アセテートとは、リンター・パルプ 木材パルプ(セルロース)を主原料として、酢酸を化学的に結合して作った繊維で、半合成繊維です。
アセチル基が、3つ付いたものが「トリアセテート」(トリは”3つ”の意味)、2つのものが「ジアセテート(又は ダイアセテート)」(ジは”2つ”の意味)です。通常 アセテートと言うと ジアセテートを指します。
絹のような優雅な光沢と手触りを持っていて、高級布生地(世界的にも生産量が少ないので、希少性がある)として使われています。トリアセテートは耐熱性に優れますが、吸湿性は ジアセテートの方が優れています。
もう国内では 三菱レーヨン(株)しか生産してないようです(2012.09.05時点)。トリアセテートの商標は「ソアロン」、ジアセテートのは「リンダ」です。
両者とも 強度が弱いので、単独で用いられるよりも ポリエステルなど 他の繊維と複合して用いられる事が多いです。熱と摩擦にも弱いので、アイロン時には 必ず当て布をするなどの注意が必要です。また シンナーやアセトン 除光液で溶けます。
(余談ですが、ジアセテートは たばこのフィルターとして用いられてます(生産がトリアセテートに比べて容易なので)。熱を加えても 嫌な臭いを出さない事から使われています)
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。