ベンベルグとは(Bemberg)


ベンベルグとは 旭化成せんい(株)キュプラ繊維(銅アンモニア・レーヨン 再生繊維)の商標です。

通常のレーヨン(ビスコース・レーヨン)よりも 弾力性があり シワになりにくいです(レーヨンとの比較で、ポリエステル等よりは シワになりやすい)。

キュプラ繊維は 世界で旭化成せんい(株)しか生産しておらず、裏地のトップ・ブランドと言ってもよく 再生繊維なので 静電気も発生しにくいです。一流デザイナーさんや アパレルのデザイナーさんにも根強いファンが多いです。

衣料用以外にも ガーゼやフェイス・マスク等の衛生用品をはじめいろいろな分野で 不織布等が使われています。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

加工糸織物とは(textured cloth カコウシオリモノ)


加工糸織物とは 加工糸(いろいろな意匠糸もその一種)で作られた織物の総称の筈ですが、織物業界では ポリエステル 長繊維仮撚加工糸で作られた織物の事を指します。それ以外のものを 加工糸織物と言う事は ほとんどありません。

糸が嵩高(カサダカ ふくらむ事)になり ポンジーウーリー(加工糸)・ツイルなど 天然繊維の短繊維織物であるコットン(綿)やウール(毛)に 似た外観や手触りになり、汎用性が増し非常に幅広い分野に使われてます。

婦人・紳士服のポリエステル中肉・厚地織物は 複合仮撚糸(2種類以上の性質の違う糸を 仮撚加工する)の新合繊を含め ほとんど加工糸織物と言っても過言ではありません。

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フェルトとは(felt) 織フェルト


フェルトとは、ウール(毛)などの動物繊維の糸くずを 集めて縮充させシート状にしたものです。不織布の一種ですが、強度や摩擦力が要求される用途には 紡毛織物を縮充・起毛して作った織フェルト(これに対して 通常のフェルトは 圧縮フェルトと呼ばれる事もあります)が用いられたりします。

保温力 衝撃の緩和 音の吸収などに優れ、そのような機能が必要な用途に用いられます。他にも、敷物 スリッパ 手工芸品などにも 幅広く用いられてます。ピアノのハンマーのカバーも フェルトです。

遊牧民族のテント(ゲル)や敷物は フェルトで作られているものも多く 住の部分を担う大切な技術であり 製品でした。

フェルトの語源は下記からきていると 言われてます。
フィルト(filt):こす
フィルター(filter):こすもの

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エステル縮合とは(ester condensation)


エステル縮合とは、一般的な定義は ちょっとややこしいです。ポリエステル(PET)の場合は、

  • テレフタル酸 COOH-C6H6-COOH (CH6CH6は俗に言う亀の子のベンゼン環です)
  • エチレン・グリコール OH-CH2-CH2-OH (飲むアルコールのエタノール(CH3-CH2-OH)とは ちょっと違うだけですが、エチレン・グリコールは有毒です。車の不凍液等に使われます)

が 重合して、H2O(つまり水)が取れ、
(-COO-C6H6-COO-CH2-CH2-)n
になる反応の事です。水分子がとれて縮んだようになるので 縮合と言います。

(一般的な定義に ご興味のある方は 次を参照してくださいませ。
エステル(ester)は、有機酸または無機酸のオキソ酸と アルコールまたはフェノールの・・・ )

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

 

ピケとは ピッケとは (pique)


ピケとは(又はピッケ)、下の写真のように 経畝(タテウネ)になった織組織です。

ピケ(繊維業界検索なびより)

ピケ(繊維業界検索なびより)

(写真は 繊維業界検索なびより 引用させていただいてます)

畝の細いものを ピンホール・ビケ(pinwale pique)、太いものを ワイド・ピケ(wide-wale pique)とも呼んでいます。(通常 緯二重織の織組織で作ります)

また このふくらみが細長い菱形とか (経方向だけでなく)柄状になったものを 紋ピケジャガード織)と呼びます。

英語表記が”pique”であることからも「ピケ」が 正しいカタカナ表記だと思われます。

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双糸とは(ソウシ)


双糸とは、2本の糸を撚り合わせた糸で 太さは倍くらいになり、1本の糸(単糸)よりも 太さが均一な糸になります。3本以上 4本とか合わせる場合もあります。
(単糸には太さムラがありますが、2本合わさると 1本よりは打ち消しあって やや均一になります。統計学的に 合わせる本数が多いほど均一になります)

