柄物」タグアーカイブ

グログランとは(grosgrain 仏語)


グログランとは、固く密に織られた緯畝(ヨコウネ)のある織物です。通常は

を打ち込んで作ります。元々 絹織物から来ましたが、人絹(ジンケン) 綿(コットン) 毛(ウール)でも 同様の作り方で作られてます。

下記の写真のように 緯に細かい線が見えます。(この写真は繊維業界検索なびより 拝借してます)。ファイユグログランオットマンの順に緯畝(ヨコウネ 緯の線の事)の巾が広くなります。

(ファイユは緯畝のピッチは目安0.5mm以下程度です。あくまでもアバウトな目安ですが、グログランは1mm程度 2mmを越えるようになると オットマンと呼ぶようです)

グログラン  grosgrain

グログラン grosgrain

写真のように経糸が密で、太い緯糸がそれに包まれてほとんど見えなくなってます。固く密に織られているので 通常ドレープ性はほとんどありません。

名前の由来は、フランス語の gros (大きい 太い)、 grain (穀粒)から来ています。ネクタイやリボン等に 多く用いられます。

大変申しわけございませんが、弊生地屋での取り扱いは ございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

バーズアイ (bird’s eys) 鳥目織(トリメオリ)


バーズアイとは 鳥目織とも言われ、下記写真のように 小さな鳥の目のような柄の事です。

本来は 白目の中に瞳にあたる黒い点があるものを指しますが、下記のようになくても バーズアイと言われる事が多いです。婦人服ではあまり用いられず 紳士服等でよく使われます。

バーズアイ(鳥目織)

バーズアイ(鳥目織)

(写真は オーダースーツコンシェルジュ 松はじめさんの サイトより写真のごく一部を拝借してます)

先染めの二重織で 織柄で作る事が多いです。(二重織でなくても作成可能ですが、主用途が紳士のスーツ等なので 生地厚が必要な為と思われます)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ドビー (dobby) ドビー素材 ドビー織 ドビー柄


ドビー素材とは ドビー織(柄)とも言われ、経糸(タテイト)を1回おきに交互に 上げ下げしないで織る織組織の布生地の事です。代表的な織組織に サテンツイル 梨地等があります。

(梨地を平織と 勘違いされてる問屋や小売店さんの方も いらっしゃいますが、平織で梨地は作れません。またドビーを織る機械(織機)で 平織は可能ですが、平織用の機械でドビー織はできません)

数ミリ程度の小さな柄とか 同じパターンの繰り返し(織柄で作る ストライプとかチェック)なら 可能ですが、大きな柄はできません。ネクタイやブランド・ロゴに使われるような大きな柄は ジャガードで作ります。

昼夜サテンやサテン・ストライプ・ジョーゼット(サテンとジョーゼット部分が 経ストライプになっている)などは ドビー柄の特徴的な布生地です。

(経糸を吊り下げる枠(ソーコーと言います)を ワイヤーで吊り下げている通常のドビー織機と、カムで枠を上げ下げするカム・ドビー織機と 呼ばれる2種類があります。
カム・ドビー機は高速で動かす事ができて 生産性は高いですが、柄や経糸本数の制限があります)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

オパール加工とは? おぱうるかこう (opal finish)


オパール加工とは、透ける部分と 透けない部分のプリント模様を つけた布生地の事を指します。作り方は、

  1. 酸に弱いセルロース系の繊維(コットン(綿)、レーヨンキュプラベンベルグ)等)と、耐酸性のある繊維(シルク(絹)、ナイロンポリエステル等)を、合撚(ゴウネン 2種類以上の糸を 一緒に撚糸すること) 混紡 カバーリング 交織など 何らかの方法で混ぜ合わせて布生地を作ります。
    .
  2. 溶かしたくない模様を、抜染(バッセン)の方法で 糊をつけてそこに 酸が浸み込まないようします。それを 硫酸や硫酸アルミなどの酸に漬けます。
    .
  3. そうすると 酸に弱いセルロース系の繊維は 炭化して抜け落ちてしまいます。それで そこが透ける模様になるのです。

