バーバリーとは、コートで超有名なイギリスのブランド名です。布生地では 綿ギャバジンの一種で 元々はバーバリー・ブランンドのオイル・クロス(透湿防水加工)のコート地につけられた商標でした。ですが、今ではコート地の代名詞にように使われています。
(ポリエステル一般をテトロンと呼ぶのと 同じような感じですね)
経・緯に80~100番双糸を使い、密度は経190~200本/吋 緯95~100本/吋にして 2/2の綾(ツイル)に織ります。緻密でかすかな光沢のある手触りの良い織物です。
緻密に織った布生地に 耐久性のある撥水オイルをコーティング(塗布)しているので、ゴアテックスほど高性能ではないですが、透湿防水性能(汗をかいても ムレにくい)があります。それで 第二次世界大戦では 戦場のトレンチ・コート生地(トレンチは塹壕の意味です)として採用されました。
バーバリーの創始者 トーマス・バーバリー氏は、梳毛または綿を 織布工程の前に防水加工を施して緻密に織り上げて 布生地を織ることの特許を取りました。これが コート生地のバーバリーの始まりです。
ゴム引きよりはずっと着心地がよく(透湿性のため 昔はゴアテックスなどはなかった)、1911年に南極点に到達したロアール・アムンセン、南極大陸横断探検隊を率いたアーネスト・シャクルトンをはじめ、極地探検家たちに愛用されたそうです。1924年にエベレスト初登頂を目指したジョージ・マロリーが遭難した際にも、彼はこの布で作られたジャケットを着用していたそうです。
でも アムンセンと同時期に南極点を目指して 遭難したロバート・スコットの防寒服も、バーバリー社が製作したものらしいですが。
(牛革を重ねた形状の防寒服で、汗など体から出る水蒸気を吸い込み それが体温を奪って 保温の役目をあまり果たさなかったらしいです。それに比べて アムンゼンのは伝統的な防寒服であるアザラシの毛皮(耐水性がある)で作られていたらしいです)
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。