合成繊維(合繊)の長繊維織物の場合は 下記のように見分けます。(コットンやウールでは 反対の場合もあります。歴史的に各布生地産地でやり方が違います。たぶん それぞれの布生地や機械にとって都合の良い法方が取られているでしょう)
- 両耳の2列に空いている針の穴が 上に凸の方が表
- 反物は 巻いてある内側が表
- 虫眼鏡等で拡大して 毛羽みたいな表面の毛が 比較して寝てない方が表
で 見分けます。
- は 最後の仕上げセットで、表を上にして 機械にかけるため
- は 使用面を保護するため
- は ローラーなどにかかるときに 表を上にしているため(ローラー面の方は 毛等が寝てしまう)
片表面だけしか 布生地の検査はしてないです。薄い生地の場合は 問題ありませんが(片面に欠点があれば 裏からでも見える)、透けにくい布生地の場合は注意しないと裏側だと 検査で見逃した欠点がある場合があります。
ですが 表裏の見分けがつかなければ、(支障がなければ)お好きな方をお使いになられて 問題ありません。(だだし その場合、一枚の洋服では 使う面を統一した方が無難です)
プロの縫製工場さんでも、平織りのように 表裏のない組織の場合、表裏を気にせずにパターン・カットする場合もあります。(勿論 使う面は統一しますが。わたしのような布生地のプロでも 表裏を見分けることは 困難です)
著名なデザイナーさんでも 作り手が思った面と反対を 面白いと表にされる事も多々あります。またバックサテン・アムンゼンや 下記の生地のように 最初から両面を使うことを想定する布生地もあります。(ですが この場合も矛盾するようですが 主使用面しか検査しません)
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。