月別アーカイブ: 2013年2月

不織布とは (フショクフ non-woven fabric)


不織布とは、織物にも編物にも属さない布生地の事です。繊維を糸にせずに、繊維のまま布生地状にしたものです。

  • 紙をすくのと同じ方法で作る混式(乾式と湿式あり)
  • 繊維を薄くシート状に広げて 接着剤で固めた接着式
    .
  • 特殊な針でシート状の繊維を突いて 絡み合わせたニードル・パンチ
  • 繊維を紡糸するのと同時に布状にしてしまう スパン・ボンド

などの 作り方がります。下記のような 長所・欠点があり、衣料用に使われる事は少なく、芯地やフィルター、スペーサー、使い捨ておしぼり等など 産業用に多く使われます。

<長所>

  • ランダムに結合されたものは、強度や伸びに方向性がない
  • 大量生産ができ 安価である。塵の混入を抑えたり 衛生的に作る事も可能
  • 複数の素材を容易に組合させれる
  • 厚みや空隙を 簡単に変更できる

<短所>

  • 織られた布生地と比較すると 強度が弱い
  • 透けるものを作るのが困難
  • ドレープのあるものも 作成困難

フェルトも 不織布の一種であるが、織物から作られる物もあり 織フェルトと言われます。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ウーブン・ストライプ (woven stripe) ウォーブン・ストライプ セルフ・ストライプ(self stripe)


ウーブン・ストライプとは、織縞(オリシマ)の事で 同色の糸を使って、縞と地の部分を 違った織組織で織り、縞を表したものです。

セルフ・ストライプ(self stripe)とも 言います。例えば サテン・ストライプ・ジョーゼットは、地が平織りジョーゼット 縞がサテン(朱子織)です。

下記がウーブン・ストライプ織物の例です。(写真は 日本の織物産地のホームページの ストライプ(Stripe)のページより 拝借しています)

ウーブン・ストライプの例

ウーブン・ストライプの例

ストライプ(経縞)になった 昼夜サテンなども ウーブン・ストライプと言えます。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

切りっぱなしで使える布生地とは、ほつれにくい布生地とは


切りっぱなしで使える布生地とは、(ほつれにくい布生地とは

  • 大部分の不織布フェルトフリース
    (繊維同士が からみあっているので、切ってもほつれない)
    .
  • 一部のニット素材(編物
    (ほつれにくいニットがあるようです。イッセイミヤケさんの製品で 衿や袖を切って使うニット製品を見た事があります)
    .
  • 大部分のコーティング(ハイミロン等)やラミネートされた素材
    (コーティング剤や ラミネート・フィルム等で くっついているもの。くっついてないものは ほつれます)
    .
  • チュールのように 結節点を融着(または接着)させた素材

のような 布生地です。通常の織物ニットは、ほつれてくるので 使えません。

(洗濯しないで 数回のご使用でしたら、織物は布目に沿って裂いたものは 10本程度はほつれますが、それ以上はほつれにくくなり使用可能です。織り目や編み目の細かいものほど ほつれにくいです。

また「ピケ」(手芸屋さんで500円程度で売っているそうです)と言う ほつれ止め液(透明マニキュア液でも代用可)もあります。短期間使うだけなら これでもOKだと思います)

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

エナメル・クロスとは (enamel cloth)


エナメル・クロスとは、無地の陶磁器のような外観を持った布生地の事です。エナメルは陶磁器の釉薬(ウワグスリ)の事です。

通常はコーティングで加工します。皮革製品に同様の加工をして「エナメルの靴」などを 製造したりします。エナメルのような外観を作る エナメル塗料などもあります。

金属表面を 釉薬で加工する方法は、美術的には七宝焼き(シッポウヤキ Cloisonné)、工業的は琺瑯(ホーロー 英:viteous enamel, 米:porcelian enamel)と 言います。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

うさこさんが 手作りフェアーIN九州から 生放送されます!


ニコ生オフィシャル放送枠(毎週月曜日の夜9時)をもっていらっしゃる「うさこ」さんが、15, 16日(金・土)と日中(10:30-17:00)に ホビーショー手作りフィアIN九州から生放送されます。

視聴者プレゼントも あるようですので、お時間のある方は ぜひご覧になってくださいませ~♪
手作りフェアー一日目
手作りフェアー二日目

手作りイベント生中継

手作りイベント生中継

以上 番外のお知らせでした~♪

この記事は 布通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

架橋反応とは (crosslinking reaction, cross-linking reaction)


架橋反応とは、分子鎖(分子が鎖状に 長くつながったもの)の間に 橋を架けるように 他種類の分子がつながる反応です。つながる事によって 高分子(ポリマー)では 一般に粘性が増し、ゲル化したり(分子鎖間の隙間が多く 水分子が入り易い場合) 固くなったりします。また 溶剤等にも 溶けにくくなります。

(湯がいた「うどん」が うどん同士が一部くっついて、湯がく前の「うどん」に なるようなイメージですね)

