燃やして 匂いで見分けます。混紡(糸の段階で 2種類以上混ぜて 糸にする事)の場合は ちょっと困難ですが(不可能ではありません。最下段 注1)参照)、混織(コンショク)や 素材で色分けされているもの等は ほどいて同一と思われる繊維くずを集めて燃やされれば わかります。
(具体的には マッチやライターの火で あぶって、すぐに消して 匂いをかぎます)
だいたい 次のような感じです。
- 綿(コットン)やレーヨン キュプラ(ベンベルグ) アセテート等は、紙が燃えたような匂い。(紙もコットン等も 全部主成分はセルロースです) 短繊維(一本の繊維くずが5cm以下と短い)なら だいたいコットンです。長繊維(糸の端から端まで一本の繊維)なら だいたいレーヨンかキュプラ アセテートです。ただスフのように レーヨンの短繊維で作られた布生地もありますから 一概には決められません。ですが、スフはほとんど売ってないと思います。
- 毛(ウール)や絹(シルク)は 髪の毛が燃えたような匂い。どちらも たんぱく質でできています。短繊維なら ウール、長繊維なら シルクです。ですが、非常に稀ですが、絹紡糸と言って 絹のくずで作った紡績糸があります。非常に高価ですので、ほとんど一般には売られてません。
- 合成繊維は プラスチックが燃えたような刺激臭がします。主に ポリエステル ナイロン アクリルです。匂いの違いは わずかで、わたしは素材の分かったものを 燃やしてみて、その匂いと比較して決めます。ポリエステルは長繊維 短繊維両方あります。アクリルも両方ありますが、短繊維の生産量は 非常に少ないので、あまり一般には売られてません。ナイロンは長繊維のみです。
あと カシミヤとか アンゴラとか 動物の毛を用いたものもあります。これは 上記の2と同じですが、わたしも 匂いをかいだ事が ないので何とも言えません。
注1)混紡された糸を ほどいて、顕微鏡などで見て 同じ種類と思われる繊維くずを かためて燃やします。その匂いを嗅げば区分できるはずです。最低豆粒くらいの量がないと 匂いがしませんが)
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。