついてます
P下:何もついてません

通常 P下はプリントするのに使われたり、P下から無地染めしたりします。

P下は プリント柄がずれないように プリント台に固定する必要があります。ですので 樹脂などがついていると、うまくくっつかないので 作業に支障がでます。

逆に縫製等するときは、帯電防止剤がついてないと 静電気が発生して作業に支障がでます(まとわりついたり、埃などが吸着したり等。通常売ってませんが、縫製される方はP下を買ってはダメです)。

オフは天然繊維では 生成りと言う場合が多いです。ですが 合成繊維でも天然繊維でも 布生地によっては、オフや生成りと言いながら 実際は染めていたり(アイボリー(象牙)色等)する場合も ありますので、注意が必要です。
(特に ご自身で染められる場合は 要注意です。必ず染めてないものをお選びください)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ギンガム (gingham)


ギンガムとは 先染め糸を組み合わせて チェック(格子)状や ストライプ(経縞)状に織ったコットン(綿)の平織の織物です。

チェックはギンガム・チェック、ストライプはギンガム・ストライプとも言われます。元々は コットン製のものだけを指してましたが、今では 他の素材を用いた短繊維織物でも 同様に作られてます。

有名な裏地のバーバリー・チェックは 一見するとギンガムのようですが、平織ではなく ツイル織組織になってます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

プラッシュとは? plush プラッシュ編(パイル編)


プラッシュとは、経パイル織物(経糸(タテイト)をパイル(輪状)にする)の一種です。パイルをカットして長い毛羽(ケバ)を 表面に出します。

毛羽の長さをいろいろ変えたり、熱と力をかけて 毛を縮ませたり 寝かしたりして、いろいろなものが作られてます。

一般的に毛にはウール(毛)が、地組織(下地)には綿(コットン)が 用いられているようです。(ウールは熱でクセがつきますが、綿はつきにくいです。毛羽には熱でクセのつく繊維、地組織にはつきにく繊維を一般的に用います)

織物でなく 編物(ニット)で同様の事をしたものを プラッシュ編パイル編)と呼びます。

代表的な経パイル織物であるタオルでも パイルをカットして手触りを良くした超高級品もあります。この場合は プラッシュの一種になります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

オジヤとは? オジヤジョーゼット おじやじょうぜっと


経緯楊柳(タテヨコ ヨウリュウ)の事で、下記写真のように 経(タテ)方向と緯(ヨコ)方向に 楊柳シボ(細かいスダレ状シワのようなもの)が格子のように不規則に入ってます。
(下記リンク・クリックで それぞれの商品ページへ 飛べて詳細が見れます)

オジヤジョーゼット:MS9400

オジヤジョーゼット:MS9400

MS9400:オジヤ・ジョーゼット

シャンブレー・オジヤジョーゼット:MS9410

シャンブレー・オジヤジョーゼット:MS9410

MS9410:シャンブレー・オジヤジョーゼット

この布生地は 生地の特性上、カーリング(布端が巻きます)します。カーリングしない布生地には なりませんので ご了承くださいませ。

また 面白いことに、経糸と緯糸の撚方向を変えないと このような綺麗な経緯楊柳には なりません。(ただの ややシワっぽいシフォン・ジョーゼットもどきになってしまいます) この特性を利用して ストライプ状やチェック(格子)状に 模様をつけた布生地も 世の中には存在するようです。

新潟県小千谷(オジヤ)の地名から 来ているのでは?と 思われますが、ネットで調べても わかりませんでした。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ジャガードとは? ジャカードとは 紋織(モンオリ)


経糸(タテイト)と緯糸(ヨコイト)を 組み合わせて、大きな織組織で織った布生地の事です。ネクタイの柄とか 高級ブランドのロゴの入った裏地などは ジャガード紋織 ジャガードの柄を作る厚紙に穴の空いたものを 紋紙と言います)で織られてます。

通常 サテンツイル 梨地等を織るドビー柄などでは 同じパターンでない限り(織柄のストライプとかチェック等)、数ミリの大きさの柄しかできません。ジャガードなら 数センチ~10センチ程度の大きさの柄が 作成可能です。

ですが、ジャガード織機の個々に経糸のパターン本数は 決まっていて(変えると 十数万円程度以上かかります) それほど自由に柄が 設定できるわけでは ありません。

また 生産設備も生産量も 非常に少なく、柄を作るのにも 相当金額がかかり、オリジナルの柄を作る事は 余程発注ロットが大きくない(長さ46mの反物で 数十反程度)と 無理だと思います。(不可能ではないですが、かかった金額を 生産反数で割ることになり 非常に割高になります。また完全受注生産です)

