ポリプロビレン繊維とは (polypropylene)


ポリプロビレン繊維とは、プロピレン(石油精製の副生ガスに含まれる)を重合させた熱可塑性樹脂から作った繊維です。強度も強く 吸湿性もなく耐薬品性(酸 アルカリを含む)にも優れています。

染色性が悪く、耐光性も低いため ファッション衣料には 向いていません。ニードル・パンチなどでカーペットなどに使われる時には 樹脂の段階で顔料を入れた 原着繊維(染まった糸)が使われます。

ウィッキング性(毛細管現象により水分を運搬する能力)に 優れているので、汗を蒸発させる肌着や靴下 Tシャツなどに使われてます。(汗をかいても あまりベタつかない。ただ あまり店頭では、私は見かけた事が ありません)

生産量はビニロンよりも多いのですが、ほとんど産業用資材用途に使われてます。商標には パイレイン(三菱レイヨン(株) 東洋紡績(株)) ポリプロ(日東紡績(株) 大和紡績(株))があります。(現在は 生産を止めていたり 社名が変わっていたりすると思います。東洋紡績以外の会社は 商標と会社名を検索すると 1年以内(2013.09.24より)の記事が 出て来ました)

汎用樹脂の中では、最高の耐熱性で、比重(0.91)も最も小さく水に浮かぶ 数少ない繊維です。
(衣服などは 空気を含んでいるので 一見水に浮かぶように見えますが、ポリエステルナイロン自体は 水に浮かびません。汎用樹脂の中で 最高の耐熱性と言っても、コットン(綿)などに比べると はるかに熱に弱いです。また ポリプロピレンの繊維は、100%ポリプロビレンの樹脂と違って 耐熱性は弱いようです)

化学式は 下記になります。樹脂の性質等 詳しくは次をクリックしてください。 ポリプロピレン
(CHCH3CH2)n

原料樹脂(ポリマー)の価格は ポリエステルより少し安い(このブログを執筆時点(2013.09.24)で5%程度)のですが、紡糸設備等の投資コストが ポリエステル等は安いので あまり優位性はなくなってます。

ポリエステルやナイロンは 20年以上の開発の歴史があり、細さ、光沢、断面に改良が加えられ、抗菌、UVカット、吸湿、深染、芳香、ビタミンなどの機能が 付与されていて、圧倒的に優位になってます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

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