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七色?虹色に光沢を帯びる布地を探しています。玉虫色で宜しいでしょうか?


Q. はじめての注文で、布地の名称がわかりません。ブルー系の薄目のジョーゼットで 七色?虹色に光沢を帯びる布地を探しています。玉虫色で宜しいでしょうか?

A.七色になる生地は プリントです。大変申しわけございませんが、弊店では 取扱いがございません。(無地生地のみの 取扱いです)

「グラディエーション 布 通販」

等 キーワードの組み合わせで 検索されると、いくつか出てくると思います。老婆心からですが、一部の商品は 布質は良くないと 聞いております。(伝線しやすく ミシンで縫うと グチャグチャになりやすい。布生地が高価になるのを避ける為に 安いジョーゼット等を使用していると 思われます)

布生地で玉虫と 言いますと、多くの場合 2色の濃淡に見える生地の事を指します。弊店では 下記がそれに当たります。

シャンブレーとは(玉虫とは)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

中形染とは(チュウガタゾメ) 中型染とは 中形


中形染とは(中型染とも書く)、元々中型紙(鯨尺3寸7分~7寸5分 1鯨尺=3.785cm、大型紙 小型紙の比較から中型と言われた)によって染めた柄の名称ですが、現在は型紙の大きさに 関係なくなっています。

おもに夏用の木綿ゆかたに用いられたので、ゆかたの別名ともなりました。染め方は 下記(株)竺仙さんの説明が分かり易いです。
長板中形(ナガイタチュウケイ)

染法は長板(捺染板,約9m)に敷きのり(糊)をして生地をはりつけ、型紙を置いて防染のりをおき、表型付が終わると生地をはがし、長板の反対面に裏返し てはり、型紙を裏返して裏型付を行います。型付を終わって乾燥した生地に豆汁(ごじる 大豆をすりつぶした乳白色の液)を引き、藍瓶(あいがめ)に数回つけ て染め上げます。(ここでは 藍染を例に挙げてますが、他の染料でも可)

大変面倒ですが、両側から 防染の糊付けを行わないと、柄がくっきり出なかったり 表裏が出来たりします。また 型紙の表裏を 張り替えるときに、柄がずれると 不鮮明な柄になったりします。

絵画的な図柄が多く、地染に模様を白く染め抜いたものと、地白に色模様を染め出したものの2種があります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

注染とは(チュウセン) 板締め防染とは(イタジメボウセン)


注染とは、型紙を用いて防染糊(のり)をつけた布を重ね、染料を注いで下から吸い取って染める技法です。染める部分に土手を作り、その土手の内側に染料を注いで布を染めます。そのため 次の様な利点があります。

  • 一度に多色を使って染めることができる
  • 染料は布の下側に抜けるため、布の芯まで染まり、裏表なく柄が鮮やかで色褪せしにくいことが特徴

防染(ボウセン)方法の一つです。主に、手ぬぐいや浴衣などを染めるのに使われます。「注いで染める」ので、注染と言われるようです。

JIKAN STYLEさんの 下記の動画がわかりやすいです。

板締め防染とは、注染の一種で 凹凸が合うように模様を彫った2枚の板の間に 織物を挟みこみ、強く締め付けて 染料を注ぎ込みます。凸の部分には 染料が入らず、凹の部分だけ染まります。下記のページがわかりやすいです。

板締め絞り

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

解し織りとは(ホグシオリ) 経糸捺染とは(タテイトナセン ワープ・プリント warp print) 経絣(タテカスリ) 再織り(サイオリ)


解し織りとは、経糸捺染(タテイトナセン)とも言い、絣(カスリ 経絣(タテカスリ))の一種です。経糸の模様が 細かくかすれて上品な感じになります。次のようにして 作ります。

  1. 経糸に捺染するために、ごく粗い間隔で 緯糸を織り込みます(経糸がバラバラにならない程度に。仮織(カリオリ)とも言います)。
  2. これに 模様を捺染(プリント)します。
  3. 再び織機にかけ、仮織した緯糸を抜きながら 正規の緯糸を正規の密度で、打ち込んで織り上げます。

3.のように 再び織るので、再織りとも 言います。写真付きの 工程が下記にあります。
ほぐし織りの工程

有名な銘仙(メイセン)に この方法が良く使われてます。下記写真は 「足利銘仙プロジェクト」より 拝借しています。

銘仙の布生地

銘仙の布生地

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

防染とは(ボウセン) 白色防染 着色防染


防染とは、布生地に染料が染めつかないようにすることです。糊等(防染剤)を使って 初めから染まらない部分を作って、反染め(通常の染加工)したり 捺染(プリント)したりします。

防染の染方法には、大別して下記のような方法があります。

  1. 白色防染(白色抜染):模様が白く(通常オフ)残る染加工方法です。防染剤をプリントして、染料が染み込まないようにしてから全体を染ます。その後 防染剤を洗い落とすと、そこだけ 染まらないで白い柄になります。
    .
  2. 着色防染(着色抜染):模様が他の色に染まる染加工方法です。防染剤に染料を染み込ませて プリントし、全体を他の色で染めます。その後 防染剤を洗い落とすと、2色の柄になります。

防染剤(方法)の種類としては、下記のようなものがある。

  • 糊防染(ノリボウセン 友禅染や中形に用いられます)
  • ろうけつ染(ロウ(蝋)を使う)
  • 絞り染め(防染剤をつけた糸等でくくったりして 染料が染み込まないようにする)
  • 注染(チュウセン)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

絣とは (カスリ) イカットとは (ikat)


とは、部分的に染め分けた糸(絣糸、多くの場合 縛ったりして防染し班に染める)で 織った織物の総称です。ところどころ かすったような模様が見られるので、絣(カスリ)と 呼ばれます。

