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ビンテージ加工の家庭でのやり方


工場での加工でなく 個人の方が、家庭等で洋服や布生地のビンテージ加工をするやり方です。用意する物は 下記です。

  1. メラミン・スポンジ
  2. 霧吹き
  3. 240番くらいのサンド・ペーパー
  4. 割り箸や木片(湾曲しているもの)
  5. 小石

色抜きする場合は、1.と2.を用いて 色抜きします。タワシで擦るより 生地にタメージをあまり与えずに できるようです。(勿論 多少のダメージはあります)

たわしはもう古い!ジーンズ・デニムスカートの色を簡単に抜く方法

物理的に 布生地にダメージを与えたい場合は、3. 4. を使って 下記のサイトに詳しくやり方が 書かれてます。

ジーパンをダメージ加工する方法

5.の小石は 小さな部分を 擦ったりして物理的にダメージを与えるのに使います。

合成繊維(ポリエステルやナイロン等)製のものは 丈夫過ぎるので ビンテージ加工には あまり向きません(物理的なら 240番よりもっと細かめのサンドペーパーなら できるでしょうが。色は繊維の中まで浸透しているので メラミン・スポンジでも無理でしょう)。レーヨンやベンベルグ等の 再生繊維は、ビンテージ加工が可能です。

また 同じ天然繊維でも シルクやベンベルグ裏地のようなフィラメントの長繊維は あまり向いていないと思います。

私個人的には ビンテージ加工は お奨めできません。製品や生地の寿命を縮めるからです。特に 物理的にダメージを与えるやり方は その部分の周辺の生地も 破れ易くなります。

防水加工の生地は染色できますか? 撥水加工の生地は染色できますか?


Q.防水加工の生地は 染色できますか? 撥水加工の生地は 染色できますか?

A.結論から書きますと、できません。「撥水」の場合は「防水」の部分を 撥水と読み替えてください。(空気を通さないゴム引きしたような 安物のカッパ以外の話しです)

  1. 防水加工をとらないと 綺麗に染色できません(ムラになる)が、通常 そのような布生地は 強固に防水加工されてます。簡単にとれません(染加工工場でも 困難と聞いてます)。
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  2. その素材(綿とか ポリエステルとか)専用の染料(綿なら反応染料か直接染料、ポリエステルなら分散染料)で 高温で染めないと、染色堅牢度は 低くなってしまいます。
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  3. 染色後 再度防水加工するには、クリーニング屋さん等で 防水加工(スプレー防水より 堅牢度は高くなる)しますが、元のような堅牢度のある防水性にするのは 困難です。

防水加工の上から アクリル等の顔料を塗れば、その色になるとは 思いますが、洗濯すると だんだんとれて行くと思います。本来の防水性(撥水性)も失われます。

PP加工(パーマネント・プレス)の耐久性や印刷の変色性は?


Q.PP加工パーマネント・プレス加工は御社でも行っていらっしゃいますでしょうか? 折り込みの耐久性や印刷した場合の変色は どうでしょうか?

A.大変申しわけございませんが、弊生地屋では やっておりません。耐久性は 熱可塑性合成繊維では ほぼ半永久的ですが、綿等の樹脂加工したものは 耐久性が劣ると思います。

(たぶん10回程度の洗濯ではOKだと思いますが、50以上回くらいやるとかなり劣化するかと)

通常100℃以上の温度をかけますので、染工場やプリント工場で使うような通常の染料でしたらOKだと思いますが、耐熱性の低い 顔料やフィルムを貼るような印刷でしたら 劣化や変色しやすいかも知れません。
(一概に言えません。印刷材料とプレス温度によって 違いますから)

リップルとは?(ripple) リップル加工とは(ripple finish)


1)リップルとは、布生地を部分的に強く縮ませて 凹凸を作ったものです。(リップルはさざ波の意味)

縞(ストライプ)状やチェック状のサッカー、シアサッカー、しじら織りと違い 丸やひょうたん等自由な形にする事が可能です。

リップル加工した布生地

リップル加工した布生地

(上記写真は 他サイトのものですが、一部しか使ってませんし 色合いも変えております。版元さん御容赦くださいませ)

リップル加工とは そのようにする加工方法の事です。綿やレーヨンなど セルロース系の布生地の場合は、強アルカリ性の苛性ソーダなどを付けて(プリントと同様の手法で付けます) その部分(しぼのある部分 上記写真の細かい凹凸のある部分)を強く縮ませて作ります。

肌に触れる面積が小さくなるので、ベトつきにくく 夏の洋服や寝具に良く使われます。

2)緯縞(ヨコシマ)状の隆起を出すニットの組織で、別名テレビ柄とも言います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

皺加工とは (シワ加工 crease finish)


皺加工とは(シワ加工)、皺を布生地の表面効果として 布生地に皺をつける加工の事です。

ポリエステル織物の場合は、その熱可塑性(熱をかけると 柔らかくなる性質)を利用して 通常は生機の状態で 皺をつけ(袋などに詰め込んで 熱をかける等)、染めます。こうすると アイロンをかけても 洗濯をしても、皺は ほとんど取れません

下記が 皺加工をした織物の例です。下線のリンク・クリックで 詳細がご覧になれます。(商品ページですが)

シャンブレー・シワヘリンボン
シャンブレー・シワヘリンボン:MM1333
MM1757Bシワ・シフォン
30Dシワ・シフォン:MM1757B
75Dシワ・シフォン:MS7102
75Dシワ・シフォン:MS7102
100Dシワ・シフォン:MS7112
100Dシワ・シフォン:MS7112
シワ・メッシュ:MS5000
シワ・メッシュ:MS5000

(染めた後に 皺加工した布生地もありますが、これは アイロンで取れてしまう事が 多いです)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

