片撚りとは、右か左撚か 片方だけに撚り(ひねり)をかけた糸の事です。
フィラメント糸の場合、無撚りか ほとんど撚りのかかってない単糸を 2~3本撚り合わせることを言います。その撚り合わせた糸を「片撚り糸」と言います。
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。
銘仙とは(メイセン)、経糸(タテイト) 緯糸(ヨコイト)とも、精練した玉糸の諸撚り糸(モロヨリイト) または片撚り糸、あるいは絹紡糸(ケンボウシ)を用いて、平織りに織った練絹織物(ネリキヌオリモノ)です。
柄は縞 絣(カスリ)、または、経糸捺染(タテイトナセン)による解し模様もあります。解し模様では 柄の境界がぼけるような 柔らかい見栄えとなり、大正から昭和の初期にかけて大流行し、全国に広まりました。
(締切絣(シメキリカスリ)、捺染絣(ナッセンカスリ)なども あるようです)
女性の普段着 お洒落着のような実用着物として、第二次世界大戦前まで 広く使われてましたが、最近は少なくなってきています。
伊勢崎銘仙、足利銘仙、秩父銘仙などが 有名です。下記の写真は足利銘仙さんのホームーページより 借用しています。
銘仙の文字は江戸末期から明治初めにかけて使われはじめましたが、それ以前は目専、目千、名撰、蠒繊と書いたそうです。《守貞漫稿》では蠒繊を〈メイセン〉〈メンセン〉と呼び 「塵埃(ジンアイ)つかず丈夫なので天保頃より用いる」 と書かれているそうです。
元々は 養蚕農家が出荷できない残り物の繭から 自家用に生産していたそうです。玉糸や絹紡糸を用いるのは その為ですね。 カジュアルで粗野な外観になります。
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中形染とは(中型染とも書く)、元々中型紙(鯨尺3寸7分~7寸5分 1鯨尺=3.785cm、大型紙 小型紙の比較から中型と言われた)によって染めた柄の名称ですが、現在は型紙の大きさに 関係なくなっています。
おもに夏用の木綿ゆかたに用いられたので、ゆかたの別名ともなりました。染め方は 下記(株)竺仙さんの説明が分かり易いです。
長板中形(ナガイタチュウケイ)
染法は長板(捺染板,約9m)に敷きのり(糊)をして生地をはりつけ、型紙を置いて防染のりをおき、表型付が終わると生地をはがし、長板の反対面に裏返し てはり、型紙を裏返して裏型付を行います。型付を終わって乾燥した生地に豆汁(ごじる 大豆をすりつぶした乳白色の液)を引き、藍瓶(あいがめ)に数回つけ て染め上げます。(ここでは 藍染を例に挙げてますが、他の染料でも可)
大変面倒ですが、両側から 防染の糊付けを行わないと、柄がくっきり出なかったり 表裏が出来たりします。また 型紙の表裏を 張り替えるときに、柄がずれると 不鮮明な柄になったりします。
絵画的な図柄が多く、地染に模様を白く染め抜いたものと、地白に色模様を染め出したものの2種があります。
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注染とは、型紙を用いて防染糊(のり)をつけた布を重ね、染料を注いで下から吸い取って染める技法です。染める部分に土手を作り、その土手の内側に染料を注いで布を染めます。そのため 次の様な利点があります。
防染(ボウセン)方法の一つです。主に、手ぬぐいや浴衣などを染めるのに使われます。「注いで染める」ので、注染と言われるようです。
JIKAN STYLEさんの 下記の動画がわかりやすいです。
板締め防染とは、注染の一種で 凹凸が合うように模様を彫った2枚の板の間に 織物を挟みこみ、強く締め付けて 染料を注ぎ込みます。凸の部分には 染料が入らず、凹の部分だけ染まります。下記のページがわかりやすいです。
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解し織りとは、経糸捺染(タテイトナセン)とも言い、絣(カスリ 経絣(タテカスリ))の一種です。経糸の模様が 細かくかすれて上品な感じになります。次のようにして 作ります。
3.のように 再び織るので、再織りとも 言います。写真付きの 工程が下記にあります。
ほぐし織りの工程
有名な銘仙(メイセン)に この方法が良く使われてます。下記写真は 「足利銘仙プロジェクト」より 拝借しています。
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ポリプロビレン繊維とは、プロピレン(石油精製の副生ガスに含まれる)を重合させた熱可塑性樹脂から作った繊維です。強度も強く 吸湿性もなく耐薬品性(酸 アルカリを含む)にも優れています。
