布生地には 経緯(タテヨコと 読みます。布生地の世界では なぜかこの漢字を使用します)が あります。型紙にも 「↓」などの書き方で 経方向が書いてあると 思います。
広巾の生地などで 取り効率(又は布生地が不足する場合)の関係で 緯に取る(型紙の経方向を 緯にパターンを置く)場合があります。その場合は いくつか条件があります。(編物(ニット)は 専門ではないので、ここでは 織物に話を限ります)
- 布生地に経と緯に方向性があまりない(例えば 平織のような織組織)。サテン(朱子織 繻子織)やツイル(綾織 斜文織)は 方向性があり 不向きです。平織でも 経糸密度と緯糸密度が 大きく違う場合(通常は 経糸密度がやや多い)とか、経糸と緯糸の性質が大きく違う場合(緯糸が経糸に比べて 特に太い等)も あまり向いていません。
(弊店の 147cm巾のシフォン・ジョーゼット MS7400やMS7100は 経緯の差が少なく 緯取りで量産された実績があります)
. - 2Wayのストレッチ生地では 経と緯のストレッチ量が、同じ場合は非常に少ないです。通常は 緯の方がよく伸びます。布生地に方向性がなければ、よく伸びる方を 伸びて欲しい方向に使います。例えば
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1.身頃は横に伸びて欲しいので 伸びる方を横に。
2.膝や肘は 縦に伸びて欲しいので 伸びる方を縦に。
どうして 経緯を区別するかと 言いますと、製織(織り、織布)工程でも 染工程でも 基本的に経方向に 力がかかってます。ですので その方向が 洋服の縦にきたりした方が、自然ですし 狂いも少なくなります。
ですから、基本的に 型紙の経方向は守った方が 無難です。
余談ですが、布生地が足りないからと 同じ生地を買いに行っても 色合いが微妙に違う事もありますので ご注意くださいませ。詳しくは 下記を参照してくださいませ。
後から買いに行った布生地の色が微妙に違う
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。