日別アーカイブ: 2015年9月4日

家庭での染色は止められた方がいいです


よくYahoo知恵袋等で 質問があるのですが、布生地や糸は 素材(綿やポリエステル等)によって 全部染料が違います。綿や麻 レーヨン キュプラ(ベンベルグ)等(主成分がセルロースで同じ)、同じ染料で染まるものもありますが、染着差が出ます。なので 混紡等で混ざったものを 染めると、まだらになったりします。

必ず染料の対象素材を確かめてから、染めてください。綿や麻 レーヨン キュプラ等は 比較的染やすいと思います。綿とポリエステルの混紡でしたら、綿用とポリエステル用 2つの染料で染めないとダメです。

(別に綺麗に染められなくても いい場合は別ですが。染料の性質によっては、一度に染められず 染料ごとに2回に分けて染めないとダメな場合が多い)

ポリエステルは染まりにくく 鍋で煮て100℃の温度まで 上げる必要があります。それでも 深い濃色は難しいかも知れません(通常135℃まで高圧で温度を上げて 染めています)。また ポリエステルに限らず、布地によりも かなり大きな容量の鍋を使わないと 染ムラになりやすいです。

使った鍋は 染料の汚れがこびり着いて、物理的には 綺麗に洗えば使える筈ですが、心理的に料理等には使いたくなくなります。

元の色と 全然違う色に染めようと 脱色されても、綺麗に前の色が抜けるわけでもなく(ポリエステル等 脱色自体が ご家庭では難しい素材もあります)、前の色の影響が残ると 思われたらいいです。なので 例えば濃紺から綺麗なピンク色への染め替えは 不可能です。

また製品を染める場合は、素材表示は綿100%でも 縫い糸は大抵ポリエステル製で、染めるにはポリエステル用の染料が必要です。煮ると 芯地等の副資材がダメージを受けるかもしれませんし、プラスチックのボタン等が 汚染(染料の色が着く)される場合もあります。

クシャクシャになってクセがついた洋服等を、アイロンで綺麗にそろえるのも 結構大変です。