月別アーカイブ: 2012年8月

ヤング率とは(Youngs modulus) 弾性率(ダンセイリツ)


ヤング率とは、初期引っ張り抵抗度です。最初引っ張る力に比例して伸び、力を緩めると 元の長さにバネのように戻ります(弾性変形 ダンセイヘンケイ)。ですが ある力の限界を超えると もう元の長さには 戻りません(塑性変形 ソセイヘンケイ)。この限界まで伸ばした時(弾性変形内)の抵抗率(「力/伸び」の比)を ヤング率とか弾性率見かけヤング率などと言います。

大きいほど 堅いコシのある繊維と言う事になり、この値の大きいコットン(綿)や ポリエステルはコシや張りのある布生地になりますが、引裂き強度は弱くなります(もろい)。この値の低いナイロンなどは コシのないダラリとした感じになりますが、引裂き強度は増します。

(ナイロンがパラシュートに使われたり、アラミド繊維(ケブラー等)登場前の防弾チョッキ(バリスティック・ナイロン)などに使われたのは、強度もさることながら その強い引裂き強度の為です。強度的には ポリエステルの方が強いです)

ナイロンは結晶化度が ポリエステルに比べて低いので 低ヤング率となります。「ヤング」と言う名称は トマス・ヤング(Thomas Young)に由来します。

皆さんには あまり馴染みはないかも知れませんが、大変重要な物性値の1つで 繊維の物性表には必ず載っています。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

反内縫製とは(タンナイホウセイ)


反内縫製とは、一反内で一個の製品(洋服)を作る事を言います。通常は反内縫製を厳密に守ります。

染ロットごとに 微妙に色が違ってしまう(注1)事があります。また 同一染ロット内でも、中の数反の色が微妙に違う事がありえます。(生機(きばた)の生産時期が 大きく離れてたり、原料の糸のロットが違っていたり等)

(注1:例えば グレー色なら同じグレーなんですが、微妙に赤っぽかったり 青っぽかったり)

色が微妙に違う為の欠点(例:身頃と袖色が微妙に違う等)を避けるために、一反内で一個の製品を作ります(反内縫製)。例えば用尺(ヨウジャク)3mのドレスを作るとして 一反46mなら
46/3=15.333・・・

なので 15着のドレスを作り、残った1mは もったいないですが、使わないのです。
(欠点等で そこを避けて裁断した場合は 話しが違ってきますが。通常は欠点等のロス率も見込んで用尺を決めます。布生地は無欠点ではありませんので)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

中希とは(チュウキ listing)


中希とは、一反の布生地(無地染め)の中で 色が微妙に違う事を言います。多くの場合 両耳端と中央部分の色が違います。非常に稀にですが、一反の巻き始めと巻き終わりで 中希になる場合もあります。

主に染色工程の原因が多いですが、稀に生機が原因(一反の製織中に緯糸の製造ロットが変わった等。製造ロットが違うと染まり具合も違う時があります)の場合もあります。

(通常は 一反の布生地の中では、色が微妙にでも 違う事はない筈です。それで反内縫製と言って 一反内で一個の製品(洋服)を作ります)

中希(チュウキ)が発生していると、例えば見ごろと 袖の色が微妙に違う(縫い合わせた縫い目に顕著に現れる)と 言う欠点が発生します。

(余談ですが、染ロットが異なる布生地間で 厳密に同じ色になる事は 稀ですので、ご注意くださいませ。詳しくは 下記を参照してくださいませ。(淡色や黒等は 違っていても目立ちにくいです)
後から会に行った布生地の色が微妙に違う! )

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ジュートとは(jute) 黄麻とは(コウマ)


ジュートとは、黄麻(コウマ)とも言い シナノキ科に属する植物の靭皮部分(ジンピブブン 外皮のすぐ内側にある柔らかな部分)からとった繊維で、の一種です。

耐水性には乏しいのですが、強度や光沢があり 紡績もしやすいので大量生産できます。用途は梱包袋 リノリューム(建材の一種で床材などに使われる)の基布 カーペット ベルト バックなどです。

衣料用には ほとんど使われません。主産地はインドやバングラディシュ等です。

ジュート生産の過程で出る廃棄物の処理が環境にかけるコストは少なく、またジュート製品自体の生物分解性が高いことから、近年は環境への負荷が少ない素材としても注目されています。新しいうちは かなりニオイがしますが、使用するにしたがって 徐々に薄れていきます。

下記のお店のように フェアトレードとして ジュートバック等が、バングラディシュやネパール等から輸入されいて 現地の学校が作られる一助になったりしてます。
Ajee(アジー)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。