日別アーカイブ: 2012年4月20日

ナイロンとは? ナイロン織物とは?


ナイロンとは、合成繊維の1つで ポリアミド樹脂と言う非常に強い樹脂を糸にしたものをナイロン繊維と言い、それで織った織物をナイロン織物と言います。世界最初につくられた合成繊維です。

シルク(絹)やコットン(綿)の靴下が 破れやすかったのですが、ナイロンで作られたそれらは 大変丈夫で破れにくかったのです。当時
「石炭と水と空気から作られ、鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い」
と 言うキャッチフレーズでストッキング等良く売れました。

ナイロン樹脂自体の物性や化学式はここをクリックで調べられます。

ナイロン繊維には化学式の1つの単位の中に 6個炭素がつながった「ナイロン6」(6ナイロンとも言われます)と 6+6個つながった「ナイロン6,6」(66ナイロンとも言われます)があります。

ナイロン6,6の方が物性的には優れています(大差はありませんが)。ナイロン6は日本が開発した繊維ですが 第二次世界大戦に負けたせいもあり、一時は日本独自開発とは認められなかったそうです。

非常にきれいな色に染まります。ですが 淡色は他の揮発成分を吸収(ナイロンは吸着しやすい性質があります)して黄変しやすいです。ダンボールに長期間入れておいただけで 黄変する事もあります。ダンボール紙に含まれる「リグニン」を吸着するためです。

濃色も実際は吸着しているのですが、わかりにくいだけです。中~濃色はナイロン製 薄い淡色はポリエステル製と言う事もあるそうです。

また 染料が酸性染料なので ポリエステルの分散染料と違って 他の樹脂に色移り(移行昇華と言います)しにくいです。

それで 樹脂とのコーティング(塗布)ラミネート(貼り合せ)に向いた素材で スポーツ用途に多く使われています。ただポリエステル等と比べますと 紫外線には弱く 長期間屋外にさらしておきますと劣化します。
(ですので、同じ製品でも白色などの淡色系は ポリエステル製を使う事もあるそうです)

また ポリエステルより粘性が強く 引き裂きに強いので(結晶性が低いので柔らかい)、パラグライダーやパラシュート エアーバックなどの安全性が要求される用途に使われる事もあります。

生地屋では ナイロン織物の取扱はございません、大変申しわけございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。