柔らかく弾力性の小さい「イソプレン」ポリマーが 硫黄による架橋でタイヤなどに成型できるようになり、さらに架橋を進めることで固い「エボナイト」となります。

ワイシャツなどの形態安定加工(アイロンのいらない)などは、縫製後に この反応を利用して形態を安定させ シワもよりにくくしてます。

2液を混ぜ合わせて硬化させる エポキシ樹脂も、この反応で固くなります。

この記事は 布通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

 

熱可塑性とは (ネツカソセイ thermoplasticity) 熱硬化性とは (ネツコウカセイ thermosetting)


熱可塑性とは、加熱すると 柔らかくなる性質で 成形後常温に戻すと ほぼそのままの形で成形できます。ほとんどの合成繊維が この性質を持ちます。(fosshape以外は 三浦は知りません)

熱硬化性とは、反対に 加熱すると架橋反応等が進んで 重合度が上がり、硬くなる性質です。硬くなると 温度が下がっても もう柔らかくなりません。

ポリエステル等の合成繊維は 熱可塑性を利用して 溶融紡糸(溶かして 糸の形にする)が 行われます。この性質を利用して、糸にクリンプをつけたり(仮撚加工糸) 布生地にヒートセットしたり スカートにプリーツをつけたりしてます。

熱硬化性の樹脂は 硬化後は、硬くて溶剤等にも強いので 電気部品やテーブル等の家具の表面処理 灰皿 焼付け塗料に使用されます。(尿素樹脂 メラミン樹脂 フェノール樹脂等)

よくホームセンター等で売っている エポキシ樹脂接着剤は、A液(基剤)とB液(硬化剤)を混ぜることによって、架橋反応等を促進し 熱硬化性樹脂のようにして 固くなるものです。

レーヨンベンベルグ等の 再生繊維は、加熱すると 柔らかくも固くもならず もっと加熱すると燃えるので、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂とは 全然異なるものです。(熱可塑性樹脂よりは 耐熱温度はもっと高いですが)

この記事は 布通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

fosshapeとは


fosshapeとは、熱硬化性の分厚い不織布のようです。下記動画のように 成形して熱をかける事によって 硬くなります。構築的なシルエットを作ったり コスプレなどで利用できそうですね。(フォス・シェイプと読むのでしょうか?)

通常の合成繊維は 熱可塑性で、熱をかけると 柔らかくなりますが、その反対の性質ですね。ありそうで なかった繊維です。

日本でも 似たような布生地が発売されてないか、
「熱硬化性 布」 「熱硬化性 生地」
等のキーワードで検索して、ざっと見てみましたが 同様のものはありませんでした。

下記より ヤード単位で購入できそうです。(英語で海外からの購入になりますが)
fosshapeの購入ページ
販売会社のトップ・ページ

この記事は 布通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

風合いとは (handling)


風合いとは、手触りや肌触り 着心地など、人がその布生地に触れた時に感じる 材質感の事です。「風合い良い生地」(手触りの良い)と言うような 表現をします。

学術的には 次のような標準的基本用語が 定義されてるようです。学術的に定義すると とても難しくなりますね。

  • ソフトさ (Soft feeling) :かさ高さ、曲げやわらかさ、なめらかさの混じったソフト感。準基本風合い。
  • しなやかさ (Flexibility with soft feeling) :やわらかく、ドレープ性を加味し、触ってなめらかな感覚を含んだ総合風合い。これは基本風合いではないが準基本風合いで婦人用薄手布の性質を表現するのに重要なものとして加えられている。
    .
  • ふくらみ (Fullness and softness) :かさ高でよくこなれたふくよかな布の感覚である。圧縮に弾力性があり、曖昧を伴う厚み感である。
  • はり (Anti-drepe stiffness) :張る性質で、曲げ硬さが主であるが、弾力性の有無は問題にしない。
    .
  • こし (Stiffness) :触って得られる可撓性、反撥力、弾性のある充実した感覚。たとえば、弾力性のある繊維や糸で構成されている、また適度に高い密度の布の持つ感覚である。
  • きしみ (Scrooping feeling) :きしむ感覚。絹(シルク)繊維がこの感覚を強くもっている。
    .
  • しゃり (Crispness) :粗く硬い繊維や強撚の糸から生まれる触ってしゃりしゃりした感覚。たとえば、ポーラ地に強く現れる感覚をいう。主として布の表面の感覚である。布のすべての種類の剛さがこの感覚を助長する。
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  • ぬめり (Smoothness) :細くて柔らかい羊毛の繊維からもたらされる触ってのなめらかさ、しなやかさ、柔らかさの混じった感覚で、毛質の良さからくる柔らかさをいう。曲げやわらかさ、なめらかさ、なめらかな曲げの手触り、すなわち、ころびの良さ、そして曲げにおける弾力的な性質によって判断する。

大昔に 大学で習った先生に
「風合い計ができたら、売れて大儲けできます!」
と 言われましたが、大変残念ながら そうは ならなかったようです。
ニューサイバーテック
カトーテック株式会社

この記事は 布通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。