- 通常ポリエステル繊維は 分散染料と言う染料で 130℃以上に温度を上げて(圧力を上げて) 染めます。
- ですが、カチオン染料と言う染料でも染まる分子基を ポリエステルの中に入れることによって カチオン染料でも染められる繊維を作れます(カチオン可染糸)。
- カチオン可染糸の中にも 100℃以下でも染まる 常圧カチオン可染糸(通常の大気圧では100℃以上に温度が上がらない)と、100℃以上でないと 綺麗な色に染まらない 通常のカチオン可染糸の二種類があります。
- 常圧カチオン可染糸は 高価ですが、100℃以上に温度を上げると劣化しやすい 絹(シルク)などを混ぜた布生地に使われます。
- ポリエステル100%で 二色に染め分ける場合は 通常のカチオン可染糸を用いますが、カチオン可染糸もポリエステルですので 分散染料で染まってしまいます。
- ですので カチオン可染糸を濃い色(又は混ざった色)でしか 染めることができず、色の組合せに限界があります。
通常のポリエステル糸:分散染料だけで染まる
カチオン可染糸:分散染料とカチオン染料の両方で染まる
- ポリエステル100%で シャンブレー(玉虫)やチェック ストライプに染め分ける場合は このカチオン可染糸を用います。
- この場合 後染め二浴(2回染める)との記述も見受けられますが、現在では分散染料とカチオン染料を一緒に入れて 一浴で染めています。
- 下記が ポリエステル100%で二色に染めた織物の例です。クリックで 布生地の詳細がご覧になれます。
カチオン染料には 色によっては200℃の温度(通常はこのような高温はかけませんが)で 変色してしまう成分もあります。弊生地屋のシャンブレー楊柳:MB9000は 200℃の高温でも 変色しにくい染料で染めてます。ですので200℃の温度で加工する事も可能です。
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。