転写捺染とは、単に転写とか転写プリントとも言い 子供の遊びに使われる「写し絵」と同じ手法です。あらかじめ 図柄を紙に印刷しておき、布生地に重ねて圧力と熱を加えて 図柄を転写させる方法です。
多品種少量生産に向いているので 近年日本で盛んに行われるようになりました。インターネットでも オリジナル柄で衣装等のオーダーを受けるお店も増えてきているようです。
(インクジェット・プリンターで 図柄を印刷して使用)
よさこい屋オーダー
優れた点としては下記があります。
- 多色で自由な柄が作れる(工業生産のプリントは色数等の制限項目が多い)
- 水等を使わずに 廃水も発生発生しないので 環境に優しい
- 簡単な小規模な設備で 捺染(ナセン プリント)可能
- 少量でも比較的低コストで生産できる
短所としては下記があります。
- 中量以上では コスト高になる
- 深みのある濃い色は出にくい(表層だけで捺染するため)
主流は ポリエステル繊維の昇華転写捺染(乾式転写捺染)と呼ばれる方法で、ポリエステルを染める分散染料が移行昇華しやすい欠点を 逆手に取った捺染方法です。
(昇華とは 固体から液体を経ずに いきなり気体に変化する現象です。反対に気体から いきなり固体になる場合も昇華と言います)
親水性の天然繊維では 熱を乾式ではなく蒸気を用いた湿式転写捺染をします。
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。