布生地の名前」カテゴリーアーカイブ

ファイユとは(faille 仏語)


ファイユとは、

  • 経糸に 無撚糸または甘撚糸(撚糸回数400T/m以下)
  • 緯糸に 太い中強撚糸(撚糸回数1,500~2,000T/m)を使用
  • 平織りで 密に織った織物

で、緯に細かい線が見えます(下の写真参照。この写真は繊維業界検索なびより 拝借してます)。ファイユグログランオットマンの順に緯畝(ヨコウネ 緯の線の事)の巾が広くなります。

(ファイユは緯畝のピッチは目安0.5mm以下程度です。あくまでもアバウトな目安ですが、グログランは1mm程度 2mmを越えるようになると オットマンと呼ぶようです)

ファイユ faille

ファイユ faille

しなやかでコシがありますが、デシンジョーゼットなどに比べて 緯(ヨコ)に張る(緯糸に太い糸を使っている為)ので ドレープ性にはやや劣ります。(綺麗なひだ等が出にくい)

婦人服のワンピースやコート等、フラメンコ等のダンス衣装、帽子用等に 多く用いられます。

大変申しわけございませんが、弊生地屋での取り扱いは ございません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

コースとは(course) ウエールとは(wale)


コースとは、ニット地(編物)で 巾の方向(緯)に 連結した網目の事です。長さ方向(経)の網目の連結は ウエールと言います。

コースは ゴーズ(gauze)と間違えやすいと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ゴーズとは(gauze)


ゴーズとは、次の3つの場合があります。空気の良く通る 薄い布生地を指すようです。

  1. 紗(シャ)絽(ロ)のような「からみ織」の事。一般に シルク(絹) 化学繊維 コットン(綿)を使うことが 多い。レノとも言い 狭義には絽の事を 指すことが多い。
    .
  2. コットン(綿)の平織ガーゼの事。
  3. メリヤスの薄地の事。

紗や絽の織組織と、布生地の写真を掲載しておきます。(これは 静岡濾布と言う会社のサイトから拝借しています。画像クリックで同社の詳しい説明が見れます)

紗 路 羅の説明

紗 路 羅

ニットの「コース」(course)とは 濁点がつかないだけですが違います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ピケとは ピッケとは (pique)


ピケとは(又はピッケ)、下の写真のように 経畝(タテウネ)になった織組織です。

ピケ(繊維業界検索なびより)

ピケ(繊維業界検索なびより)

(写真は 繊維業界検索なびより 引用させていただいてます)

畝の細いものを ピンホール・ビケ(pinwale pique)、太いものを ワイド・ピケ(wide-wale pique)とも呼んでいます。(通常 緯二重織の織組織で作ります)

また このふくらみが細長い菱形とか (経方向だけでなく)柄状になったものを 紋ピケジャガード織)と呼びます。

英語表記が”pique”であることからも「ピケ」が 正しいカタカナ表記だと思われます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

デニムとは(denim)


デニムとは、経糸に綿(コットン)の20番手 双糸(太さはおおよそ10番手になります)、緯糸未晒糸(ミザラシ 漂白してない糸)の経糸よりも細めの綿糸を入れて 綾織(ツイル)に織った織物の総称です。

厚手のごわごわした生地が多いです。同じ綾織で やや薄めの生地を葛城と言う事もあります。厚さは 1平方ヤード(0.84㎡)の重さオンス(OZ   1OZ=28.3g弱)で表されます。

経糸を紺色に染めた糸を 用いたものが代表的で、ジーンズ(ボトム)や鞄などに使用されてます。最近はジーンズの事を デニムと言う事も多くなってます。経糸が太く表に沢山出ているので 紺色っぽく見えます。通常ジーンズには 14OZ前後の厚さの布生地が使用されてます。

デニムの語源は フランス語のセルジュ・ドゥ・ニーム(serge de Nimes ニーム産のサージ生地)だと言われてます。

(余談ですが、エドウィンビッグジョンも アメリカのブランドみたいですが(わたしも以前は そう思ってました)、実は純日本ブランド(両社とも 発祥は岡山県倉敷)です。

エドウィン:「江戸(東京)で勝つ」をもじって つけたとか。
ビッグジョン:創立者の尾崎小太郎氏が、太郎が日本でよく知られた名前で ジョンもアメリカでよく知られた名前なので 「リトルジョン」と考えたそうですが、リトルでは大きな商売が出来ないと 「ビックジョン」にしたとか)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

葛城とは(カツラギ drill)


葛城とは、双糸の太い糸を使ったツイル(綾織)の綿(コットン)織物の事です。同じツイルのデニムよりは やや薄い布生地になります。現在は主に3/1のツイル織組織になってます。(以前は3/2もあったらしいが 今はほとんどないらしいです)

