反内縫製とは(タンナイホウセイ)


反内縫製とは、一反内で一個の製品(洋服)を作る事を言います。通常は反内縫製を厳密に守ります。

染ロットごとに 微妙に色が違ってしまう(注1)事があります。また 同一染ロット内でも、中の数反の色が微妙に違う事がありえます。(生機(きばた)の生産時期が 大きく離れてたり、原料の糸のロットが違っていたり等)

(注1:例えば グレー色なら同じグレーなんですが、微妙に赤っぽかったり 青っぽかったり)

色が微妙に違う為の欠点(例:身頃と袖色が微妙に違う等)を避けるために、一反内で一個の製品を作ります(反内縫製)。例えば用尺(ヨウジャク)3mのドレスを作るとして 一反46mなら
46/3=15.333・・・

なので 15着のドレスを作り、残った1mは もったいないですが、使わないのです。
(欠点等で そこを避けて裁断した場合は 話しが違ってきますが。通常は欠点等のロス率も見込んで用尺を決めます。布生地は無欠点ではありませんので)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

中希とは(チュウキ listing)


中希とは、一反の布生地(無地染め)の中で 色が微妙に違う事を言います。多くの場合 両耳端と中央部分の色が違います。非常に稀にですが、一反の巻き始めと巻き終わりで 中希になる場合もあります。

主に染色工程の原因が多いですが、稀に生機が原因(一反の製織中に緯糸の製造ロットが変わった等。製造ロットが違うと染まり具合も違う時があります)の場合もあります。

(通常は 一反の布生地の中では、色が微妙にでも 違う事はない筈です。それで反内縫製と言って 一反内で一個の製品(洋服)を作ります)

中希(チュウキ)が発生していると、例えば見ごろと 袖の色が微妙に違う(縫い合わせた縫い目に顕著に現れる)と 言う欠点が発生します。

(余談ですが、染ロットが異なる布生地間で 厳密に同じ色になる事は 稀ですので、ご注意くださいませ。詳しくは 下記を参照してくださいませ。(淡色や黒等は 違っていても目立ちにくいです)
後から会に行った布生地の色が微妙に違う! )

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ジュートとは(jute) 黄麻とは(コウマ)


ジュートとは、黄麻(コウマ)とも言い シナノキ科に属する植物の靭皮部分(ジンピブブン 外皮のすぐ内側にある柔らかな部分)からとった繊維で、の一種です。

耐水性には乏しいのですが、強度や光沢があり 紡績もしやすいので大量生産できます。用途は梱包袋 リノリューム(建材の一種で床材などに使われる)の基布 カーペット ベルト バックなどです。

衣料用には ほとんど使われません。主産地はインドやバングラディシュ等です。

ジュート生産の過程で出る廃棄物の処理が環境にかけるコストは少なく、またジュート製品自体の生物分解性が高いことから、近年は環境への負荷が少ない素材としても注目されています。新しいうちは かなりニオイがしますが、使用するにしたがって 徐々に薄れていきます。

下記のお店のように フェアトレードとして ジュートバック等が、バングラディシュやネパール等から輸入されいて 現地の学校が作られる一助になったりしてます。
Ajee(アジー)

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大麻とは(タイマ) ヘンプとは(hemp)


大麻とは、の一種で 桑科の植物の靭皮部分(ジンピブブン 外皮のすぐ内側にある柔らかな部分)からとった繊維です。ヘンプ(hemp)とも呼ばれます。

強度があり 耐久性 耐水性に富みますが、漂白すると 弱くなり弾性に欠けるので 最近は衣料用には あまり使われなくなりました。麻ひも ロープ 鼻緒の芯 畳のたて糸とよこ糸などに使われてます。

戦前は繊維としての大麻の需要が大量にあり、栽培に手間がかからなかったので 沢山栽培されてました。ですが戦後は 綿やジュート(黄麻 コウマ) 化成品が代換品として 使われるようになり需要が激減し、国内では もうほとんど栽培されてません。