ベルベット(ビロード)などで、地生地は ポリエステルを用いて 毛の部分にレーヨンを使って 部分的に 毛を抜け落ちさせて、模様にしたような布生地もあります。

フロッキー加工電着加工)のプリント加工の布生地と、間違えやすいので 注意してくださいませ。見分け方は 透ける部分と透けない部分の境目が 炭化していればオパール加工、きれいに毛全体が残っていれば フロッキー加工です)

抜け落ちた部分の強度は 当然弱くなるので、デザイン的に工夫するか、あらかじめ布生地設計の段階で 考慮して作る必要があります。

合成繊維シボ織物を利用して、シボ立て工程の前に 生地に模様状の熱をかけて シボが立たないようにして オパール加工のような感じにした オプアート加工と言う加工も ウラセ株式会社でやられてました。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ジャガードとは? ジャカードとは 紋織(モンオリ)


経糸(タテイト)と緯糸(ヨコイト)を 組み合わせて、大きな織組織で織った布生地の事です。ネクタイの柄とか 高級ブランドのロゴの入った裏地などは ジャガード紋織 ジャガードの柄を作る厚紙に穴の空いたものを 紋紙と言います)で織られてます。

通常 サテンツイル 梨地等を織るドビー柄などでは 同じパターンでない限り(織柄のストライプとかチェック等)、数ミリの大きさの柄しかできません。ジャガードなら 数センチ~10センチ程度の大きさの柄が 作成可能です。

ですが、ジャガード織機の個々に経糸のパターン本数は 決まっていて(変えると 十数万円程度以上かかります) それほど自由に柄が 設定できるわけでは ありません。

また 生産設備も生産量も 非常に少なく、柄を作るのにも 相当金額がかかり、オリジナルの柄を作る事は 余程発注ロットが大きくない(長さ46mの反物で 数十反程度)と 無理だと思います。(不可能ではないですが、かかった金額を 生産反数で割ることになり 非常に割高になります。また完全受注生産です)

ですから 気に入ったジャガード布生地を見つけられたら その場でゲットされる事をお奨めいたします。たぶん もう二度と会えません。(プリント布生地も一期一会になる可能性が高いですが、ジャガード布生地は もっと高いと思います)

一般には、ジャガードで、通っているようですが、フランスの、ジャカールさんが作ったので、「ジャカード」 ( ガと濁らない )  が本来の呼び名のようです。ほとんど ジャガードと濁って呼ばれますが。

日本では、京都府から、フランスのリヨンに、ジャカード織り機の学生として派遣された
「 近藤徳太郎 」先生のお話は、宝塚歌劇にもなったそうです。

大変申しわけございませんが、弊生地屋では ジャガードの布生地の取り扱いは ございません。

(余談ですが、上記の紋紙が元になって 昔のコンピュータのパンチカードが考えられたのだそうです。もうパンチカードを使っていた人達も ほとんどの人は第一線から引退していると思いますが。わたしも 実際にパンチカードを見ましたが、使った事はありません。

今から考えると信じられない事ですが、プログラムやデータをパンチカードに打ち込んで(一文字一枚のパンチカード) 読み取り機械にかけ コンピュータを動かしたとか。一箇所でも打ち間違えていると エラーが出て、パンチカードを持って帰って 修正箇所を打ち直したそうです。
ちょっとしたプログラムでも 大変な紙の量になってました(1m角の机の上一面に パンチカードが20cmくらいの高さで 山積みとか)。

そのパンチカードの束のしごき方(読み取り機で重送りしないように しごいたそうです)で どのくらいコンピュータに精通しているかどうか わかったとそうです。今から考えると 随分原始的なやり方ですよね。

パンチカードと同時期くらいの入力装置に 紙テープなんてのもあったそうで、その当時のSFなどで 紙テープを読み取り機械を通さずに 内容を読んでいるコンピュータの専門技術者みたいな人が出て来ました。
きっと わたしのような昔のマイコン少年が 機械語の符号(例:「3F:停止」)を暗記しているような感じだったのでしょうね! ハンド・アッセンブルと言って アセンブラ言語で書いたプログラムを 人が機械語に翻訳して マイコンに入力してました! 今から考えると 本当に原始的です)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