染色性が悪く、耐光性も低いため ファッション衣料には 向いていません。ニードル・パンチなどでカーペットなどに使われる時には 樹脂の段階で顔料を入れた 原着繊維(染まった糸)が使われます。
ウィッキング性(毛細管現象により水分を運搬する能力)に 優れているので、汗を蒸発させる肌着や靴下 Tシャツなどに使われてます。(汗をかいても あまりベタつかない。ただ あまり店頭では、私は見かけた事が ありません)
生産量はビニロンよりも多いのですが、ほとんど産業用資材用途に使われてます。商標には パイレイン(三菱レイヨン(株) 東洋紡績(株)) ポリプロ(日東紡績(株) 大和紡績(株))があります。(現在は 生産を止めていたり 社名が変わっていたりすると思います。東洋紡績以外の会社は 商標と会社名を検索すると 1年以内(2013.09.24より)の記事が 出て来ました)
汎用樹脂の中では、最高の耐熱性で、比重(0.91)も最も小さく水に浮かぶ 数少ない繊維です。
(衣服などは 空気を含んでいるので 一見水に浮かぶように見えますが、ポリエステルやナイロン自体は 水に浮かびません。汎用樹脂の中で 最高の耐熱性と言っても、コットン(綿)などに比べると はるかに熱に弱いです。また ポリプロピレンの繊維は、100%ポリプロビレンの樹脂と違って 耐熱性は弱いようです)
化学式は 下記になります。樹脂の性質等 詳しくは次をクリックしてください。 ポリプロピレン
(CHCH3CH2)n
原料樹脂(ポリマー)の価格は ポリエステルより少し安い(このブログを執筆時点(2013.09.24)で5%程度)のですが、紡糸設備等の投資コストが ポリエステル等は安いので あまり優位性はなくなってます。
ポリエステルやナイロンは 20年以上の開発の歴史があり、細さ、光沢、断面に改良が加えられ、抗菌、UVカット、吸湿、深染、芳香、ビタミンなどの機能が 付与されていて、圧倒的に優位になってます。
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防染とは、布生地に染料が染めつかないようにすることです。糊等(防染剤)を使って 初めから染まらない部分を作って、反染め(通常の染加工)したり 捺染(プリント)したりします。
防染の染方法には、大別して下記のような方法があります。
防染剤(方法)の種類としては、下記のようなものがある。
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絣とは、部分的に染め分けた糸(絣糸、多くの場合 縛ったりして防染し班に染める)で 織った織物の総称です。ところどころ かすったような模様が見られるので、絣(カスリ)と 呼ばれます。
これに類した織技は 東南アジアをはじめ世界各地にみられ、マレー語で「縛る、括る」を意味する「イカット」(ikat)で呼ばれています。非常に多種多様な種類があります。
絣織物の一部の例(写真)は 下記にまとめられてます。下記写真は ここから 拝借してます。
さく楽日記 絣
絣糸を経糸に使用するものを 経絣(タテカスリ)、緯糸に用いたものを 緯絣(コカカスリ)、両方に使用したものを経緯絣(タテヨコカスリ)と呼びます。
国内には、
柄により、十字絣(ジュウジカスリ) 井桁絣(イゲタカスリ)、亀甲絣(キッコウカスリ)などがあります。
産地により、久留米絣(クルメカスリ) 伊予絣(イヨカスリ) 備後絣(ビンゴカスリ)などがあります。
製法により、締切絣(シメキリカスリ) 織締絣(オリシメカスリ) 板締絣(イタシメカスリ) 摺込絣(スルコミカスリ) 経糸捺染(タテイトナセン)
などが あります。
絣は現在でも日本各地で織られていて、洋服・ネクタイ・鞄・壁掛けなどの装飾やその他小物などにも利用されています。しかし、生産に手間がかかるため割高であるにもかかわらず、もともと普段着(大島紬のように。ただ大島紬は もう高級品になってます)の素材のため高級品とは見なされず、需要は伸びていないそうです。いずれも少数の織元が細々と生産するにとどまっているそうです。
糸を防染して班に染めるやり方は 下記にあります。
絣(かすり) 西陣織
発祥の地は インドと言われています。タイ カンボジア インドネシア ベトナムを経て 琉球(沖縄)経由で、日本に伝わったようです。
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