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メリヤスとは 莫大小(メリヤス)


メリヤスとは、ニット(編物)の別名です。昭和30年ころまで ニットをメリヤスと一般に呼んでました(そのまで頃は 下着や靴下に使用が大半でした)。それが ニットの使用範囲が外衣(アウター)に広がるにつれて、肌着や靴下のイメージの強い「メリヤス」から だんだん「ニット」と呼ばれるようになりました。

今でも肌着などの生地は メリヤスと呼ぶのが一般的です。(靴下は もう最初からあの形で 編まれます。パンストもそうです。布生地を切って縫い合わせる事は まずありません)

メリヤスは江戸時代から輸入されていて 靴下の意味のポルトガル語「メイアシュ(meias)」や、スペイン語「メジアス(medias)」から 来たと言われています。

漢字で「莫大小」と書きますが、「莫」はなし つもまり伸縮性があって 大小を問わないと言う意味です。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

用尺とは? (ヨウジャク)


必要な用尺とは 洋服などを作るときに 必要な布生地の長さです。

ダブル巾と呼ばれる140cm以上の巾の布生地と それ未満の巾のシングル巾と呼ばれる布生地では 計算方法が少し違います。(ひだや飾り布などを多用しない 通常のデザインの場合です)

上物の場合

  1. 140cm以上の巾の場合(ダブル巾)
    着丈+襟丈+縫い代+ロス(1割程度)
  2. 140cm未満の巾の場合(シングル巾)
    着丈+襟丈+袖丈+縫い代+ロス(1割程度)

ダブル巾の場合 布巾が広いので袖は着丈の中で取れます。

スカートやパンツ等のボトムの場合 ダブル巾でもシングル巾でも同じです。

着丈+バンド丈+縫い代+ロス(1割程度)

「パターンの巾x2」が 布巾に収まりきらない場合は 「着丈+バンド巾」の長さをを 上記の長さに加算してください。(プリーツ等で スカートの巾が広く パターンの巾がもっと広い場合は、「(着丈+バンド巾)x2」の長さを 加算する必要があるかも知れません。ダブル巾の方が 用尺が少なくて済む確率が高くなります)

ですが、すぐに作られない場合や 通販等で買われる場合は、パターン(型紙)で一番長いものの丈分 余分に買われる事をお奨めいたします。プリント物やジャガードなどの柄物の場合もそうです。

失敗した時やパターンを間違えた時のため等です。(2度と全く同じ布生地が手にはいらないかも知れません) また布生地は完全に無欠点ではありません。詳しくは 下記を参照してくださいませ。
後から買いに行った布生地の色が微妙に違う!
布生地とは一期一会
(布生地の)欠点について

(うまく行った場合は 布生地が余るかも知れませんが、その時は 何か小物を作るなどして 転用してくださいませ。パッチワークに利用するのも いいかも知れません)

柄物で 柄合わせをする場合は、上記よりも多めに 購入してくださいませ。また 織物の耳近くは いろいろな歪が残っている場合が多いので、

  1. 身頃等の主要なパターンは なるべく中央で取る。袖等の主要でないパターンを その両端で取る。
  2. なるべく 耳近くまでパターンを取らない。

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ポリウレタンとは (polyurethane, spandex) ライクラ(Lycra)


ポリウレタンとは、ゴムのように伸びる糸の事で スポーツ・ウェアやパンティ・ストッキングなどの ストレッチのある製品に良く使われてます。

アメリカでは”spandex“とも 呼ばれてますが、デュポン(株)東レ・デュポン(株)ライクラ(Lycra)と言う商標の方が 有名です。ゴムのように5倍も伸びる唯一の弾性繊維で、ゴムに比べて 下記のような優位性があります。

  • 劣化しにくい
  • はるかに細い糸ができる
  • 染色できる(染色性はあまり良くありませんし、他染料を吸い込んで 色移りの問題がおきやすいです)