布生地とは一期一会 洋服も一期一会


よくお問合せがあるのですが、

  • 気に入っているので、この布生地と同じものを 捜して欲しい。
  • 10年来着ている お気に入りの洋服があるので、これと同じ布生地を捜して欲しい。

お気持ちは 良くわかりますし、長く着られたお洋服は 本当に幸せ者だと思います。

ですが、布生地は 特に婦人服は、その洋服のだけために 受注生産されたものが
大変多く、同じものが見つかる可能性は ほとんどないと言っていいと思います。
少し似たものでさえ 見つけることが大変困難です。

特にジャガードなどの織柄 プリントなどの図柄は、見つけた時が一期一会です。
もう二度と 会うことはないと思います。特に気に入ったものは 見つけた時に入手される
事を強くお奨めいたします。

洋服も同じでして、アパレル・メーカーさんは シーズン毎(年間6~8回程度?)に 素材
やデザインを変えます。洋服小売店さんも よほど大きなお店でない限り 各サイズごとに
1つのデザインしか置いてません。

ですので、一着目を買われて 非常に気に入られ長く着るおつもりでしたら すぐに
2着目を
取り寄せてもらう事をお奨めいたします。シーズンが終われば アパレル・
メーカーさんは 処分売りするか、高級なブランドでは 大変もったいないですが、
廃棄処分してしまいます。
(遅いと 取り寄せても完売でもうない場合もあります。人気商品ほど そうです)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

キャラクター(ミッキーやキティ等)柄の布生地ありませんか?


よく生地屋へお問合せがあるのですが、

  • ミッキーやアンパンマン等のキャラクター柄の布生地ありませんか?

まず 世の中にありません。ディズニーなどのそれぞれの キャラクターを所有している会社が版権を持ってます。それらの会社に無断で作る事は できませんし、当然類似していてもダメです。

布生地として 売っている事は、わたしは見たことがありませんし 考えにくいです。
(製品として売った方が 利幅が大きいですし、布生地で売れば 類似品が出回る事になってしまいます)

ですので 生地屋も販売してません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

衣装や洋服のカッコいいプリント又は柄の布生地ありませんか?


よく生地屋へお問合せがあるのですが、

  1. アパレル(企画製造元)さんが作った製品のプリント柄がカッコいいので 同じ柄か似たようなものがありませんか?
  2. 衣装を直したいのですが、同じ柄か似たような柄は?
  3. ブランド物の柄(例:バーバリー ヒステリックミニ等)の 柄と同じ生地は? ミッキーやキティなどの キャラクター柄は?

大変申しわけないのですが、世の中にまず ありません。1.と2.の場合 柄が勝負ですので、市販されているプリント布生地を使うことは ほとんどありません。

(絶対にないとは 言い切れませんが、生地屋に売っているような無難な柄では アパレルさんが付加価値を上げるような製品を作る事は、大変困難です。また もし沢山売れた時には、類似品が多数出回る事になります)

3.の場合も ブランドさんやキャラクター会社が版権を持っています。そこの承諾なしに 作る事はできません。もし 見つかれば当然 販売差し止めの警告、従わなければ損害賠償を訴えられます。類似していても ダメです。

アパレルさんは プリント問屋さんが提案する柄から、厳選して数量(通常数反から数十反)を決め発注します。
(プリント問屋さんは、プリント柄の版権を プリント柄企画会社から提案された膨大な柄の中から厳選して買っています。あの柄がいいからと 勝手に他社のを真似もできないのです)

プリント問屋さんは その数量だけ受注生産します。その柄を 他に販売することも 通常まずありません。柄は印象に残るので 他で売っていれば すぐにわかってしまいます。当然苦情も来て次の仕事を失う事になるからです。

(生地屋さんなどの)市販品で売っているものは 花柄とかアニマル柄など 版権のからみそうにない 無難な柄ばかりになってます。非常に多種多様(プリント物の定番中の定番と言われる 水玉だけでも 大きさや色の組合せは それこそ星の数ほどあります)で 気に入られた柄は その場で買っておかないと 一期一会になります。

弊店は ポリエステル(合成繊維)製の 無地生地のみの取り扱いになってます。詳しくは下記を参照してくださいませ。
プリント布生地(柄物)は 売ってないの?

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。