捺染とは、プリントの事です。一般的な工程(直接捺染法)は 下記のようです。
- 染料や助剤をのりと練り合わせて 捺染のりを作る
- それをスクリーンやローラーなどの プリント機械(捺染機)を使い、布生地にプリント(印捺)する
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- 水蒸気で加熱(スチーミング)し 染料をよく布生地に浸染させ定着させる(発色させるとも言う)
- 洗浄液で洗浄(ソーピング)し 付着染料などを除去
- 水洗した後 乾燥して巾を整え製品とする
ですが、柄によっていろいろなやり方があります。
(捺染の反対は 浸染で無地染めの事(浸けて染めるので)です)
- 抜染法(バッセン):その部分だけ染まらないようにのりをつけ 下染めした後、そののりを取り除いて その部分だけプリントする
(抜染には 白色抜染と着色抜染がある。
下染めは、濃色は通常の染め(浸染)、薄い色はパディングと言って 染料を塗布して浸染させ定着させます。パディングの方がコストが安い)
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- 防染法(ボウセン):色が着かないように のりや蝋などを付けて 全体を染める(その部分だけ白く残る)
水玉(プリント業界では定番なので「無地」と言われるそうです)やストライプなど 単純な柄は、高速生産が可能でコストの安いローラー捺染をします。複雑な柄は スクリーン捺染(スクリーン印刷とほぼ同様の方法)をします。
スクリーン捺染は 機械でやる場合と手で操作する場合(手捺染 ハンド・プリント)があります。大量にやる場合は機械でやりますが、少量の場合は手捺染でやります。
(少量の場合は 手捺染の方がコスト安くなります)
(多くのプリント工場は112cm巾の機械しか持っていない所が多く 140cm巾以上の広巾(W巾)をプリントできる工場は少ないです。
柄がずれないように 布生地はプリント台に貼り付けます。この時に プリント下(P下 何もついていない)でなく、オフ(Off 染色してなく帯電防止剤付き)を使うと プリント台に張り付きにくいので トラブルの原因になります)
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最近は セーレン(株)のビスコテックスに代表される プリンターのインクジェット方式を応用したプリントも沢山やられるようになって来ています。従来の捺染に比べての利点は、
- 数多くの色(ビスコテックスは1677万色)の配色が可能(従来は10色程度 色数が多いほど型が必要で、コスト・アップになる)
- ビルの壁面につるすような巨大な柄も可能
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- 1mや着分(2~5m程度)の生産も可能(ただし1m当たりのコストは非常に高くなります)
- 微細な模様も出せる
反面 欠点としては、
- 深い色が出ない
- 大量に発注しても 一枚当たりの印刷時間は長いために コストが下がらない
プリントの柄は 意匠権がついている事が多く、あのブランドのプリントが カッコ良かったからと 勝手に真似をして生産できません。また 既存の洋服の柄を持ってこられても 同様のプリント柄の布生地が 売られている事はまずありません。(完全受注生産)
(生地屋さんで売られているプリント生地は 水玉や花柄などの差しさわりのない柄ばかりです。キティちゃんなどのキャラクラー柄も 通常は売られてません)
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。