大麻の実は 栄養が抱負で、忍者が非常食として 使っていたそうで、現在でも七味唐辛子やペットの餌として 売られています。

(麻薬成分があるのは 葉と花穂のみで、茎(大麻繊維の原料)や 種にはないそうです。ですので 大麻の繊維や種を所持していても 罪になりませんが、許可無く栽培したり 葉と花穂を所持していると 逮捕されます。乾燥した葉や花穂が マリファナです。
当たり前ですが 大麻製の洋服を着ていたり、種を食べても 麻薬中毒になることは ありません)

昔は 大麻のことを「麻」と言っていたのですが、他の麻繊維が どんどん入ってくるようになると 区別するために「大麻」と呼ぶようになったらしいです。

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テンセルとは(Tencel) リヨセルとは(Lyocell)


テンセルとは、レーヨンなどと同じように 木材パルプから作られますが、製法が違うので下記の様な特徴があります。
(当初イギリスのコートルズ社が生産していましたが、オーストリアのレンチング社が買収し
リヨセルを商標として販売しています。ですので 同じものです)

  • レーヨンよりも強度が強く 縮みにくい
  • レーヨンよりも製造する時の 環境負荷が低い
  • 布生地の表面が微起毛している

ただ 表面が毛羽立ち易い(フィブリル化 分子鎖の配列性が高いためらしいです)欠点があります。できるだけ摩擦は避け、洗濯は短時間でやられる事をお奨めいたします。

(レーヨンなどは パルプを誘導体を作って化学的に分解するために 同じセルロースでてきている綿よりも 強度が低下します。テンセルは精製するだけなので 上記のような特性があるそうです)

当初は 固くてごわごわした布生地しかできず、デニム・パンツやダンガリー・シャツなどが作られてましたが、あまり売れなかったようです。

その後日本では 大森企画と言う会社が、染加工時に 「もみ処理」や「たたき処理」(布生地表面を毛羽立せる、フィブリル化)、「バイオ加工」(微生物に繊維表面を食べさせて ポリエステルの減量加工にように 風合いを柔らかくした)などの加工を施して、絹のような柔らかい風合いドレープ性を付与しました。

その当時 大変爆発的に売れて 一世を風靡しましたが、その大森企画と言う会社も 今はありません。

ポリエステルとかキュプラ、レーヨンのような分類上は それらの分類には属さず
「指定外繊維」となります。 表示例: 指定外繊維(リヨセル) 100%

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ラミーとは(ramie) 苧麻とは(チョマ)


ラミーとは、日本古来の(カラムシ)や 海外ではイラクサ科の植物ラミー靭皮部分(ジンピブブン 外皮のすぐ内側にある柔らかな部分)から 作られた繊維です。苧麻(チョマ)とも呼ばれ、両者は植物学上では 別々ですが、性質が極めて似ているので 繊維業界では 同義語とされてます。

亜麻と共に 衣料用に使われ、の一種です。

亜麻(リネン)に比べて 一層ハリがあり 肌にべとづかず、麻絹(アサキヌ)と呼ばれるように上品な光沢があります。白度に優れ 夏用の衣類や ハンカチ テーブルクロス等に使われてます。(JRの特急などの 座席の頭の後ろの白いカバーは ラミー製のものもあるようです)

苧から作られた繊維は 日本では越後上布(エチゴジョウフ)が有名で、小千谷縮(オジヤチヂミ)と共に 重要無形文化財に指定されています。

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リネンとは(linen) 亜麻とは(アマ) リンネル(liniere 仏語)


リネンとは、アマ科に属する亜麻植物の靭皮部分(ジンピブブン 外皮のすぐ内側にある柔らかな部分)から 作られた繊維です。フランス語読みはリンネル また亜麻とも呼ばれます。の一種です。

