ミシンの糸番手とは、カタン番手とも言い 綿番手と同じ太さの単位(1ポンド(453.6g)当たりの長さ(単位840ヤード=768m)。1ポンドで40ヤードの長さがあれば 40番手)です。
カタン糸(イト)とは、ミシン糸で コットン(綿)製のものを指します。元々ミシンに使うのには 強度が必要なため、例えば20番手のカタン糸(綿のミシン糸)を作るのに、
のように 手間をかけて強力な糸を作ってました(紡績糸は 糸を合わせるほど 互いに弱い部分を補い合って 同じ太さの単糸より強度が増します)。
「コットン」がなまって 「カタン」になったようです。ミシンで滑りやすいように グレス加工(蝋(ロウ)引き)されてます。
1812年にスコットランドで初めて作られ、日本には大正時代中期に ミシンと共に輸入されたそうです。1935年ごろから国産化もされました。
現在では ポリエステルやナイロン等 合繊や他の繊維で作られていても、カタン番手(ミシン糸番手)を使って ミシン糸の太さを表しています。
ポリエステル製のミシン糸は、カタン糸のような造り方をしているわけではありません。しかし通常の手縫い糸と違って、強度も強くしてあり ミシンでトラブラないような加工もしてあるそうです。
(糸の撚方向もちがうそうです。ですのでミシンで手縫い糸を使うと からまります。まあた たぶん滑りやすいように油剤も少量塗ってあると思います。手縫い糸は 絶対にミシンに使わないでくださいませ)
弊生地屋で売っているような 薄地にはできれば90・80番の細い糸が望ましいです(ミシン針は7・8・9・11番)。なければ60番でも可能かとは 思いますが、引き連れ等でましたら 細い糸と針に変えてみて いただけませんでしょうか? 又は ミシンのスピードを極端に遅くしてみて くださいませ。
許容範囲は かなり広いので、下糸は60番固定で 上糸だけ生地に合わせて 交換される方もいらっしゃるようです。
洋裁初心者の方で 最初にミシン糸を買おうとされる方は、とりあえず60番(一番汎用性が高い)を購入されれば いいと思います。ミシン針は とりあえず11番で(最初から11番が付いてきていると 思いますが)。
伸縮性のあるニット(編物)用のミシン糸も ございます。ニット用には上糸 下糸共 ニット用の伸び縮みするミシン糸を 必ずお使いくださいませ。(でないと 生地を引っ張った時に 切れる可能性があります)
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。