小倉とは、経糸(タテイト)1本に対し、緯糸(ヨコイト)を2~3本引き揃えて 平織または綾織に織った 比較的密な綿織物です。
白 紺 霜降りなどの色があります。袴(ハカマ) 帯 学生服などに使われましたが、現在は少なくなってます。福岡県小倉で生産されたので この名前があります。
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。
布生地の場合、色が違って見える時は 大きく次の2つの場合があります。
2.の場合は 次を参照してください。
後から買いに行った布生地の色が微妙に違う!
演色性とは、光源によって 同じ色でも微妙に違って見える事です。太陽光(自然光)の下で 同じ色に見えても、蛍光灯などの下では 違う色に見える現象です。弊生地屋は 自然光(北向きの窓)で 色合わせしてます。蛍光灯の下で 色合わせする会社も あるようです。
プロのアパレルの方でも、演色性のことをご存じなくて 「色が違う」と言う おしかりを受ける事が 稀にあります。演色性の事を 御説明してご納得いただきます。(弊店は北向き窓で 色合わせしてますと。自然光で色が合っていても、蛍光灯の光では 違ってみえる場合があります)
下記写真のように 同じ肉の写真でも 色が違って見えます。(写真は コニカミノルタさんのHPより拝借しています。演色性とは)
上の肉の写真、左が 演色性が一番高い(太陽光に一番近い)ので 一番美味しく自然に見えます。
(現在販売されているLEDは 技術が進んで もっと演色性は上がってます。Ra85程度とか、実際 昼白色の蛍光灯よりも 自然に見えます)
白熱電球は 演色指数が一番高く(ほとんどRa100 照度は暗いですが)、また 赤味に見えるので(赤黄色の暖色は 食欲をそそります。マックの看板が 赤と黄色なのは そのためです) レストラン等では 白熱電球を使う場合が多いです。
下記が太陽光のグラフです。縦軸は 上のグラフと同じように 相対値になってます。(グラフは 1.023world – ヤドカリパークとマリンアクアリウムさんの ブログより拝借してます)
このグラフの形(スペクトル)と 蛍光灯やLEDのグラフの形の違いが 演色性の原因の一つです。LEDのスペクトルが 一番太陽光に近いのですが、480nm(ナノメートル)辺りの 相対値が 低すぎるためか、自然光からは程遠い色の見え方になってます。
他にも 人の目が感じる色の強さが 色によって違うのも要因の一つです。下記グラフのように 明るい所(点線のグラフ)では550nm辺りの緑色が最も強く感じます。(暗い所(実線のグラフ)では 500nm辺りの空色です。写真は シャープさんのHPより拝借しています)
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カルゼとは、経糸(タテイト)に霜降りの双糸 または杢糸、緯糸(ヨコイト)には 単糸を使用した綾織物です。
下記が紡毛カルゼの例です。(写真は「apparel fashion Wiki」から 拝借しています)
カルゼの名称は、イギリスのサッフォード州の毛織物産地ガージー(Kersey)に由来すると言われています。
丈夫なので コートやジャケット パンツ スカートなどに使われます。
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ギャバジンとは、単にギャバとも言い 綿(コットン) 梳毛 麻 ポリエステルなどで 織られた丈夫で緻密な綾織物です。一般に特定の素材(綿とかウールとか)の織物の名前ではなく 織り方(織組織)の名前と言えます。
バーバリーのコート地が有名です。通常経糸の密度が 緯糸の倍くらいあるので(この方が織布の生産性は高い)、綾目(斜文目)が急角度になります。(裏面の方が綾目がはっきり見える場合もあります)
綿ギャバジンは40~60番手の双糸使い、毛ギャバジンは48~72番手の双糸使いが多いです。毛のギャバジンは厚く本格的な冬物に使用される事が多く、綿やポリエステルのものは 薄手で秋冬のコート地に使われる事が多いです。
ギャバジンの名前の由来は、もともと中世に着られた緩やかなクロークないしガウンを意味し、後に雨用のクロークや、身体を保護するスモックなどを意味するようになった「ギャバジン (gaberdine, gabardine)」という言葉に由来しているそうです。
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バーバリーとは、コートで超有名なイギリスのブランド名です。布生地では 綿ギャバジンの一種で 元々はバーバリー・ブランンドのオイル・クロス(透湿防水加工)のコート地につけられた商標でした。ですが、今ではコート地の代名詞にように使われています。
(ポリエステル一般をテトロンと呼ぶのと 同じような感じですね)
経・緯に80~100番双糸を使い、密度は経190~200本/吋 緯95~100本/吋にして 2/2の綾(ツイル)に織ります。緻密でかすかな光沢のある手触りの良い織物です。
緻密に織った布生地に 耐久性のある撥水オイルをコーティング(塗布)しているので、ゴアテックスほど高性能ではないですが、透湿防水性能(汗をかいても ムレにくい)があります。それで 第二次世界大戦では 戦場のトレンチ・コート生地(トレンチは塹壕の意味です)として採用されました。
