日別アーカイブ: 2012年4月23日

織機 (ショッキ ルーム loom)


織機とは 織物を織る機械です。布生地は大きく3つに分類されますが、その内の一つ 織物を織ります。

経糸(タテイト)を織物の巾の分だけ 引きそろえて(整経 セイケイと言います)、経糸を上げ下げしながら 緯糸(ヨコイト)を通します。
(上げ下げの方式によっても、平織織機 ドビー織機 ジャガード織機に大別されます)

当初は手機(テバタ)と言って 手で緯糸(ヨコイト)を挿入して織物を織っていたのですが(ですから 非常に手間がかかり、王侯貴族とか大金持ちしか沢山持てませんでした。布生地も貴重品で 使い古しの衣類も 何度もほどいて作り直したりしてました)、産業革命で蒸気機関が実用化されると その動力を利用するようになりました。

(古い織機の説明の詳細は Wikipediaの織機の項を参照してくださいませ)

そのうちにモーターを利用するようになりましたが、蒸気機関同様1台の大きなモーターで 天井から長いベルトで 1台1台の織機を 何台も動かしてました。危険なのと伝達ロスも大きい等の理由で 1台の織機に1台のモーターになって行きました。

その頃の織機は 緯糸がなくなると 感知して自動的に織機が止まりました。これでは生産性が悪いので 日本の豊田佐吉氏(後にトヨタ自動車(豊田佐吉の長男 喜一郎氏が創業)を生み出す 豊田自動織機製作所の創業者)が 苦労して特許をいくつも取りながら、緯糸がなくなると自動的に交換する自動織機(自動的に交換するので自動織機)を開発していきました。

(これに対して 緯糸がなくなると止まる従来の織機を その頃は普通織機と称してました。シャトルレス織機全盛の今では 自動織機を普通織機と言います。また 変わるかも知れませんが)

この頃までの織機は スペース・シャトルの語源となったフライ・シャトル(日本語名「飛び杼(トビヒ)」)を使って 緯糸を入れてました。経糸の間を 行ったり来たりする姿を、宇宙と地球を往復する様子に なぞらえたものと 思われます。

それからフライ・シャトルを使わない シャトルレス織機も開発され(「ルーム」は織機と言う意味の英語です。下記のリンク先は適当な説明が検索で 出てこないので、特定メーカーの特定機種にリンクしています。ですので 近い将来リンク切れになると思います。その時は「ウォータージェットルーム」等のキーワードで検索してくださいませ)、

などがあり、現在では発展途上国でもシャトルレス織機が主流で 織物を高速で生産してます。

この他にも 織物の生産性を飛躍的に上げると言われている 多相織機(一度に全部の経糸を上げ下げするのではなく、いくつもの相に分け部分的に 上げ下げしていきます。銃身がたくさんあった 初期の頃の機関銃のような感じです)が実用化されようとしています。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。