投稿者「kijiya」のアーカイブ

フルダルとは?(FD) セミダルとは(SD)、ブライトとは(B)


化合繊の糸の艶(光沢)の種類の事で 大きく次の3種類に分けられます。

  1. フルダル (FD, Fully Dull)
  2. セミダル (SD, Semi Dull)
  3. ブライト (B, Bright)

1.のフルダルが最も糸に光沢がなく、3.のブライトは一番光沢があります。2.のセミダルはその中間で 最も多く使われています。

フルダルはUVカット性能が高いのと 下着やパンツ(ズボン)等の透け防止に効果があります。ただ ビビットな(鮮明な)色は出にくいです。

ただブライトの糸でも 撚糸をかける事によって 幾分光らなくなります。

 

例えばブライトの糸でも 強撚をかける事によって、セミダルぽくなりますし、中撚をかける事によって 光沢はマイルドになります。(強撚、中撚は撚糸の項を参照して下さい)

フルダルの糸は 酸化チタン含有量が多いです。セラミックの主成分の1つで 昔はガイドに傷がつきやすい 糸道が出来る等 いろいろ問題が多かったですが、現在は改善されています。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

UVカットの生地とは?(ユーブイ) 紫外線カット


1)通常のポリエステル製の布でもかなりUV(紫外線)カット性があります。淡色より濃色(黒 濃紺 こげ茶等)がお奨めだそうです。下記クリックで参照できます。(2013.02.13現在 下記の記事は 削除されてるようです。非常に有用な記事だったので、大変残念です)
UV加工の生地について

「UVカット 生地 販売」で検索して捜しました。ただ誇大広告くさいところも多く(布生地で 光にかざして光が漏れていたら、100%のUVカットではありません) 上記のサイトは科学的に説明していて信頼できると思います。

 

2)当店でUVカット性の生地として下記があります。(CF7000とか MF7000は同じ生地です。2桁目以降が同じなら同じ生地です。CFはメータ売り MFは反売り品番です)
CF7000 MF7000
CF7012 MF7012 (廃版予定 残10色程度のみ。代換生地のMS7110は 糸がフルダルではありません。UVカット性が必要な場合は 上記のCF7000(MF7000)を お使いください)

フルダル(FD)と言われる糸にはUVカット性があります。ただ糸自体にUVカット性があっても、生地が透けているとカット性が低下します(糸と糸の隙間からUVが漏れます)。ですから良心的なメーカはあまり積極的に宣伝しません。上記の布は夏用の生地としては比較的透けにくく 糸と透けにくさの両方でUVカット性が高いです)

他の季節は少し厚い布地を使えば UVは簡単にカットされてしまいます(UVのように波長が短いと薄い厚さの生地で 簡単に遮断されます。暗い所から明るい所を見て全然透けない生地なら まず大丈夫でしょう)。

夏は上記の布をお使いになり、かつ下地と上に はおりもののようなデザイン(風も通って涼しいと思います)で 2重に布を重ねればUVカット性は高いと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

サッカーとは(sucker) ? シアサッカーとは(seersucker)  しじら織とは(シジラオリ)


サッカーシアサッカーも、じじら織も同じ意味です。

経糸に収縮率の違う糸を 何本かおきに配列して織ったものです。よく縮む糸の部分は平滑になり あまり縮まない糸の部分は ポコポコとうねってます。細かい経のストライプ状になったものが多いようです。

ポコポコして 肌に触れる面積が小さくなるので べとつかず、春夏の布生地に多く使われます。

(収縮差は 綿などの場合は、弱く撚りかけた糸(あまり縮まない)と 強く撚りをかけた糸(よく縮む)で出すようです。ポリエステルの場合は 高収縮の糸を使ったり、ストレッチ糸(よく縮む)を使ったりして 表現する場合もあります。

下記は製品写真から拝借してます。一部分しか使っておりませんので、版元さんご容赦くださいませ)

シアサッカーの布生地写真例

シアサッカーの布生地写真例

似たような布生地に リップルがあります。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

デニールとは(D)


デニールとは 化合繊やシルク(絹)の糸の太さの単位で、9,000m当りのグラム数。”D”(Denier)で通常あらわします。

”75D(デニール)”の糸は9,000m当り75gある糸と言う意味です。太さと言うと直径が思いうかびますが、細い糸を 厳密に計測する事は通常困難(また 長い長さ方向に多少ばらつきます)なので このような方法がとられてきました。

(最近ではこの呼び方を止めて、デシテックスと言う言い方に変わろうとしています)

例えば 下記の例のように(クリックで その布生地の商品ページへ飛んだり(詳細が見れます)、拡大写真が見れます)