太い綾目と呼ばれる 斜めの線が布生地に見えます。ワーキング・ウェア(作業服)やパンツ(ズボン)に 主に使われてます。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

クレープとは(crepe)


クレープとは、本来は糸の撚(撚糸)が ほどける(解撚)のを利用して 表面に細かいさざ波状の凹凸が現れている布生地の事です。ですが、撚糸を利用しなくても 表面に細かい凹凸のようなものが見えれば クレープと言うようです。

この凹凸は シボとも呼ばれます。縮緬(チリメン)は 代表的なクレープ織物です。(クリックで この縮緬の詳細ページへ飛べます。購入する事も可能です)

縮緬の表面の大きい凹凸(シボ)

縮緬の表面の大きい凹凸(シボ)

縮緬の凹凸はかなり大きめですが、虫メガネで拡大しないと 見えないほどの小さな凹凸の場合もあります。下記がその例です。
(同様にクリックで これらの布生地の詳細ページへ飛べます。購入する事も可能です)

シルデュー・デシンの細かいシボ

シルデュー・デシンの細かいシボ

シフォン・ジョーゼットの細かいシボ

シフォン・ジョーゼットの細かいシボ

縮緬ジョーゼットの中くらいの大きさのシボ

縮緬ジョーゼットの中くらいの大きさのシボ

(フランス語では “crepe” (e は上に点がつく) です)

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

バックサテン・アムンゼン(back satin amunzen) クレープ・バック・サテン(crepe back satin) バック・サテン(back satin)


バックサテン・アムンゼンとは、表面がクレープ(一般的にアムンゼン(梨地)組織) 裏面がサテンになった布生地の総称です。クレープ・バック・サテンとか 簡単にバック・サテンとも呼ばれます。

ですが、どちらの面も使えます(一般的に布生地は デザイナーさんが好きな面を使われます。企画・生産者が思っている面と 反対の面を使われる事も多いです)。また 身頃はクレープ 襟はサテンのように 1枚の布生地で2種類のような使い方もできます。

生地屋ストレッチ・サテンは この生地の一種で、両面使えます。(ただ 御注文時には どちらを使うかご指定くださいませ。そちら面を検査して出します。一般的に 布生地は片面しか 染め上がり後に検査しておりません)

下記画像クリックで この布生地の詳細(購入もできますし、無料サンプル請求もございます)へ飛べます。

バックサテン・アムンゼンの一種 ストレッチ・サテン

バックサテン・アムンゼンの一種 ストレッチ・サテン

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

シャンタン (shantung) サテン・シャンタン


シャンタンとは もともと絹(シルク)織物で、経糸に生糸(キイト) 緯糸に玉糸(不良まゆから製糸した節(フシ)のある生糸)を使って、緯方向に節が不規則に現れた平織織物です。

サテン(朱子)織組織に織ったものを サテン・シャンタンと言います。

現在は 絹製のものは ほとんど見ることはなく、合成繊維製のものが多いです。1本のフィラメント糸に もう1本のフィラメント糸を不規則に巻きつけて節にしたものや、紡績糸のスラブ・ヤーンを使って節を表現してます。

シャンタンの名称は 中国のシャントン(山東)省から来ています。

大変申しわけございませんが、弊生地屋での取り扱いはないです。

この記事は サテン生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

ドビー (dobby) ドビー素材 ドビー織 ドビー柄


ドビー素材とは ドビー織(柄)とも言われ、経糸(タテイト)を1回おきに交互に 上げ下げしないで織る織組織の布生地の事です。代表的な織組織に サテンツイル 梨地等があります。

(梨地を平織と 勘違いされてる問屋や小売店さんの方も いらっしゃいますが、平織で梨地は作れません。またドビーを織る機械(織機)で 平織は可能ですが、平織用の機械でドビー織はできません)

数ミリ程度の小さな柄とか 同じパターンの繰り返し(織柄で作る ストライプとかチェック)なら 可能ですが、大きな柄はできません。ネクタイやブランド・ロゴに使われるような大きな柄は ジャガードで作ります。

昼夜サテンやサテン・ストライプ・ジョーゼット(サテンとジョーゼット部分が 経ストライプになっている)などは ドビー柄の特徴的な布生地です。

(経糸を吊り下げる枠(ソーコーと言います)を ワイヤーで吊り下げている通常のドビー織機と、カムで枠を上げ下げするカム・ドビー織機と 呼ばれる2種類があります。
カム・ドビー機は高速で動かす事ができて 生産性は高いですが、柄や経糸本数の制限があります)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。