ですから 気に入ったジャガード布生地を見つけられたら その場でゲットされる事をお奨めいたします。たぶん もう二度と会えません。(プリント布生地も一期一会になる可能性が高いですが、ジャガード布生地は もっと高いと思います)

一般には、ジャガードで、通っているようですが、フランスの、ジャカールさんが作ったので、「ジャカード」 ( ガと濁らない )  が本来の呼び名のようです。ほとんど ジャガードと濁って呼ばれますが。

日本では、京都府から、フランスのリヨンに、ジャカード織り機の学生として派遣された
「 近藤徳太郎 」先生のお話は、宝塚歌劇にもなったそうです。

大変申しわけございませんが、弊生地屋では ジャガードの布生地の取り扱いは ございません。

(余談ですが、上記の紋紙が元になって 昔のコンピュータのパンチカードが考えられたのだそうです。もうパンチカードを使っていた人達も ほとんどの人は第一線から引退していると思いますが。わたしも 実際にパンチカードを見ましたが、使った事はありません。

今から考えると信じられない事ですが、プログラムやデータをパンチカードに打ち込んで(一文字一枚のパンチカード) 読み取り機械にかけ コンピュータを動かしたとか。一箇所でも打ち間違えていると エラーが出て、パンチカードを持って帰って 修正箇所を打ち直したそうです。
ちょっとしたプログラムでも 大変な紙の量になってました(1m角の机の上一面に パンチカードが20cmくらいの高さで 山積みとか)。

そのパンチカードの束のしごき方(読み取り機で重送りしないように しごいたそうです)で どのくらいコンピュータに精通しているかどうか わかったとそうです。今から考えると 随分原始的なやり方ですよね。

パンチカードと同時期くらいの入力装置に 紙テープなんてのもあったそうで、その当時のSFなどで 紙テープを読み取り機械を通さずに 内容を読んでいるコンピュータの専門技術者みたいな人が出て来ました。
きっと わたしのような昔のマイコン少年が 機械語の符号(例:「3F:停止」)を暗記しているような感じだったのでしょうね! ハンド・アッセンブルと言って アセンブラ言語で書いたプログラムを 人が機械語に翻訳して マイコンに入力してました! 今から考えると 本当に原始的です)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ナイロン・タフタとは?


ナイロンの糸で織った タフタの事です。(それぞれの 言葉の意味は、それぞれの単語をクリックすると 意味を参照できます) 平織りで薄く 平滑で適度な光沢があります。

雨カッパや ウィンドブレーカ 傘などの布生地になってます。

以前は 大量に作られてましたが、だんだんポリエステル・タフタに置き換えられていきました。ポリエステルの方が 価格が安い事と、ナイロンは他の揮発成分を吸着しやすく 淡色は黄変(黄色く変色)するためです。濃色は黄変しても わかりにくいだけです。

(ダンボール箱に入れておいて ダンボール紙の「リグニン」を吸着して黄変する事もあります。中~濃色はナイロン製 薄い淡色はポリエステル製と言う事もあるそうです)

ただ ポリエステルは分散染料で染めるのですが、それが コーティング剤(防水性能とか 機能を付加するために 表面に塗る薬剤)とか ラミネート・フィルムやラバー(やはり 機能を付加するために 張り合わせるもの)に 色移り(移行昇華)するために、酸性染料などで染めたナイロン・タフタが用いられる事が多いです。

(近年は 分散染料を色移りさせない技術も かなり進んできて、ポリエステル製に置き換えられている部分もあるようです)

傘用途は、折畳式の傘など 長期間折り畳んでおくものは、ポリエステル製の布だと 折り目がついてしまうので、折目のつきにくい ナイロン製が多く使われています。(ナイロンの方が 結晶性が低く 柔らかいためです)

また ポリエステルよりは柔らかいので 耐衝撃性が高く、簡単に引き裂けては困る用途に 使われる事もあります。

生地屋では ナイロン・タフタの取扱はございません、大変申しわけございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

オーガンジーとは? (organdy)


  • 元々 シルク(絹)で精練(練り)(お湯で煮て シルクの表面のセリシンを落として、フィイブロインだけにする工程。風合いがとっても柔らかくなり 絹鳴りがするようになる)を  しないで仕上げた織物の事を指していたのです。
    (セリシンが少し取れている状態。目が粗く透けていて 硬いです)
  • それが もうほとんど本物のオーガンジーは 見られなくなり、下記のようにポリエステルで作られた織物を オーガンジーと言うようになりました。
    (余談ですが、精練してない絹糸は 釣り糸のテグスのように硬いです。弊店のオーガンジーもテグスのような糸で作られてます)
生地屋のオーガンジー