コットン(綿)が広く普及する以前は、ヨーロッパではリネンが シーツやタオル 寝具 下着などに広く大量に使わた 非常にありふれた布生地でした。綿花は温かい地方の植物で ヨーロッパでは 栽培が困難だったせいもあります。

その名残で リネンと言う言葉が シーツや寝具等の用語などに残ったようです。私達が「麻」と言うと 一般に固いザラザラしたラミーramie 同じ麻類)のイメージが強いですが、リネンは それらよりは柔らかいです。

現在の主要途は、縫い糸 レース 服地 芯地 インテリア等です。

旧ソ連地域と ベルギー オランダ ポーラントで生産されますが、旧ソ連地域が70%以上の生産量を誇ってます。質がいいのは オランダ産 ベルギー産などで、オランダ産のクートレ亜麻は300麻番手の糸(番手は 数字が大きいほど細い糸で、質が良くて一本一本の繊維が長くないと 細い糸を紡績する事は困難)を紡績することができると言われてます。

繊維束の状態をフラックスと言い 糸や布生地になると リネンとも言いますが、厳密な用語上の区別はなく 一般にはリネンと言われます。

紀元前3千年頃のエジブトの交易品に「リネン」の記述が見られ、人類最古の布生地と言われています。

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麻とは(アサ)


とは、植物の茎や葉から作った繊維の総称です。人類が最初に 作った布は麻で作られたと言われています。

靭皮部分から作るものは 比較的柔らかく 衣料用として使われます。主に ラミーとリネンがあり、日本では「麻」と 一くくりに呼びますが、欧米では リネンとラミーと区別して呼びます。

(家庭用品品質表示法では リネンとラミーのみが麻となります。それ以外は 指定外繊維表示になります。昔 綿があまり普及してなかった頃は、シーツやタオル 肌着等は リネン製でした。その名残が ホテルの「リネン室」等に残ってます。それらの用途は、綿が普及すると 駆逐されてしまいました)

葉脈から作るものは、固いものが多く 産業用資材(ロープや穀物袋 畳のへり等) インテリア等に使われます。

麻の一般的性質は 下記で、夏の衣料用として 優れている点が多いです。

  • 吸水性が速く 吸い込んだ水分も速く蒸発させる
  • 丈夫で光沢(衣料用になると 強い撚糸がかけられ、光沢がないものも多い)がある
  • 熱の良導体

ただ 非常にシワになりやすく、現在は他の繊維に押されて 生産量が少なく価格が高いのが欠点です。

(余談ですが、大麻は麻薬で 葉を乾燥させたものを マリファナと呼ぶようです。種子の所持は違法ではありませんが、栽培すると違法(おかしな法律ですね)ですので 絶対に止めましょう。軽い気持ちで吸って どんどん強い刺激のものが欲しくなり 麻薬中毒になってしまいます)

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パッチワークとは(patchwork) パッチワーク・キルト(patchwork quilt)


パッチワークとは さまざまな色・柄・形の布切れを 縫い合わせて模様を作った布生地です。パッチとは「はぎ合わせ 継ぎ当て」の意味です。

表布と、綿(ワタ) 裏布を三枚縫い合わせたものを パッチワーク・キルトと言います。主にベッドカバーとか 敷物 洋服に用いられます。

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キルティングとは(quilting) キルト(quilt)


キルティングとは、2枚の布生地の中に挟まれた綿(ワタ)等を ずれないように 布生地の上から縫い合わす事を言います。縫い合わせた布生地を キルトとも言います。

防寒用のワタ入り衣料や 薄い洋布団 羽毛布団などに用いられます。あらかじめ キルティングされた「キルト生地(キルティング生地)」も 販売されてます。
(大変申しわけございませんが、弊生地屋での取り扱いは ございません)

ファッション的には ステッチ(縫い方や縫い目)が装飾的なものもありますが、多色(又は柄生地)の布生地片を縫い合わせた パッチワーク・キルトが主流です。

キルティングはシャネル(CHANEL)のバックの 大きな特徴のひとつになってます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。