織機とは 織物を織る機械です。布生地は大きく3つに分類されますが、その内の一つ 織物を織ります。
経糸(タテイト)を織物の巾の分だけ 引きそろえて(整経 セイケイと言います)、経糸を上げ下げしながら 緯糸(ヨコイト)を通します。
(上げ下げの方式によっても、平織織機 ドビー織機 ジャガード織機に大別されます)
当初は手機(テバタ)と言って 手で緯糸(ヨコイト)を挿入して織物を織っていたのですが(ですから 非常に手間がかかり、王侯貴族とか大金持ちしか沢山持てませんでした。布生地も貴重品で 使い古しの衣類も 何度もほどいて作り直したりしてました)、産業革命で蒸気機関が実用化されると その動力を利用するようになりました。
(古い織機の説明の詳細は Wikipediaの織機の項を参照してくださいませ)
そのうちにモーターを利用するようになりましたが、蒸気機関同様1台の大きなモーターで 天井から長いベルトで 1台1台の織機を 何台も動かしてました。危険なのと伝達ロスも大きい等の理由で 1台の織機に1台のモーターになって行きました。
その頃の織機は 緯糸がなくなると 感知して自動的に織機が止まりました。これでは生産性が悪いので 日本の豊田佐吉氏(後にトヨタ自動車(豊田佐吉の長男 喜一郎氏が創業)を生み出す 豊田自動織機製作所の創業者)が 苦労して特許をいくつも取りながら、緯糸がなくなると自動的に交換する自動織機(自動的に交換するので自動織機)を開発していきました。
(これに対して 緯糸がなくなると止まる従来の織機を その頃は普通織機と称してました。シャトルレス織機全盛の今では 自動織機を普通織機と言います。また 変わるかも知れませんが)
この頃までの織機は スペース・シャトルの語源となったフライ・シャトル(日本語名「飛び杼(トビヒ)」)を使って 緯糸を入れてました。経糸の間を 行ったり来たりする姿を、宇宙と地球を往復する様子に なぞらえたものと 思われます。
それからフライ・シャトルを使わない シャトルレス織機も開発され(「ルーム」は織機と言う意味の英語です。下記のリンク先は適当な説明が検索で 出てこないので、特定メーカーの特定機種にリンクしています。ですので 近い将来リンク切れになると思います。その時は「ウォータージェットルーム」等のキーワードで検索してくださいませ)、
- 水の力で緯糸を飛ばす、ウォーター・ジェット・ルーム
- 空気の力で緯糸を飛ばす、エアー・ジェット・ルーム
- 長い棒のようなもので 緯糸を入れる、レピア・ルーム
- 弾丸のような金具に 緯糸を引っ掛けて入れる グリッパー・ルーム
(発売しているのは スルザーと言う会社の販売している織機しかありません)
などがあり、現在では発展途上国でもシャトルレス織機が主流で 織物を高速で生産してます。
この他にも 織物の生産性を飛躍的に上げると言われている 多相織機(一度に全部の経糸を上げ下げするのではなく、いくつもの相に分け部分的に 上げ下げしていきます。銃身がたくさんあった 初期の頃の機関銃のような感じです)が実用化されようとしています。
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。