生地屋のオーガンジー

20/40オーガンジー:MR2040

  • 絹のオーガンジーに似ていて 透けていて硬いです。シワにもなりやすく、折ると折り目がつきます。
  • ウエディング・ドレスや パーティ・ドレス、衣裳などに 飾りなどでよく使われます。
  • 透けていて シワになりにくく柔らかい素材が 必要な場合は、透け感は落ちますが、下記がお奨めです。
繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼット:MS7400

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

擬紗とは? (ギシャ ぎしゃ) メッシュとは


紗(シャ)をまねた織物で、メッシュとも言われます。本物の紗は 下記拡大写真のように 搦織(カラミオリ 絡み織)と言う 経糸を捻って織っていくものです。(写真は 静岡濾布と言う会社のサイトから とって来てます)

紗

特殊な機械(織機)か 特殊な器具が必要な上に、上記のように空間が多いため 主に盛夏用にしか使用されなません。需要期間が極端に短くなり、作れる会社があまりありません。また非常に高価になってます。

それで 下記の例ように 紗をまねた織物が開発されました。こちらは 普通のドビー織機で織ることができて 紗より大幅に安価です。ただし 本物の紗のように 目を粗くする事が困難です。
(拡大写真クリックで 各布生地の商品ページへ飛べて 詳細が見れます)

擬紗 シワ・メッシュ MS5000

擬紗 シワ・メッシュ MS5000

擬紗 T&Tメッシュ MS5020

擬紗 T&Tメッシュ MS5020

 T&Tメッシュ:MS5020

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ミカド・サテンとは?


  • ミカド・サテンの ミカドは「帝」を表し天皇を指しています。
  • 元々は シルク100%の分厚い最高級サテンを指していたようですが、今ではポリエステル製の合成繊維(合繊)のものが 多く用いられているようです。(ただ あまり一般には売られてないようです)
  • いろいろ捜しても どうしても見つからない場合は、生地屋の下記サテン・クレープを 2枚使ったり、裏に芯地を貼ったりすれば 代用できると思います。光沢も綺麗ですし、シワになりにくく家庭で水洗濯できますので 便利です。
  • 手触りも本物のシルクとあまり変わりません。(手触りだけなら サテン・クレープの方がいいと思います)
しわになりにくいサテン・クレープ

しわになりにくいサテン・クレープ

サテン・クレープ:MB8410

  • 個人的な意見になりますが、シルクのものは あまりお奨めできません
    1)シルクのミカド・サテンは非常に高価ですが、後々のケアが大変です。環境に優しくないドライ・クリーニングしかできせんし、防虫剤をしっかり管理しないとすぐに 虫に食われて穴が空きます。
    2)「シルク=高級」と言うイメージが 安物の中国産製品で崩れてしまって(シルク100%で数千円のバジャマや 一万円くらいのジャンパー等)、一流デザイナーさんも 最近ではあまり使用しなくなってます。(環境に優しくないと言うのも 大ききと思います)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

縮緬とは? (チリメン ちりめん)


  • 経糸(タテイト)に撚りのかかっていない無撚糸の生糸(ナマイト)を、緯糸(ヨコイト)に 2,000~3,000回/mの強い撚りのかかった糸(強撚糸)を入れて織物を作ります。
  • それを 染め加工前に高温で揉んで(精練) 撚りを戻し、下記の写真のように表面に凹凸(シボ)を出した織物の事です。
縮緬の表面の凹凸(シボ)

縮緬の表面の凹凸(シボ)

いろいろな種類がありますが、代表的なものの例としては 弊店の下記二越縮緬(ポリエステル 全75色)です。(二越とは 右撚りと左撚りの糸を 2本ずつ交互入れたものです。1本ずつ交互入れた一越と言うのももあります)

ポリエステル二越縮緬(チリメン)

ポリエステル二越縮緬(チリメン)

ポリエステル二越縮緬

他にも ジョーゼット風に、経糸も強撚糸にした チリメン・ジョーゼット(縮緬ジョーゼット ポリエステル製)と言うのもあります。

色が深くて綺麗な縮緬ジョーゼット

色が深くて綺麗な縮緬ジョーゼット

チリメン・ジョーゼット(縮緬ジョーゼット 厚手 全17色):MB6120

チリメン・ジョーゼット(縮緬ジョーゼット 厚手 濃染ブラックのみ):MM1402C
チリメン・ジョーゼット(縮緬ジョーゼット 薄手 濃染ブラックのみ):MM1832

他にレーヨン製のものもありますが、レーヨンのものは 一般に家庭水洗濯できません。衣裳等 洗うものを作るのには不向きだと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。