これに類した織技は 東南アジアをはじめ世界各地にみられ、マレー語で「縛る、括る」を意味する「イカット」(ikat)で呼ばれています。非常に多種多様な種類があります。

絣織物の一部の例(写真)は 下記にまとめられてます。下記写真は ここから 拝借してます。
さく楽日記 絣

絣の例

絣の例

絣糸を経糸に使用するものを 経絣(タテカスリ)、緯糸に用いたものを 緯絣(コカカスリ)、両方に使用したものを経緯絣(タテヨコカスリ)と呼びます。

国内には、
柄により、十字絣(ジュウジカスリ) 井桁絣(イゲタカスリ)、亀甲絣(キッコウカスリ)などがあります。
産地により、久留米絣(クルメカスリ) 伊予絣(イヨカスリ) 備後絣(ビンゴカスリ)などがあります。
製法により、締切絣(シメキリカスリ) 織締絣(オリシメカスリ) 板締絣(イタシメカスリ) 摺込絣(スルコミカスリ) 経糸捺染(タテイトナセン)
などが あります。

絣は現在でも日本各地で織られていて、洋服・ネクタイ・鞄・壁掛けなどの装飾やその他小物などにも利用されています。しかし、生産に手間がかかるため割高であるにもかかわらず、もともと普段着(大島紬のように。ただ大島紬は もう高級品になってます)の素材のため高級品とは見なされず、需要は伸びていないそうです。いずれも少数の織元が細々と生産するにとどまっているそうです。

糸を防染して班に染めるやり方は 下記にあります。
絣(かすり) 西陣織

発祥の地は インドと言われています。タイ カンボジア インドネシア ベトナムを経て 琉球(沖縄)経由で、日本に伝わったようです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

レースとは (lace)


レースとは、一般に隙間が多く それで模様を表した布生地の事です。(模様のない 亀甲目の網地のプレーン・ネットもレースと 呼ばれます)

種類は非常に多く、下記のようなもの等が あります。

  • リバー・レース
  • エンブロイダリー・レース(刺繍レース)
  • ラッセル・レース
  • トーション・レース
  • レーシー・ニット(編レース 各種のニット機で編まれた透かし穴のある模様編地)

上記のレースの写真が ルシアンさんのサイトにあります。
レースの種類

レースの歴史も ルシアンさんのサイトが詳しいです。
レースの歴史

もっと詳しくは ウィキペディアがいいです。
レース(手芸)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

風通織とは(フウツウオリ) 風通


風通織とは 風通とも言い、二重織の一種で 小さな袋状の模様が現れる織物です。中に風が通ると意味から風通と名づけられたと言われています。

表側の経糸・緯糸と 裏側の経糸・緯糸に それぞれ違う色を使い、緯糸を変えたりする組み合わせで多色の風通(三色風通 四色風通等)ができます。下記のようです。
(裏では 対の配色の同じ模様が 現れます)

風通織物例

風通織物例

(上記画像は 「着物が着たくなったら、着物用語集」さんより 転載しております)

この布生地を織るジャガード織機自体が 数が非常に少なく、また 多種多様な柄がいくらでも作れる事から(完全受注生産 自由度がありすぎるので逆に定番品がない) 風通織の布生地は非常に高価で貴重なものと思われます。

(cf. 布生地とは一期一会 )

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

枡見本とは(マスミホン)


枡見本とは、先染め織物やプリント布生地において 配色を変えた見本布生地の事です。通常 量産する前に 枡見本を作製して、発注者に了解をもらって本生産に入ります。数種から数十種類の配色見本を作ります。

先染め織物では、経方向(タテホウコウ)と 緯方向(ヨコホウコウ)に 数配色ずつの色の組み合わせを取ります。出来上がった織物は、枡状に配色見本ができるので この名前があります。

プリント布生地の場合は、1つの柄で 配色をいろいろ変えた見本を作ります。手捺染(テナッセン テナセン、ハンド・プリントの事)の場合は やはり枡状に配色見本ができます。
(ローラー捺染の場合は ストライプ状になります)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

オットマンとは(Ottoman)


オットマンとは、緯(ヨコ)に太い畝のある厚手の織物の事です。

  • 経(タテ)に光沢のある細番手の糸を密に
  • 緯(ヨコ)に太い糸を 一経糸開口(一ひぐち)に2本以上打ち込んで織る(通常ドビーでないと 織れません(注)

横に畝のある織物の中ではもっとも畝が大きく、はっきりと出ています。ファイユグログランオットマンの順に緯畝(ヨコウネ 緯の線の事)の巾が広くなります。

(ファイユは緯畝のピッチは目安0.5mm以下程度です。あくまでもアバウトな目安ですが、グログランは1mm程度 2mmを越えるようになると オットマンと呼ぶようです)

シルク(絹) コットン(綿) ウール(毛) ポリエステルなど いろいろな素材から作られてます。厚く堅い布生地でコート、スーツ、ジャケットなどに使われます。

下記生地写真は 「ニット生地屋」さんから 一部を拝借しています。(かなり探したのですが、使えそうな写真は ありませんでした。全体写真でなく 一部だけしか使ってませんし、リンクもしています)

オットマン ottoman

オットマン ottoman

経糸が密で、太い緯糸数本がそれに包まれてほとんど見えなくなってます。固く密に織られているので ドレープ性はほとんどありません。

(注:一ひぐちに2本くらいまでなら ドビーでなくても、一回に2本の緯糸を引っ張る 特殊なレピア織機で織ることも可能です)

Ottoman は 中世にヨーロッパの諸国をふるえあがらせたオスマン帝国の英語名です。オットマンはそのカナ読みです。オスマン帝国内で 最初は作られたのかも知れません。

大変申しわけございませんが、弊生地屋での取り扱いは ございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。