双糸は撚り合わせるので 糸にコシもでます。ですから 表面の平滑な短繊維 織物のシャツ地等には 双糸が使われている事が多いです。

強さも 2本だから2倍のはずなのですが、2.5~3倍になります。糸は一番弱い部分から切れるのですが、その部分がもう片方の糸で補強されるので 2倍以上になるのです。

20番手単糸の双糸は 「20/2」(太さはおおよそ10番手)のように記述される事もあります。

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デニムとは(denim)


デニムとは、経糸に綿(コットン)の20番手 双糸(太さはおおよそ10番手になります)、緯糸未晒糸(ミザラシ 漂白してない糸)の経糸よりも細めの綿糸を入れて 綾織(ツイル)に織った織物の総称です。

厚手のごわごわした生地が多いです。同じ綾織で やや薄めの生地を葛城と言う事もあります。厚さは 1平方ヤード(0.84㎡)の重さオンス(OZ   1OZ=28.3g弱)で表されます。

経糸を紺色に染めた糸を 用いたものが代表的で、ジーンズ(ボトム)や鞄などに使用されてます。最近はジーンズの事を デニムと言う事も多くなってます。経糸が太く表に沢山出ているので 紺色っぽく見えます。通常ジーンズには 14OZ前後の厚さの布生地が使用されてます。

デニムの語源は フランス語のセルジュ・ドゥ・ニーム(serge de Nimes ニーム産のサージ生地)だと言われてます。

(余談ですが、エドウィンビッグジョンも アメリカのブランドみたいですが(わたしも以前は そう思ってました)、実は純日本ブランド(両社とも 発祥は岡山県倉敷)です。

エドウィン:「江戸(東京)で勝つ」をもじって つけたとか。
ビッグジョン:創立者の尾崎小太郎氏が、太郎が日本でよく知られた名前で ジョンもアメリカでよく知られた名前なので 「リトルジョン」と考えたそうですが、リトルでは大きな商売が出来ないと 「ビックジョン」にしたとか)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

葛城とは(カツラギ drill)


葛城とは、双糸の太い糸を使ったツイル(綾織)の綿(コットン)織物の事です。同じツイルのデニムよりは やや薄い布生地になります。現在は主に3/1のツイル織組織になってます。(以前は3/2もあったらしいが 今はほとんどないらしいです)

太い綾目と呼ばれる 斜めの線が布生地に見えます。ワーキング・ウェア(作業服)やパンツ(ズボン)に 主に使われてます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

抜染とは(バッセン) 白色抜染(ハクショク) 着色抜染(チャクショク)


抜染とは P下(プリント下生地)に 専用の糊をつけて 無地染めした後(糊がついた部分は染まらない)、その糊を溶かしてしまう染め方法です。

この糊に何も入れないのが 白色抜染(白の水玉模様などは この方法です)、糊に色を配合してつけるのが着色抜染と言います。着色抜染では 糊が溶けるときに同時にその部分が染まります。

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

クレープとは(crepe)


クレープとは、本来は糸の撚(撚糸)が ほどける(解撚)のを利用して 表面に細かいさざ波状の凹凸が現れている布生地の事です。ですが、撚糸を利用しなくても 表面に細かい凹凸のようなものが見えれば クレープと言うようです。

この凹凸は シボとも呼ばれます。縮緬(チリメン)は 代表的なクレープ織物です。(クリックで この縮緬の詳細ページへ飛べます。購入する事も可能です)

縮緬の表面の大きい凹凸(シボ)

縮緬の表面の大きい凹凸(シボ)

縮緬の凹凸はかなり大きめですが、虫メガネで拡大しないと 見えないほどの小さな凹凸の場合もあります。下記がその例です。
(同様にクリックで これらの布生地の詳細ページへ飛べます。購入する事も可能です)

シルデュー・デシンの細かいシボ

シルデュー・デシンの細かいシボ

シフォン・ジョーゼットの細かいシボ

シフォン・ジョーゼットの細かいシボ

縮緬ジョーゼットの中くらいの大きさのシボ

縮緬ジョーゼットの中くらいの大きさのシボ

(フランス語では “crepe” (e は上に点がつく) です)

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。