東レやデュポン以外でも、旭化成のロイカとか いろいろなメーカーからいろいろな商標で販売されています。

5~10%程度の使用で 大きなストレッチ性が得られ、キックバック性(強く引っ張っても 元に戻る性質)も良好です。

劣化しにくいと言っても ゴムと比べるとと言うだけで、保管方法や質の悪いポリウレタンを使うと 半年~3年程度で劣化する場合もあります。(太陽光は勿論 蛍光灯の光でも劣化しますし、排気ガス等にも弱いです。倉庫等でエンジン・リフトの排気ガスで劣化してしまった例もあるようです。勿論何日も何ヶ月もさらされた場合で、屋外で運動する程度では そんなに速く劣化しません)

安物の靴下の上の部分が すぐに伸びてしまうのは 質の悪いポリウレタンを使っているためです。

余談ですが、日本では 過去にライクラと言う商標を使わせてもらえず(品質レベルの実績ができるまでデュポンが使わせなかった?)、オペロンと言う商標で呼ばれてました。その後品質レベルも向上し 実績もできたので、同じ日本の会社が作っているのですが ライクラと言う商標を使えるようになりました。
(東レのライクラの会社が 東レ・オペロンテックスと言うのは その名残です)

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ピリングとは (pilling)


ピリングとは 毛玉や糸の飛び出しの事です。合成繊維やニットはなりやすいです。天然繊維もなりますが、強度が弱いので 擦り切れて落ち易いので あまり目立ちません。

ピリングは 引きちぎるより、はさみや市販の毛玉取り機でカットされた方がいいです。この時に くれぐれも布生地を切らないように注意してくださいませ。わたしは これで洋服や靴下等を何着か穴をあけてしまいました。また やりすぎると布生地の膨らみ感が減ってしまいます。

余談ですが、ピルは”pill”と書いて 動詞の意味に「毛玉にする」と言う意味があります。また 避妊薬のピルも同じスペルで 名詞は「丸薬、カプセル」や「経口避妊薬」の意味が、動詞では「・・・に丸薬を飲ませる、・・・を丸薬にする」と 言う意味があります。

参考:抗ピル加工

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

蛍光白 (ケイコウシロ) 白色の種類 生成り (キナリ)


通常 白色には3種類くらいあります。

  1. 蛍光白(ケイコウシロ)
  2. 通常の意味の白 自然白(オフ白)
  3. 生成り(キナリ アイボリー色 象牙色)

蛍光白は 男性のワイシャツの白のように、少し青みがかった 太陽光の下ではちょっと目に痛いくらいの白です。スノーホワイト(snow white)とか言われます。人工的な感じの白です。
蛍光剤が入ってますが、通常光を当てた後 暗いところに持っていっても 光るくらいの強い蛍光剤は入ってません。

(昔の洗剤には 白さを際立たせるために 青い染料が少し入ってました。今は 人工的な白さは嫌われるのか 入っていないようです)

通常の意味の白は 普通自然界で見られるような白色で、蛍光剤の入ってない白色の紙は この色です。(白い紙には 多くの場合多少の蛍光剤入ってます) 合成繊維キュプラなどの再生繊維 アセテートなどの半合成繊維の染めてない布生地(オフ off オフ白)は この色になります。(糸本来の色で ほとんど通常の白色です)

生成りは天然繊維などに使われる色名で 糸の色そのままです。コットン(綿)やウール(毛)では 黄色っぽい白色になります。合成繊維や半合成繊維では 染めているのでアイボリー(象牙)色と 書かれている事も多いですが、「生成り」と表示されている場合もあります。

(ですので 合成繊維や半合成繊維で「生成り」と 書かれている場合や、天然繊維で「オフ白」と書かれている場合は 染料がついています)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ゴアテックス GORETEX