バーバリーの創始者 トーマス・バーバリー氏は、梳毛または綿を 織布工程の前に防水加工を施して緻密に織り上げて 布生地を織ることの特許を取りました。これが コート生地のバーバリーの始まりです。
ゴム引きよりはずっと着心地がよく(透湿性のため 昔はゴアテックスなどはなかった)、1911年に南極点に到達したロアール・アムンセン、南極大陸横断探検隊を率いたアーネスト・シャクルトンをはじめ、極地探検家たちに愛用されたそうです。1924年にエベレスト初登頂を目指したジョージ・マロリーが遭難した際にも、彼はこの布で作られたジャケットを着用していたそうです。
でも アムンセンと同時期に南極点を目指して 遭難したロバート・スコットの防寒服も、バーバリー社が製作したものらしいですが。
(牛革を重ねた形状の防寒服で、汗など体から出る水蒸気を吸い込み それが体温を奪って 保温の役目をあまり果たさなかったらしいです。それに比べて アムンゼンのは伝統的な防寒服であるアザラシの毛皮(耐水性がある)で作られていたらしいです)
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帆布とは、セールクロス ダック テント・ダック キャンパス ズックとも言い、通常10番手くらいの糸を密に織った非常に丈夫な厚手の平織物です。厚いものを織る時は 10番手くらいの糸を2~8本撚り合わせて使います。
本来は船の帆に使われてました。厚さは1~11号まであり、数字が小さいほど厚いです。10、11号は薄物、6~9号は厚物、2~4号は極厚物と言われるそうです。細い糸を使って 密に織ってあるものほど 高級とされ、防水性に優れてます。
コットン(綿)製が主ですが、麻や合繊製のものもあります。コットンや麻は 水分を含むと膨らむので 防水性が不完全ながら増しました。ゴム引き等の手法がなかった時代は 布生地ではこの程度の防水性しかできませんでした。
用途は 帆 天幕(テンマク) スニーカー カバン 日よけ 建築用シート 洋画布 着物の衿芯や帯芯 相撲の廻し トラックの幌 競馬のゼッケン等など 幅広く使われます。用途によって 防水やゴム引きする事もあります。
ダックの語源は、布を意味するオランダ語の”doek”だそうです。
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シレジアとは、スレーキ スレキ(英語のスペルからは スレーキの方が正しいと思われますが)とも言われ、元々コットン(綿)の比較的密に織られたツイル(綾)織物で、服の裏地等に使われます。
一般に無地織物ですが、格子(チェック)などに 染められた物もあります。強い光沢仕上げをされて(合繊などと比べると あまり光りませんが) 滑りがよくなってます。
ジーンズ用語では スレーキはフロント・ポケットの袋地を指します。綿の平織または綾織で 厚く糊付けして弱いですが光沢を出してます。
ドイツのシレジア地方で最初に織られた事から シレジア(silesia)と言われるそうです。
スレーキの語源は 滑らかなという意味のスリーク(sleek)にあると言われています。合繊でも ズボンの裏地用途などに ウーリー加工糸で平織りに織った織物も スレーキと呼ばれます。
また別にメリノ羊毛や メリノ羊毛を使った織物を シレジアと言う事もあります。
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よろけ織とは、オンジュレーとも言い、
で、波型の地模様が現れます。非常に珍しい織物(私も写真でしか 見たことがありません。通常は 経糸緯糸共 直線です)で、一般に平織が多いそうです。
下記が経糸をよろけさせた織物の例です。わかりにくいですが、経糸が波状になっている部分があります。
(写真は nunotech研究所様より 拝借しています)
下記が緯糸をよろけさせた織物の例です。特殊な方法でやっているようですが、緯よろけ織の布生地としては このようなものだと 思われます。
(写真は 小林繊維株式会社様より拝借しています)
オンジュレーとは フランス語で「波形」の意味だそうです。
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異型断面とは、糸では下記の写真のように シルク(絹)を真似て 合成繊維や再生繊維で 糸の断面を丸でない断面にした繊維の総称です。
(下記写真は 丸安毛糸株式会社様より 拝借しています)
丸でない形にする事によって(通常の合成繊維や再生繊維は 丸断面です)、下記のような特性が出てきます。
三又のような三角(例:東レのシルック等 単に「異型断面」と言うと この三又のような三角断面を指すことが多いです) 星型 五角形等、いろいろな種類があります。最近は 下記写真のような精密な断面の糸も 作られるようになったみたいです。
(テイジンさんのホームページより 拝借)
下記が 弊生地屋取り扱いの 異型断面繊維の布生地です。画像やリンク・クリックで 詳細がご覧になれます。
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