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼットの透け感

50Dシフォン・ジョーゼットの透け感

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

75Dシフォン・ジョーゼットの透け感

75Dシフォン・ジョーゼットの透け感

50D(デニール)の方が 糸が細いので、薄く透けやすいです。 (50Dと75Dくらいの 差では 僅かの差しかありませんが)

綿やウールの糸の太さの「番手」と違って 大きいほど太い糸になります。番手は大きいほど 細くなります。
(番手は一定重量あたりの長さであらわしてます。ややこしい事に、綿 ウール 麻で全部一定重量が異なってます。すから 綿とウールで同じ40番手でも 太さは異なります)

余談ですが 公称75デニールでも、実際の糸の太さは 72~73デニール程度です。それでも 糸の取引は重量でしますので、別に不正なわけでは ありません。75D(デニール)で 計算した長さよりも 実際の糸の長さは 多少長くなるので 使う方も不都合はないわけです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

デシテックスとは(T) テックスとは


デシテックスとは 化合繊の糸の太さの単位で、10,000m当りのグラム数。”T”(deci Tex ”D”とすべきなのかも知れませんが それでは従来のデニール(D)と区別つかないため)で通常あらわします。

例えば”84T”の糸は10,000m当り84gある糸と言う意味です。本来”テックス”は1,000m当りのグラム数なのですが、10分の一の意味の”デシ”をつけて 8.4テックス=84デシテックスとあらわしています。

綿やウールの糸の太さの「番手」と違って 大きいほど太い糸になります。番手は大きいほど 細くなります。

デニール(D)から こちらの単位に変わろうとしています。面白いのは 数字の切りがいいのか 一部換算どおりの表示になってません。
30D = 33.333T  表示33T
50D = 55.555T  表示56T
75D = 83.333T  表示84T (本来83Tのはず)
100D = 111.111T  表示110T (本来111Tのはず)
150D = 166.666T  表示167T
あと 今まで習慣的にデニールを使って来たので、当分の間は下記のように商品名にはデニールが使われると思います。(50Dの方が薄い。50Dと75Dくらいでは 僅かの差しかありませんが。透け感の写真は クリックで拡大します)

50Dシフォン・ジョーゼット:MS7400

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼットの透け感

50Dシフォン・ジョーゼットの透け感

75Dシフォン・ジョーゼット:MS7100

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

75Dシフォン・ジョーゼットの透け感

75Dシフォン・ジョーゼットの透け感

 

将来的には

56Tシフォン ジョーゼット:MS7400
84Tシフォン ジョーゼット:MS7100

のように呼ばれる事に なるかも知れません。

余談ですが 公称84デシテックスでも、実際の糸の太さは 80~82デシテックス程度です。それでも 糸の取引は重量でしますので、別に不正なわけでは ありません。84T(デシテックス)で 計算した長さよりも 実際の糸の長さは 多少長くなるので 使う方も不都合はないわけです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

楊柳とは?(ヨウリュウ)


細かい経シワ(経方向の凹凸 楊柳シボとも言います)の入った織物です。肌に触れる面積が少なくなるので べとつかず春夏用の生地として主に使われます。

緯糸に片撚の強撚糸を入れることによって発現します。経緯(タテヨコ)に細かい経緯シワの入ったものをオジヤと言います。

下記が弊店の楊柳織物の例です。クリックで商品詳細へ飛べます。

玉虫の綺麗なシャンブレー楊柳

玉虫の綺麗なシャンブレー楊柳

MB9000:シャンブレー楊柳

(楊柳の経シワには エンボス加工をして 経シワを均一にしたものと、上記のMB9000のように エンボス加工をしないで 経シワがやや不均一なもの(ナチュラル楊柳)があります。エンボス型は 染加工場によって違う事が多く、同じ生機を加工しても 経シワの形状が異なる事もあります)

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

長繊維とは(チョウセンイ) フィラメントとは(filament)


フィラメント糸とも言い、一本の糸の 最初から最後まで1本の細い糸が途切れずに通っています。反対の言葉に 短繊維があります。

短繊維だけの繊維: 綿(コットン)、毛(ウール)、麻(リネンラミー。リネンとラミーは別物です)等

短繊維と長繊維の両方あるもの: 絹(シルク 短繊維は「絹紡糸」)、レーヨンポリエステル

注:ナイロンは 長繊維がメインで、短繊維を作ることは不可能ではないですが、あまり聞いたことがないです。
アクリルは 短繊維がメインで 長繊維は存在しますが、生地や製品等は一般にはあまり売っていません。