ゴアテックス(商標)は WLゴア&アソシエイツ社が製造販売する 有名な「防水透湿」とか「防水吸汗」とか 言われる素材です。

つまり 水は防ぐが湿度は通す為に、登山や雨の中を動き回っても 中が蒸れにくいようになってます。水滴が大きく 水蒸気(水分子)が小さい事を利用してます。(ついでに 風も防ぐのでウインド・ブレーカとしても使えます)

具体的には 素材に沢山の微細な穴を空けて(水蒸気分子は通れるが、水滴は通りにくい程度の大きさ) 、さらに撥水加工をほどこして 水滴をより通りにくくしてます。

ただ 表面が汚れてたり洗濯を繰り返したりして 撥水性が落ちると、水の膜になり 透湿性が大きく低下します。また 中にコットン(綿)の下着を着ていて ベトベトに濡れると、やはり同じように水の膜ができて 性能が大きく低下します。

ですので
・なるべく汚れないようにして 撥水性能低下したら洗濯しましょう。洗濯を繰り返して 撥水性が落ちてきたら、撥水加工などを依頼して 撥水性を回復させましょう。
・下着は コットン100%ではなく 吸湿速乾性のものを 着ましょう。(コットン100%のものは 吸湿速乾と表示してあっても 性能の低いものが多いそうです)

ゴアテックスのように 防水透湿性素材としては 東レ(株)のエントラントなども あります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

布生地の厚さの表現


通販の生地屋さん等で 良く見かけるのは、

  1. 厚さを測って書いてある(例:0.3mm等)
  2. 単位面積当たりの重さ(例:125g/㎡、14オンス、16匁等)
  3. 用途を明記(例:薄地-ブラウス・シャツ用 中肉-ドレス・スーツ等 厚地-ジャケット・オーバー等)

でも どのような書き方でも、一般消費者の方は しっくりこないと思います。わたしでも 厚さ0.3mmなんて 書かれても、思っている用途に合うのか 見当がつかないです。(同じ種類の布生地で 知っているものとの比較にはいいでしょうが)

結論から書きますと、実サンプルを取り寄せて 【 ご自身で判断いただく 】のが一番です。
(小さなサンプルと 2~3mの大きな布生地では 色同様 印象が多少変わりますが、色ほどの印象の違いは 厚さの場合少ないと思います)

生地屋でも 頭を悩ませております。よく「普通の厚さの布生地」とか 言われましても、普通の尺度は それぞれ違うと思うのです。

また 同じ厚さでも 膨らみ感のあるエアリーな布生地と、コート素材のような中身がしっかり詰まった布生地では、厚さの感じが当然変わってきます。

単位面積当たりの重さでも 膨らみのある布生地は軽く感じますし、中身がしっかり詰まっていると重く感じます。

透け感も 下記の写真のように、白や淡色は かなり布生地が厚くても 透けますし、濃色は透けません(写真は 同じ布生地です。写真クリックでこの布生地の詳細へ飛べます)。

2重織ジョーゼット 淡色は透ける

2重織ジョーゼット 淡色は透ける

2重織ジョーゼット 中色(淡色と濃色の間)は透けにくい

2重織ジョーゼット 中色(淡色と濃色の間)は透けにくい

2重織ジョーゼット 濃色は透けない

2重織ジョーゼット 濃色は透けない

厳密には、同じような布生地で 同じ厚さでも コシが強いと厚く感じられます。下記がその例で ほぼ同じ目付けと糸密度 全く同じ糸の太さでも コシのあるシャンブレー・サテンの方がほんの少し厚く感じられます。
(わたし自身も お客様からご指摘されるまで 同じだと思ってました。ご指摘されて 改めて触ってみると、本当にシャンブレー・サテンの方が ほんの少しですが厚く感じます)