エナメル・クロスとは (enamel cloth)


エナメル・クロスとは、無地の陶磁器のような外観を持った布生地の事です。エナメルは陶磁器の釉薬(ウワグスリ)の事です。

通常はコーティングで加工します。皮革製品に同様の加工をして「エナメルの靴」などを 製造したりします。エナメルのような外観を作る エナメル塗料などもあります。

金属表面を 釉薬で加工する方法は、美術的には七宝焼き(シッポウヤキ Cloisonné)、工業的は琺瑯(ホーロー 英:viteous enamel, 米:porcelian enamel)と 言います。

この記事は 生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

オパール・ジョーゼットとは (opal finished georgette)


オパール・ジョーゼットとは、オパール加工をしたジョーゼットの事です。透けた生地に 透けないプリント模様が見えます。

オパール加工は、まず 絹 合成繊維などの 酸に強い繊維と、綿 レーヨンなどのように 酸に弱い繊維との 交織や混合織物を作ります。溶かしたくない部分に糊をつけ、生地を酸につけ酸に弱い繊維を溶かして 模様を作ります。詳しくはオパール加工の項を 参照してくださいませ。

オパールジョーゼットは、以前は絹とレーヨンで、最近では合成繊維とレーヨンで作られる事が多いです。

溶けた部分の 滑脱強度が弱くなり過ぎないように 織物設計の段階で ある程度考慮しておく必要があります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

 

移行昇華とは


移行昇華とは、布生地にコーティングされたポリウレタンやゴム引きのゴムに 色が昇華して移ってしまう現象です。ポリエステル繊維を染めるのに使う分散染料は この現象が起こりやすいです。

(昇華とは、固体から気体へ 気体から固体へと言うように、液体の状態を経ずに 変わる事をいいます。この場合は 布生地から昇華した染料成分が、ポリウレタンやゴムの中で 昇華して固体へ変わり、色が見えます)

移行昇華が起こると、プリントの柄が ポリウレタン・コーティングに移って プリント柄が2重に見えたりします。染生地とポリウレタンやゴム素材に縫い合わせ等で 密着している部分で 起こる事もあります。

いろいろな移行昇華防止の加工方法が 行われてます。また カチオン可染のポリエステルを用いて カチオン染料のみで染めると この現象は起こりません。
(カチオン可染布生地を使っていても 色によって分散染料で染めている場合もありますので 注意が必要です)

移行昇華を完全に防ぐには 酸性染料で染まるナイロン等を用いれば良いです。コーティングやラミネート布生地で 防寒着やスポーツ用素材 バック用素材等に ナイロンが使われる理由の一つになってます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

転写捺染とは(テンシャナセン transfer style print) 転写 転写プリント


転写捺染とは、単に転写とか転写プリントとも言い 子供の遊びに使われる「写し絵」と同じ手法です。あらかじめ 図柄を紙に印刷しておき、布生地に重ねて圧力と熱を加えて 図柄を転写させる方法です。

多品種少量生産に向いているので 近年日本で盛んに行われるようになりました。インターネットでも オリジナル柄で衣装等のオーダーを受けるお店も増えてきているようです。
(インクジェット・プリンターで 図柄を印刷して使用)
よさこい屋オーダー

優れた点としては下記があります。

  • 多色で自由な柄が作れる(工業生産のプリントは色数等の制限項目が多い)
  • 水等を使わずに 廃水も発生発生しないので 環境に優しい
  • 簡単な小規模な設備で 捺染(ナセン プリント)可能
  • 少量でも比較的低コストで生産できる

短所としては下記があります。

  • 中量以上では コスト高になる
  • 深みのある濃い色は出にくい(表層だけで捺染するため)

主流は ポリエステル繊維の昇華転写捺染(乾式転写捺染)と呼ばれる方法で、ポリエステルを染める分散染料が移行昇華しやすい欠点を 逆手に取った捺染方法です。
(昇華とは 固体から液体を経ずに いきなり気体に変化する現象です。反対に気体から いきなり固体になる場合も昇華と言います)

親水性の天然繊維では 熱を乾式ではなく蒸気を用いた湿式転写捺染をします。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

手捺染とは(テナセン) ハンド ハンドプリント(hand screen printing) ハンドスクリーン(hand screen printing)


手捺染とは、ハンドとかハンド・プリントとも言い(スクリーンを用いたものは ハンド・スクリーンとも言う)、型紙 スクリーン ブロックなどに模様を彫刻し、手工芸的に布生地に捺染する方法の事です。

大きく分けて下記の4種類があります。

  • 型紙捺染(カタガミナセン):美濃紙(ミノガミ)に生渋(ナマシブ)を張り重ね、漆(ウルシ)などを塗布します。これに模様を彫刻して布生地の上に載せて捺染します。
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  • スクリーン捺染:木製または金属製の枠に 篩絹(フルイギヌ 現在は絹製ではないと思います)を張った枠型を使います。篩絹の網目の模様以外の部分を膠(ニカワ)やラックなどでふさぎ捺染します。
    (シルク・スクリーンと同様の方法)
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  • 摺り捺染(スリナセン):刷毛(ハケ)を使って 型紙の上から染料をすり込みます。ぼかしを出すときに使います。
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  • 絞り染め(シボリゾメ):防染剤(ボウセンザイ)を施した糸で、下絵に従って固く絞り これを染めます。そうすると 絞られたところが染まらず模様になります。

少量生産の場合は 機械捺染よりスクリーン捺染のような手捺染の方が コストが安くなります。多くのハンド・プリント工場は112cm巾(シングル巾)の設備しか持っていない所が多く ダブル巾P下生地が一般的でない理由の一つです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。