弊店の生地は ほとんど長繊維織物です。下記に代表的な生地を挙げておきます。

しわになりにくいサテン・クレープ

しわになりにくいサテン・クレープ

サテン・クレープ:MB8410

手触りの良いシルデュー・デシン

手触りの良いシルデュー・デシン

シルデュー・デシン:MB2000

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

繊細で丈夫な50Dシフォン・ジョーゼット

50Dシフォン・ジョーゼット:MS7400

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

巾の広い75Dシフォン・ジョーゼット

75Dシフォン・ジョーゼット:MS7100

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

タフタとは? (taffeta)


ポリエステルナイロン 生糸(キイト 絹)など 長繊維生糸(ナマイト)で織られた平織の密な織物の総称です。

(ナイロン・タフタの詳細は 次をクリックで。ここでは ポリエステル・タフタのお話中心です。
ナイロン・タフタとは? )

比較的付加価値は低いので 安い織物生地が多いです。すべりがよく適度な光沢がありますが、しわにはなりやすいです。

ポリエステルの場合は 経(タテ)糸 x 緯(ヨコ)糸の組み合わせが

  • 50D x 75D(デニール) (56T x 84T(デシテックス
  • 75D x 100D(デニール)  (84T x 110T(デシテックス)

仮撚加工等のしてないフィラメント糸生糸(ナマイト)とも言います)で 密に平織で織った織物です。

主用途は裏地ですが、安価なので いろいろなところに使われます。北陸地方の代表的な定番織物の1つです。

消費量が多いので 問屋さんによっては60~100色程度もの多数の色数を 揃えているところもあります(ほとんど 選ぶのに困るくらいです)。

50D x 75Dのタフタで 経緯の密度を吋(インチ )間で合計して190本タフタ(一般的) 210本タフタ(高密度 糸密度が多い)の2種類が代表的ですが、生産量は190本タフタの方が圧倒的に多いです。

超高密度タフタと言って 経緯の密度合計が400本前後(/吋 インチ) またはそれ以上(密度が多いほど 織るのが困難になる)の 大変付加価値の高い生地もあります。主にウインド・ブレーカやダウン、コート地などに 使われます。

元々シルク(絹)織物の名前一つでしたが、シルク製は 今ではほとんど見かける事は ないと思います。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

短繊維とは?(タンセンイ) スパン糸とは(spun yarn) ステープルとは(staple)


スパン糸、ステープルとも言い、細い短い繊維の糸を撚り合わせて(=紡績して)つくります。綿やウールは代表的な短繊維です。反対の言葉に長繊維があります。

短繊維だけの繊維: 綿(コットン)、毛(ウール)、麻(リネンラミー。リネンとラミーは別物です)等
短繊維と長繊維の両方あるもの: 絹(シルク 短繊維は「絹紡糸」)、レーヨンポリエステル

注:ナイロンは 長繊維がメインで、短繊維を作ることは不可能ではないですが、あまり聞いたことがないです。
アクリルは 短繊維がメインで 長繊維は存在しますが、生地や製品等は一般にはあまり売っていません。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。

一反の長さとは? (反の長さとは)


結論から書きますと 生地の種類などによって 規格長さはマチマチです。

弊店では 1反は46m規格(ex.112cmx46m 弊店は商品ページ左下の表の所に書いてあります)のものは46m前後、 50m規格のものは50m前後の長さになっています。染めあがった時の長さですので、多少バラツキます。

(46mとか50mもの長さがあるので すぐに数メートルくらい 違ってきます。また 作業者が切り間違えたり、端に欠点ができたので 少し短く切ったりもします)

前述しましたように 生地の種類によってこの長さは変わってきます。一般的に

着物の絹織物やビロード 一反=約23m前後
化繊(化学繊維)の織物      一反=約46か50m前後

の場合が多いです。化繊の場合でも 染加工の都合などで 半端な長さ(例えば40mとか)や 半反(23m)になっている場合も あります。
(刺繍用がメインの布生地の場合 58mで一反としている場合もあります。テープやリボンの場合 これよりも短い長さで 一巻きとしているようです)

1反=50mの生地の例

しわになりにくいサテン・クレープ

しわになりにくいサテン・クレープ

手触りの良いシルデュー・デシン

手触りの良いシルデュー・デシン

1反=46mの生地の例

色数の多い75Dシフォン・ジョーゼット(112cm巾)

色数の多い75Dシフォン・ジョーゼット(112cm巾)

2色の濃淡が綺麗なシャンブレー・シフォンジョーゼット

2色の濃淡が綺麗なシャンブレー・シフォンジョーゼット

1反=23mの生地の例

ポリエステル二越縮緬(チリメン)

ポリエステル二越縮緬(チリメン)

生地屋の反売は、メータ単価x実長(実際の長さ)での販売価格になります。

一般に化繊(化学繊維)等は一反がだいたい定長の販売になっていますが、天然繊維系ではそうでないようです。

この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。