コシが弱いので ほんの少し薄く感じるサテン・クレープ

コシが弱いので ほんの少し薄く感じるサテン・クレープ

コシが強いので ほんの少し厚く感じるシャンブレー・サテン

コシが強いので ほんの少し厚く感じるシャンブレー・サテン

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

色の見え方が大きさの大小で変わる


よくお聞きするのですが、
無料サンプル請求でもらった名刺大のサンプルの色と、実際に購入した布生地(だいたい2~3m以上)の色の 印象が違って見えます。」

全部の色ではないですが、確かにこのような事があります。並べて比べると 同じ色なのですが、大きなサイズで見ると 微妙に違う色に見えるのです。これは布生地に限らず どの商品でもそう言う事があります。(例えばタイルや 壁の色等) お含み置きくださいませ。

また ご存知の方も多いと思いますが、パソコンや紙のカタログで見た色と 実物の色は違って見える事が多いです。これも 色の性質上避けられない事で どの説明にも「色は実物とは違って見える事があります」と 但し書きが書いてあります。

それと 布生地もそうですが、他の商品も 通常製造ロットによって 微妙に色は変わります。これも色の性質上 避けられない事ですので ご了承いただけませんでしょうか? 詳しくは下記を参照してくださいませ。
後から買いに行った布生地の色が微妙に違う

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

巾の広い布生地 幅の広い


よく2mの巾の布生地がないかとか、3mの巾とか 問い合わせがあるのですが あまり世の中には 存在してません

汎用の用途としては カーテン等ありますが、カーテンは検査基準が大変厳しいため 無地の巾の広いカーテンは ほとんどありません。(プリント柄や織柄を入れて 多少の欠点は目立たないように最初から設計してあります。巾の広い布生地ほど 欠点が入りやすいです) あっても非常に高価です。

織物では2m以上の巾の布生地は わたしは ほとんど見たことがないです。弊生地屋の売っている布生地でも 最大巾1.47mです。ニット(編物)では 2~3mの巾の布生地が稀に あるようですが。

巾の広い布生地を織ったり 編んだりする機械や、それを 染めて仕上げる機械の最大巾が決まっているので 巾の広い布生地を作る事は 簡単にはいかないのです。(数多くある全部の工程の機械を 巾の広いものに買い換えたり、そう言う設備のある会社に外注する必要があります)

ですので 通常は、巾の狭い布生地を 縫い合わせて 巾の広い布生地を作ります。詳しくは 下記を参照してくださいませ。
巾147cmを越える生地(布地)は販売(通販)しているの

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

家庭用漂白剤とは


布生地の家庭用漂白剤には 2種類あります、塩素系と酸素系です。両方とも強酸化剤で 酸化して、色素の性質を変えたり 分解したりして漂白します。(染め加工の漂白については 次をクリックしてください。工業的漂白とは

1)塩素系
効果が強いのは塩素系です。柄物や色物は 色が薄くなるので お奨めできません、白いものだけです。あまり濃い液につけたり、適性濃度でも何度も漂白したりすると 布生地自体も傷みます。(強度も落ちて 破れやすくなります)

また 塩素系は酸性のトイレ用洗剤などと 混ぜて使用すると、猛毒の塩素ガスが発生して大変危険です。(死亡者も実際に発生しているようです) 容器にも書いてありますが、絶対に混ぜて使用しないでくださいませ。
(通常のアルカリ性洗剤や中性洗剤等は 混ぜてもOKです。効果が促進されるようです。よくわからない場合は 混ぜないでくださいませ)

嘔吐物のついたものを漂白する場合も 胃酸と反応して塩素ガスが発生する恐れがあります。ですので、あらかじめ嘔吐物は水などで よく洗い流してから 漂白してくださいませ。

2)酸素系
酸素系は塩素系よりも効果が落ちますが、柄物や色物と 一緒に使えます。また 酸性の洗剤等と一緒に用いても 塩素ガスが発生することはありません。

酸素系でも 多少は布生地を傷めるので 過度の使用はお奨めできません。汚れは落ちてますが、色が白くなるほどに完全に落ちているわけでもなさそうです。(分解されて 色が見えなくなって残った汚れもあるようです)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。